体幹の役割(3) | 堀 啓のブログ

体幹の役割(3)

さて、前回までは体幹をひとつの塊として、下半身の力を腕(パンチ)に、上半身の力を脚(キック)に伝えるという体幹の使い方を書いてきました。

これに加えて、体幹には下半身、または上半身で発生した力を「増幅させて」パンチ、キックに伝える能力があると僕は思っています。

例えば、以前ご紹介した、肩関節の伸張反射を使ったフック。



このフックですが、体幹をしっかり安定させることで、下半身で生まれた力を上半身に伝え、肩関節のバネ、反動で増幅させて打ちます。

同様に、肋骨から肩甲骨にかかる前鋸筋や、脊柱、骨盤から大腿骨にかかる腸腰筋など、

体幹と股関節、肩関節を繋ぐ筋肉のバネを利用してパンチ、キックのパワーを増幅させることが出来ます。

このときもやはり、体幹を固めて安定させ、手足を脱力することで、体幹から伸びる筋肉のバネが最大限に引き出されます。

つまり、体幹でパワーを増幅させるというのは、正確には体幹を固める事でパンチ、キックのパワーを増幅させる「土台」を作れるという事です。


この様に、様々な役割を持つ体幹。

トレーニングの時もただ鍛えるより、動作の中でどの様な役割を持つのかという事を意識してトレーニングする事が大切です。