伸張反射を使ったフック(2) | 堀 啓のブログ

伸張反射を使ったフック(2)

2ヶ月空いてしまいましたが前回の続きです(^^)

肘を肩甲平面の後ろに引いて肩、胸周りの筋肉に伸張反射を起こさせてバネを弾くように打つフック。
しかし、文字通り肘を後ろに引いてしまうと、腕を後ろに引いてから前に振り出す切り返しの瞬間に大きく隙ができてしまいます。
後ろに引いていたものを反対方向に振るので、エネルギーもたくさん使い体力の消耗も激しいです。

ではどうすればいいでしょうか?

を後ろに引くのではなく、パンチを打つ側の腕以外の部分(体幹部分)を強く前に振り出すことで、肩、胸周りの筋肉が引きのばされ、伸張反射が起こり強いフックを打つことが出来ます。
この打ち方なら後ろに引いてそのまま前に出すという、切り返し動作がないぶん隙ができにくいのと、エネルギーの消耗も少なくて済みます。

しかし、もう一つ気をつけなければいけないことがあります。
この状態は腕が肩甲平面の後ろにある不安定なポジションのため、この状態でパンチが当たると肩に大きな負担がかかりかねません。
肩、胸周りの伸張反射はあくまでパンチを加速させるためで、当たる瞬間の肩関節の角度はあくまで肩甲平面上か、肩甲平面の内側であるべきだと考えます。
フックを打つときに体幹から加速させますが、当たる瞬間には腕が身体の前面に来るように、体幹には急ブレーキをかける必要があります。
この急ブレーキによって、伸張反射に加えて慣性の法則が働き、フックのスイングのヘッドスピードが上がってバネの効いた鋭いフックを打つことができます。
身体の前面で売っているので肩関節が安定したポジションになりインパクトでも強い力を発揮できます。
この場合、フックを打つ腕は極力リラックスし、肘の角度だけ注意して、あとは肩からぶら下げた石(=拳)を振るようなイメージで打ちましょう。

全身の力を使ったフックを打つ為には、更に下半身で発生させた力を上手く連動させて体幹を通じて上半身に伝える必要があります。
下半身から伝わってきた力に、上半身のバネを上乗せしてフックを打つにはこのような打ち方が有効ではないでしょうか。



※ただし、この打ち方もやはり肩関節には大きな負担がかかるので、肩周りの筋肉が十分に鍛えられていない方、肩の脱臼癖がある方は注意して使ってください。