International news of last week(先週の国際ニュース4月29日号)

 

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米ウクライナ支援予算成立、総額608億ドル(24日)☆

・米上院は総額608億ドルのウクライナ支援予算案を可決した。下院は20日に可決済み。

・バイデン米大統領は24日予算案に署名し、成立した。

・米は今後大量の弾薬や防空ミサイルなどの供給を推進する。

・ウクライナ戦争は長期化。ウクライナ側は弾薬など不足などが深刻になっていた。

・ロシアによる大規模な侵攻が5月にも予想され、ウクライナは防衛力の強化を目指す。

世界の軍事費、9年連続増加で過去最大(22日)☆

・ストックホルム平和研は2023年の世界の軍事費を発表した。

・前年比6.8%増の2兆4430億ドル。2015年から9年連続で増加し、過去最大を更新した。

・ウクライナや中東での戦争を背景に、各国で支出が伸びた。

・軍事費は世界のGDP(2023年104兆ドル)の2%を超える。

・米国が9160億ドルで突出。以下中国、ロシア、インド、サウジと続く。

・ウクライナは648億ドルで8位だが、欧米などからの支援を加えるとロシアに匹敵する。

・世界の軍事費は冷戦後2000年頃まで減少。その後2010年にかけて拡大した。

・2010年代前半は横ばいだったが、2010年代後半から拡大している。

◆米、EUがTikTok規制強化 ☆

・中国バイトダンス傘下の企業が手掛けるTikTok規制の動きが相次ぐ。

・欧州委員会は22日、TikTokの一部サービス停止を検討すると発表した。

・アプリで友人招待をするとポイント獲得できるサービスなどに、中毒性があると指摘した。

・これを受けTikTokは24日、一部機能を自主的に停止すると発表した。

・バイデン米大統領は24日、TikTok規制法案に署名した。

・TikTokの米国事業を中国資本から分離するか、利用禁止かの二択を迫る内容。

・欧米では数年前から公的機関でのTikTok使用禁止などの動きがある。

・トランプ前米政権も中国資本からの分離か利用禁止を求める動きを見せた。

・TikTokから2022年に利用者の情報漏洩が発覚。中国への情報流出が懸念された。

◆英国が不法移民をルワンダ移送、法案が可決(23日)

・英国で不法移民をルワンダに強制移送する法案が成立した。下院、上院が可決した。

・ルワンダに不法移民を移送する一方、支援を供与。同国から第3国への移送は禁じる。

・2022年にジョンソン政権の下で計画が動き出し、今回実現する。

・移送には国際社会からの批判も強いが、英国は押し切った形だ。

・英国には英仏海峡などから不法移民が入り、2022年は4.5万人を記録した。

・アフガニスタンやイラン、トルコなどの出身者が多い。

米国でイスラエル批判デモ拡大

・米国の大学で、イスラエルのガザ侵攻への抗議デモが拡大している。

・NYのコロンビア大、ワシントンのジョージタウン大など各地で学生が集結。

・解散を命じた警官との間で衝突し、逮捕者が出るケースも多い。

・批判はイスラエルだけでなく、武器を供与する米政権や企業にも向かう。

・ガザ問題を通じた若者のバイデン政権批判は、大統領戦に影響する可能性もある。

 

寸評:of the Week

 

【世界の軍事費拡大】 

ストックホルム平和研(SIPRI)は2023年の世界の軍事費を発表した。ウクライナやガザ戦争の影響もあり、軍事費が拡大している姿が浮き彫りになった。

2023年の世界の軍事費は前年比6.8%増の2兆4430億ドル。軍事費拡大は2015年から9年連続で、史上最高を更新。総額は世界のGDP(2023年104兆ドル)の2%を優に超える。

軍事費のランキングは以下の通り。(1)米国9160億ドル、(2)中国2960億ドル、(3)ロシア1090億ドル、(4)インド836億ドル、(5)サウジ758億ドル、(6)英国749億ドル、(7)ドイツ668億ドル、(8)ウクライナ648億ドル、(9)フランス613億ドル、(10)日本502億ドル。以下韓国、イタリア、豪州、ポーランド、イスラエルと続く。

ウクライナは前年比51%増の648億ドルだが、欧米などからの支援350億ドルを加えるとロシアの額に近づくと分析している。イスラエルは275億ドルで前年比24%増だった。

世界の軍事費は冷戦後2000年頃まで減少。1兆ドル程度まで縮小し、「平和の配当」が指摘された。しかしその後、民族・地域紛争や対テロ戦争などを踏まえて2010年にかけて拡大。2兆ドルに近づいた。2010年代前半は横ばいで推移した。

2015年からは西側と中ロの対立激化などを背景に再び拡大。2023年で9年連続増となった。ウクライナやガザでの大規模な戦争、東アジアでの緊張の高まりなど、世界はきな臭い方向に動いている。それが軍事費にもくっきり出ている。

米国は同盟国などに、GDP比2%以上の軍事支出を求める。世界全体は2%を上回った水準。「2%」の掛け声も、世界の軍事費拡大の押し車になっている感じがする。

 

◎今週の注目(4月29日-5月5日&当面の注目)

 

・ガザ戦争と中東情勢は引き続き要注意。

ウクライナ戦争は5月を迎え、ロシアによる攻勢の情報も流れている。

・米FRBが4月30日-5月1日に公開市場委員会を開催する。

インドの総選挙が全土で実施中。最終開票は6月4日から。