International news of last week(先週の国際ニュース6月9日号)

 

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ウクライナのドローンがロシア空軍基地に奇襲攻撃(1日)☆

・ウクライナがロシア各地で軍基地にドローンで奇襲攻撃を実施。多大な被害を与えた。

・同国によればシベリア地区も含む4空軍基地で爆撃機41機を損傷・破壊した。

・ロシア国内に密かに運び込んだドローンで攻撃したという。「蜘蛛の巣」作戦と命名した。

・戦闘がロシア優位で進む中で一矢を報いた。今後の交渉への効果などを考えて実施。

・ロシアのプーチン大統領は報復を表明した。6日にはウクライナ全土を空爆した。

・7日には東部ハルキウに過去最大級の空爆を実施した。

・奇襲攻撃はトルコで、両国高官レベルの直接交渉が行われる前日に実施された。

・高官協議で停戦交渉の進展はなく、捕虜交換のみが決まった。

・トランプ米、プーチン・ロシア領大統領は4日電話で協議した。2月以降で4回目。

・会談後トランプ氏は早期停戦断念を示唆。「しばらく戦わせた方が良いかも」と語った。

・奇襲攻撃は強烈な印象を与えると共に、今後の情勢に様々な影響を与える。

韓国大統領選挙、革新の李在明氏が当選(3日)☆

・大統領選が行われ、革新系の野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)氏が当選。

・保守の金文洙候補らを破った。革新系の大統領は3年ぶり。

・4日に大統領に就任した。任期は5年。

・選挙は尹錫悦氏前大統領罷免を受けて実施した。同氏は非常戒厳を出した。

・国民は尹氏の非常戒厳に対し厳しい判断を示した形だ。

・ただし、保守層には尹氏支持も根強く、韓国社会の分断が浮き彫りになった。

・李氏は当選後、国民の団結や、米日との強固な関係などを主張した。

米中首脳が初の電話会談(5日)

・トランプ米大統領と習近平中国国家主席が電話で約1時間半会談した。

・米中電話首脳会談は、今年1月にトランプ政権が発足してから初めて。

・関税問題などを協議した。トランプ氏は中国のレアアース輸出規制で改善を求めた。

・米国による中国人留学生へのビザ規制などもテーマになった。

・米中は4月報復関税合戦を繰り広げ、互いの関税が100%を超える異常事態になった。

・その後5月に閣僚級会議を実施し、関税を米が30%、中国が10%に下げた。

・しかし未決着の部分が残り、協議を続けている。台湾問題などでも対立構図にある。

・今後の米中関係は、予断を許さない状況にある。

トランプ大統領がマスク氏と決裂(5日)☆

・トランプ米大統領はマスク氏について「非常に失望した」と非難し、決裂した。

・マスク氏は大統領選でトランプ氏を支持し、両者は蜜月ぶりをアピールしてきた。

・新政権で政府効率化省のトップを務め、5月末に任期満了で退任していた。

・マスク氏は減税延長法案に反対。トランプ関税にも否定的な発言をしていた。

・同法案にはEV購入への補助を前倒しで排する内容が含まれている。

・マスク氏のスペースXはNASAなど政府機関と取引が多く、こちらにも影響しかねない。

・決裂の情報を受け、テスラ株は5日大幅に下落。下落幅は一時18%に達した。

・マスク氏は共和、民主とは別の第3党の必要性にも言及。衝撃は多方面に及ぶ。

◆オランダ内閣崩壊、移民巡り対立(3日)☆

・極右自由党を含む連立政権が崩壊。スホーフ首相は辞任を表明した。

・同国では2023年11月の選挙で自由党が第1党になった。

・24年7月に自由党など4党連立政権が誕生。首相は非政治家のスホーフ氏首相。

・しかし移民規制を巡る意見対立で自由党が離脱した。

・10月29日に総選挙が実施される。

 

◎寸評:of the Week

 

【世界が激しく動いた1週間】 

世界が激しく動いた1週間だった。ウクライナによるロシア軍事基地への奇襲、米ロと米中の電話首脳会談はいずれも予想していなかった動き。トランプ氏とマスク氏の決裂も、こんなに早く起きるとは予想外だった。韓国大統領選は予定に組まれていたが、影響の大きい話だ。

トップ5以外でも、米トランプ政権が4日鉄鋼・アルミの関税を25%→50%に引上げ、トランプ氏はイランなど12カ国からの入国を原則禁止する大統領令に署名した(4日)。政権はハーバード大学に対し、外国人留学生への新たなビザ発給を停止すると決めた(同日)。

ポーランド大統領選(1日)は右派の野党「法と正義」が推すナブロツキ氏が当選。親EUで中道左派のトィスク首相の政権とねじれになる。オランダでは極右自由党が主導してきた連立政権が崩壊し、10月総選挙となった。

【トランプ・マスク氏の決裂】 

米実業家のイーロン・マスク氏とトランプ大統領が決裂した。マスク氏が減税延長法案への反対など政権批判を強める中、トランプ氏は4日「失望した」と非難。これに対しマスク氏が反論をSNS上に載せるなど、批判合戦がエスカレートしている。

マスク氏は5月末に政府効率化省(DOGE)の事実上のトップの職を退いたばかり。マスク氏はかねて関税や減税を巡り政権の政策を批判する発言をしていたので、いずれ政権と衝突するとの予想は少なくなかった。しかし、政府から離れたその週のうちにケンカになるとは予想外だった。

マスク氏の特徴であるスピード感は、ビジネスだけでなく政治的なふるまいでもそうなのか。前週にマスク氏関連の川柳を作ったが、追加で示したくなった。

◎ 蜜月から罵り合いまで2、3日

◎ 無事ネスも政治も驚異のスピード感

◎ 見る分にはマスク劇場面白い

【ウクライナのロシア奇襲】 

ウクライナがシベリアを含むロシア国内の空軍基地にドローンを使って奇襲攻撃を仕掛け、大きな被害を与えた。ウクライナ側の主張によれば攻撃は空軍基地4か所で、41機の爆撃機を損傷・破壊した(英FTの報道では、破壊されたのは10機程度)。攻撃の様子はドローンからの画像で世界に流れた。

攻撃は、全般的にロシアが攻勢をかける中で行われた。ウクライナとして一矢を報いる力があることを誇示したともいえる。

一方、ロシアは報復を宣言。6-7日にかけてはウクライナ各地に大規模なドローン攻撃を仕掛け、北部の主要都市ハルキウを攻撃した。戦争がエスカレートし、当面停戦交渉は難しくなったとの見方もある。

奇襲攻撃の影響は様々な方面に及び、全体像はつかみにくい。ただ、今回の攻撃が印象的なものだったことは間違いない(CNNが攻撃を「ダビデ対ゴリアテ」になぞらえて報道した)。また、ドローン戦争の一端を世界に分かり易い形で示した点も重要だろう。

 

今週の注目(6月9-15日&当面の注目)

 

・G7首脳会議が6月15-17日にカナダで開かれる。

・米トランプ政権が決定した相互関税の上乗せ分の実施一時停止期間は7月9日まで。関税交渉はそれまでが一つのメドになる。

・トランプ関税、ウクライナ停戦、イスラエル・パレスチナ情勢は引き続き注目。