NESARA / QFS:長く続いているインターネット詐欺
:Part 1
「NESARA法」「量子金融システム」の偽情報を使ったネットインフルエンサーによる詐欺の背景、歴史、現状を詳しく解説
ジョーダン・サザー(Jordan Sather):2月24日
NESARA(ネサラ)詐欺は、数十年前から、ニューエイジ/真実主義者/陰謀家界隈で長く続いている詐欺で、2017 / 2018年頃から「量子金融システム」と云う新たな出現も加わっています。
私自身、覚醒の旅を始めたばかりの2012年頃、このインターネット上の理論に騙された事があります。
若く、世間知らずで、当時出回って居た、あらゆる種類の陰謀説に飛び付いて居たのです。
しかし「今夜来る!」「明日来る!」「来週来る!」と言われ続けて、1~2年経った頃、私はこの説の正当性に疑問を持ち始め、もう少し掘り下げてみた処、偽情報の最たるモノである事が判りました。
ソーシャルメディア時代になり、特にここ数年は陰謀論や真相究明が盛んになり、明らかに名声とお金を求めている無責任な、否、正に詐欺師とも言えるインフルエンサーによって、こうしたクリックベイト(虚偽・誇大宣伝)詐欺が未だに宣伝されているのを見るのは、私にとって興味深い事でした。
この記事では『NESARA / QFS 詐欺』の歴史、詐欺師達が宣伝している理論、そして何故、何年も経った今でも、この詐欺が続いて居るのか、その動機について考察してみたいと思います。
魔法の様な『NESARA法』が実施され『QFS』のスイッチが入れば、実質的にお金がタダで手に入ると信じて、支払いを止めてしまう人が居る程、多くの人が騙されて居る事を考えると、このウィルス性理論を否定する事は重要な事なのです。
この説を信じる、純朴な人達の心に大きな損傷を与えている。
『NESARA』の起源 - ハーヴェイ・フランシス・バーナード( Harvey Francis Barnard )
Harvey Francis Barnard (1941–2005)
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ハーベイ・F・バーナード博士は、お金について書いているが経済学者ではなく、銀行について書いているが銀行家ではなく、法律について書いているが弁護士ではなく、道徳について書いているが牧師ではなく、歴史について書いているが歴史家ではなく、社会について書いているが社会学者ではなく、政治について書いているが政治家ではない。
彼は、システムトラブルシューターとしてキャリアをスタートさせました。この30年間は、技術コンサルタントとして、様々な企業に大規模システムのトラブルシューティング技術を教えてきた。
米国の問題の根本的な原因や解決策を探る為、60年代後半から活動を開始した。ルイジアナ州立大学の教授が、ある講義の中で「社会的、経済的問題の幾つかは、産業問題の解決に使われるのと同じツールや技術で分析し、解決する事ができる」と何気なく言った事が切っ掛けで「兎に角やってみよう」という挑戦的な計画が始まり、それが聖戦と化した。
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1980年代後半~1990年代前半にかけて、工学コンサルタントの、ハーベイ・フランシス・バーナード(Harvey Francis Barnard)が『NESARA案』と呼ばれるものを作った。
NESARAとは『National Economic Security and Recovery Act:国家経済安全保障及び回復法』の略である。
1996年、彼は「Draining the Swamp:沼の水を抜く」という本を書いた。
1996年、彼は「Draining the Swamp: Monetary and Fiscal Policy Reform:沼地の排水:金融政策と財政政策の改革」と云う本を書き、何千部も刷って国中に配り、国会議員にも郵送した。
彼の理論は、負債に基く不換紙幣システムは、持続不可能であり、彼がNESARAの著作で呼び掛けて居る改革を通じて、経済へのストレスを解消し、この国を豊かな道へと導く事ができると云うものでした。
負債に基く経済システムが、持続不可能であると云う彼の考えは正しいが、バーナード(Harvey Francis Barnard)が、彼の提案に基く政治運動を構築する努力は成功しなかった。
2000年、インターネット上で提言を発表し、2001年にはルイジアナ州に非営利団体「NESARA研究所」を設立(2013年現在、解散)、2005年には自著の第2版を執筆している。
NESARAの詐欺行為やインターネット詐欺は、バーナード(Harvey Francis Barnard)から始まったのでは無い事を記して置きます。
彼は純粋に、NESARAの提案で物事を変えたいと考えていましたが、彼らの耳に入らないだけでした。
NESARAの詐欺や不正は、バーナード以降、2000年代前半に出現し始めた。
「ワンネスの鳩(Dove of Oneness)」が、この話に乗り支離滅裂に!
バーナードが、2000年にNESARAの提案をインターネット上で発表した直後「ワンネスの鳩:Dove of Oneness」と呼ばれる、ブロガー、本名シアニー・グッドウィン(Shiani Goodwin:ワシントン州のラムサ・スクールの元生徒)が、それに目を付け、無意味な主張を満載してNESARAを宣伝しました。
NESARAの発表を今すぐ応援しよう! - シアニー・グッドウィン:ダヴ・オブ・ワンネス
グッドウィンのNESARAの話は、バーナードが提案したものを遥かに超えており、フォーラムやWebサイトへの投稿では、2000年3月にネイビーシールズの秘密任務がホワイトハウスのビル・クリントンに降り立ち、彼にNESARAに署名させたが、箝口令により彼はそれについて話す事ができなかった、そして2001年9月11日に実施される筈だったが、ジョージ・ブッシュが、NESARAの実施を妨害し遅らせる為に、9/11攻撃とイラク侵略を組織化したという主張を宣伝した。
更に、国税庁と所得税が廃止され、クレジットカードの負債が全て免除され、フリーエネルギー技術が世界中に解放され、全ての人に莫大な金額が支払われるといったアイデアも添えられていました。
この様に『NESARA案』と云う、空想の中に幻想が添えられて居る事で、なぜ人々が簡単に騙されてしまうのか、その理由が判ります。
ネサラ 今発表:憲法を復活させ、世界平和を取り戻す。所得税が銀行引き落としを免除されます。2000年3月に法律が成立し、2000年10月に署名されました。この法律は、以下のように呼ばれています。
NESARA - National Economic Security and Reformation Act(国家経済安全保障及び改革法)の略。この法律では、以下のことが規定されています。
- 銀行や政府の違法行為によるクレジットカード、住宅ローン、その他の銀行債務を赦免する。
- 所得税の廃止
- 国税庁を廃止し政府にとって不要不急の「新品のみ」の定額消費税収入を創出する
- 高齢者への給付金を増加させる
- 憲法を返上します
- NESARA発表後120日以内に新しい大統領選挙と連邦議会選挙を実施
- 選挙を監視し、違法な選挙活動や特別利益団体を防ぐ
- 金、銀、プラチナの貴金属に裏打ちされた新しい米国財務省の通貨「レインボー通貨」を創設する
- 全ての法廷と法的事項に憲法を戻す。
- 憲法に沿った新しい米国財務省の銀行制度を導入
- 連邦準備制度の撤廃
- 金融機関のプライバシーの保護
- 全ての裁判官と弁護士に憲法を再教育
- 米国政府の全ての攻撃的な軍事行動を停止
- 全世界の平和を確立
- 何十年も掛けて蓄積された膨大な富を世界的に豊かに分配する第一段階を開始
- 人道的な目的の為に莫大な資金を放出する
- 代替エネルギー機器等の新技術の公開を可能にする。
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米ワシントン州タコマの、ニュース・トリビューン(News Tribune)の調査ジャーナリスト、ショーン・ロビンソン(Sean Robinson)は、2004年と2005年に「ワンネスの鳩」NESARA詐欺について、幾つかの記事を書いている。
一時期、グッドウィンは、彼女の「情報報告」を購読し続ける為に、米ワシントン州オリンピアのドロップボックスに15,000人が、お金を郵送していました。
2004年に出版された彼の記事「Snared by a cybercult queen:電脳カルトの女王に捕まった」からの抜粋は以下の通り:----------------------------------------------------------------------------
秘密の法則
4週間前、映画監督マイケル・ムーア(Michael Moore)の「華氏9・11」が全米で公開されると、グッドウィンの信奉者達は劇場のドアの前に立ち、謎の頭文字「NESARA」で始まる紙を配っていた。
この言葉は、オリンピアのカフェの外の棚に積まれた紫色のチラシ、オランダの世界裁判所で毎週広げられる横断幕、テキサス、シカゴ、南米のデモ隊が持つ看板、オーストラリアのビーチの砂に書かれたもの、ワシントンD.C.で転がるビルボードの側面にも書かれている。
これは秘密法の略で、4年前に議会が通過させたと鳩が主張するものである。所得税を廃止し、住宅ローンを免除し、クレジットカードをゼロにし、平和を宣言する法律である。
メディアは、それについて語る事ができない、と彼女は言う。
ネサラの真実を知っているのは鳩だけで、彼女が厳かに説明するように、それは危険な情報である。その為、彼女は秘密のIDを持っている。
「私の名前を知っている人は殆ど居ません」「私は北西部のディープ・スロートなのです」
と、彼女は言う。
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ハーベイ・フランシス・バーナード(Harvey Francis Barnard)は、2005年にグッドウィン(Shiani Goodwin)が、亡くなる前に、彼の原案のNESARAのアイデアを捻じ曲げた事に気付き、代替NESARAの主張は彼の提案を信用させない為の情報操作であるとして非難した。
Harvey Francis Barnard (1941–2005)
グッドウィン(Shiani Goodwin)は、2010年に亡くなるまで、会合を開き、NESARAの詐欺を続けていた。
I was thinking about the toxicity of online conspiracy theories turbo-charged by social media, so I’m going to tell a little story. The woman at the door is Shaini Goodwin, now deceased. That’s me on her doorstep. Goodwin was the leader of a cyber cult. pic.twitter.com/3nkam4JLg4
— Sean Robinson (@seanrobinson1e4) May 7, 2018ソーシャルメディアによって加速されたネット上の陰謀論の有害性について考えていたので、少し話をしようと思う。玄関にいた女性はシアニー・グッドウィン、今は亡き方です。玄関先にいるのが私です。グッドウィンはサイバーカルトのリーダーだった。
ソーシャルメディア時代が火種に
グッドウィンの死後、多くのニューエイジ/アセンションのブログが、彼女の偽のNESARA物語を取り上げ「Galactic Connection:銀河系の繋がり」「Mass Awakening:大衆の覚醒」「Into the Light:光の中へ」「Alcuin Bramerton:アルクイン・ブラマートン」等のWebサイトが、それを実行し始めた。
ネット上では「銀河連邦:Galactic Federation」の地球外生命体や「アシュター司令部:Ashtar Command」とチャネリングしていると主張する様々な人々が、宇宙人は、世界中でNESARAを実施する為に来たと主張した。
又「白龍会の東アジアの家族」が「サンジェルマン世界信託」を通じて、世界に資金を提供し、私達を経済的な奴隷から解放してくれると主張した事もありました。
2011年~2012年に掛けての覚醒の旅で、未だ情報が新鮮で検索も甘かった私は、この様な無名のブログで、NESARAの主張に出会い、その魅力に取り付かれた。私は、この幻想的なNESARA法が密かに署名され、世界中に展開され、私達の銀行口座には、無料の資金が投入され、白帽子によって無料のエネルギー技術が魔法の様に世界中に公開され、異星人はその一部であると信じ込んで居ました。
「今夜発表される」「いや、明日だ!」「今週末に発表される!」と言われ続けて数年、私はNESARAの主張の正当性を疑い始め、遂に深く掘り下げてみた処、全く根拠の無い事が判りました。
有り難い事に、当時私はネット上のインフルエンサーではなかったので、信じている間は、この馬鹿気た事を観客に宣伝する事は無かった。
もし軍人の白帽子がホワイトハウスを急襲してクリントンに署名を迫る力があったのなら、何故制定されなかったのだろう?
もし、それが密かに法律として署名されたのなら、何故、私達は8年間のブッシュと、8年間のオバマに対処しなければならなかったのでしょうか?
これらの無名のブロガーは、これらの疑惑のある法律の秘密とされる機密の詳細を、どの様にして入手しているのだろうか?
NESARAに関する多くの事が腑に落ちず、ネット上のインフルエンサー達によるNESARAに関する主張には、矛盾が多い。
2010年代半場には、陰謀論に関連する情報を共有する為に、ソーシャルメディアを利用する人が増え、NESARAの主張は、範囲とウィルス性を拡大した。
2020年代に入ると、NESARAや、関連する「RV」「QFS」理論に関連する偽情報は、且つて無い程の生命力を持つ様になりました。
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