インフレの為、米国人は、日々の出費をクレジットカードに頼らざるを得なくなった。
2022年9月22日(木) by:メアリー・ヴィラールTags: Bubble, chaos, Collapse, credit card, credit card debt, crisis, debt bomb, debt collapse, economic collapse, economy, Federal Reserve, finance, Inflation, market crash, money supply, panic, rising costs, risk
調査プラットフォーム YouGov の依頼によるCreditCards.com の調査によると、米国人の約60%が、少なくとも12ヶ月間、毎月クレジットカードによる負債を抱えている事が判りました。
高騰するインフレの中、クレジットカードの負債を抱える米国人が増加
American households increasingly relied on their credit cards this spring as prices rose at the fastest rate in four decades. https://t.co/UDBQjzW6M0
— Breitbart News (@BreitbartNews) August 2, 2022この春、米国の家庭は、過去40年間で最も速いスピードで物価が上昇した為、クレジットカードへの依存度を高めています。
更に、残高を抱える人の40%が少なくとも2年間、28%が少なくとも3年間、19%が少なくとも5年間そうしていると答えています。
又、米国のクレジットカード保有者の内、収入が5万ドル未満の人の59%が、毎月クレジットカードの残高を維持して居る事が判りました。
この割合は、5万ドル~8万ドル(凡そ710万円~1145万円)の収入の人では49%に、8万ドル~10万ドル(凡そ1145万円~1,430万円)の収入の人では46%に減少します。
NY米連邦準備銀行によると、米国人は6月現在、合計約8870億ドル(凡そ127兆円)のクレジットカードの負債を抱えている。ライトキャストのシニアエコノミスト、ロン・ヘトリックによると、これは昨年の同時期から凡そ13%増加しており、過去20年間で最大の増加率だという。
米国人はインフレに対処するためにクレジットカードの負債を積み上げている
クレジットカードの借金は、その平均的なコストが上昇するにつれて蓄積されている。
オンライン・マーケティング・リード・ジェネレーター兼住宅ローンブローカーの LendingTree によると、新しいクレジットカードの平均金利は18〜25%です。
LendingTree の、クレジットアナリストであるMatt Schulz氏によると、クレジットスコアが最高の人でも、新しいクレジットカードには18%以上の金利を支払う事が予想されるとのことだ。
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CreditCards.comの、シニアアナリスト、テッド・ロスマン氏は、クレジットカードの借金は入り易く抜け難いもので、高いインフレと金利の上昇が、このサイクルから抜け出す事を、難しくしていると述べている。
基本的な生活必需品の消費者物価も上昇傾向にあり、コストに追いつく為に、借金を重ねる米国人が、増える可能性が高まっている。
労働統計局も、食料品の価格は、7月~8月に掛けて0.7%上昇し、家庭での食料品の価格は、前年から13.5%上昇したと指摘している。
ガソリン価格は、7月~8月に掛けて10.6%下がったが、それでも前年比、25.6%増と驚異的な高さだ。
クレジットカードの請求が、かさむ日々の出費の理由
今回の調査では、クレジットカードの残高を維持する主な理由として、4分の1近くが日々の出費を挙げ、半数近くが医療費や家・車の修理費 等の緊急・突発的な出費を挙げています。
又、米連邦準備制度理事会(FRB)は、今年5回目の利上げを行う可能性が高い。金利は通常、フェデラル・ファンド金利に直接連動しており、その引き上げに加え、経済の軟化が延滞率の更なる上昇に繋がる可能性があります。
クレジットカードの延滞率(支払いの一部が90日以上遅れること)は、着実に上昇していた。
NY米連邦準備銀行の上級副総裁ウィルバート・ヴァン・デル・クラウは以前、彼らのデータによると、クレジットカードの借り手の延滞への移行は、2016年から着実に上昇しており、特に若い借り手の間で顕著であると述べた。
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最も若い米国人、通常は18歳~29歳前後が約9.36%という最も高い延滞率に苦しむ一方、高齢の米国人、通常は50歳以上が5%以下の延滞率となっており、これは若い世代と比較して富が増えた事と歩調が合っている傾向がある。
消費者負債総額は既に、7月に238億ドル増加し、過去最高の4兆6400億ドルに達しているが、この数字には、クレジットカード負債、学生ローン、自動車ローン等が、含まれている。
但し、住宅ローンの借金は考慮されていない。
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リボ払いは、ビジネスや活動の制限が人々の消費の機会を制限したパンデミック発生時には、急激に減少したと言われている。
しかし、その後、消費者が再び支出を始めたため、過去最高水準まで急騰している。
インフレが進む中、爆発的に増加しているクレジットカードの負債について、以下のビデオで詳しくご紹介しています。
クレジットカードの負債が過去3ヶ月で爆発的に増加