米国でインフレが爆発し、欧州は市民不安と「永久的な脱工業化」の暗い冬に直面している。
2022年9月15日(木) by:マイク・アダムス
Tags: chaos, civil unrest, Collapse, electricity, energy, energy prices, Europe, food inflation, food prices, food supply, Inflation, natural gas, power grid, Russia, scarcity, starvation, winter
今週初め、米国のインフレ率(政府統計による)は、前年比8.3%となった。
食品、住宅、エネルギーコスト等、現実の支出を織り込んで正直に報告すれば、実数は16%~20%に近付くだろう。
(ジョン・ウィリアムズの)
( ShadowStats )
(下のグラフ参照)
もし1970年代と同じ方法で測定するなら、我々は既に、ジミー・カーターレベルの18%前後のインフレに達している。
ピーター・シフが言う様に、FRBは、75ベーシスポイント(0.75%)の利上げを行い、この小さな利上げが実際には18%前後のインフレを止める為に何かする積りだと見せかけるのは「風に向かって唾を吐く」ようなものである。
FRBが効果的な戦略をとるには、1000ベーシスポイント、詰り一晩で、10%の利上げが必要である。
ShadowStats.comのInflation Chartsページより。
その代わりに、FRBは市場が沈むまで効果のない利上げでこの巨大なインフレの津波をつつき、米国人を市場の落ち込みと、インフレの上昇に同時に巻き込む構えのようだ。
米国の国家債務は、31兆ドルに達しようとしており、その上、紙幣の乱造が行われている。
貨幣の切り下げ、物価上昇、欠乏、資産価値の下落(資産のデフレ)。
詰り、食料を買う為、公共料金を払う為、家賃を払う為等、人々が最も資産を必要としている時に、彼らが持っている資産(株式、債券、不換紙幣ドル等)は、価値を失い、両側から貧しくなっているのである。
その結果、欧米諸国に住む人々は、記録的なスピードで貧困とホームレスになろうとしているのである。
それなりの備えを。
ここで紹介する最初の状況更新のポッドキャスト(昨日のもの)では、このことをより詳しく取り上げています。2022年9月14日の状況更新 - バイデン経済がゴミ箱の火と化し、インフレは爆発、市場は大暴落
欧州のエコノミストが語る、欧州に訪れる経済的荒廃、政府が他国へ要求する「ドイツはサイコパス」である事を明らかにする
本日のポッドキャストは、世界的な戦争の時代に平和を維持することに焦点を当て、フィンランドの経済学者(GnS EconomicsのCEO)であるトゥオマス・マリネンへのインタビューを掲載しています。
彼は最近、欧州経済の崩壊が来るという警告をツイートしています。
トゥオマス・マリネン氏は、最近のツイッターで、
「我々は本質的に」
「再び銀行危機」
「産業基盤と家計の崩壊」
「ひいては経済崩壊の」
「瀬戸際に立たされている」
と、発言している。
I am telling you people that the situation in #Europe is much worse than many understand.
— Tuomas Malinen (@mtmalinen) September 7, 2022
We are essentially on the brink of another banking crisis, a collapse of our industrial base and households, and thus on the brink of the collapse of our economies.
Short thread. 1/4私は皆さんに、欧州の状況は多くの人が理解しているよりもはるかに悪いとお伝えしています。私たちは本質的に、再び銀行危機に陥り、産業基盤と家計が崩壊し、その結果、経済が崩壊する瀬戸際にいるのです。
マリネン氏は、欧州の産業部門の崩壊について質問したところ、社会主義に傾倒する欧州政府の対応として、電力会社や産業の国有化・国家統制が進む事を確認した。
詰り、ロシアは欧州へのガスを遮断する事で(欧州が自爆的制裁を通じてロシアに対して経済戦争を宣言したのに続き)西欧州を、中央計画経済、貧困、飢餓、冷凍、ホームレス等、旧ソ連とよく似た状態に追い込んでいるのである。
マリネン氏に、西欧州の大部分が、1984年頃の東ベルリンに似てくると思うかと尋ねた処、現在の軌道からすると、それは正確な評価である事が確認された。
米国人は、インフレと紙幣増刷で貧しくなり、欧州人は産業経済を縮小させられ、貧困に陥るだろう。
そして、ドイツは第一次世界大戦、第二次世界大戦に続く、欧州の第三の破壊の大波をリードしているように思われる。
ワッツ・アップ・ウィズ・ザットは、ドイツの企業が通常より、1000%高い電気料金を支払っている、と今日報じている。
ドイツの倒産が加速...「ガス・電気料金10倍増」。
倒産は始まったばかりで「スピードアップ」していると、ブラックアウトニュースは書いている。
「私達が今見ているのは」
「氷山の一角に過ぎない」
「エネルギー価格の上昇は」
「製鉄所やパン屋の様に直接的に」
「或いは靴の小売店であるゲルツの様に」
「間接的に、あらゆる産業に影響を及ぼしている」
「政治家が、ここで対策を講じなければ」
「ドイツは、深刻で長期に渡る不況に陥り」
「大量の失業者が出て」
「繁栄が失われる事になるだろう」
一方、業界団体Eurometauxは、エネルギー価格が速やかに正常化しなければ、欧州の産業部門が終末的な結末を迎えるという、強い口調の警告書を発表した。
この書簡では、欧州大陸は「永久的な非工業化」に直面すると警告しており、現在のエネルギー危機は「我々の未来に対する存亡の危機をもたらす」と付け加えている。
『永久』とは、勿論、彼らが経験しているのは単なる段階ではないと云う事です。
一掃されるのだ。
マリネン氏が、警告する様に、欧州諸国の政府は、エネルギー、肥料、金属、食糧、ガスの不足を、お金を配る事で魔法の様に解決できるかの様に見せ掛け、更にお金を刷って刺激策を与えると云う対応を取るだろう。
勿論、この考え方の問題点は、お金は印刷できても、エネルギーは印刷できない事だ。
マリネン氏によれば、NATO諸国が、ロシアと和平交渉を行い、ガスの流れを回復させる可能性は基本的にゼロであるとの事だ。
西欧州は、第二次世界大戦以来最も悲惨な冬を迎えようとしているようだ。
電力網の崩壊シナリオをモデル化している、ドイツの関連団体のシミュレーションでは、停電から96時間以内に400人が死亡するという。
ドイツ初の地区停電シミュレーション。96時間で400人が死亡
この数字は、96時間後、特に寒波が押し寄せた場合、更に大きくなる事は間違いない。
マリネンへのインタビューは、Brighteon.comの状況更新ポッドキャストの最後の時間に掲載されています。2022年9月15日の状況報告 - 世界的な戦争の時代に「平和」を見出す方法