中国、ロシアにウクライナ侵攻を冬季五輪後まで延期するよう要請
2022年3月6日(日) by: Kevin HughesTags: Beijing, China, CIA, communism, conspiracy, European, invasion, Moscow, NATO, rigged, Russia, Ukraine, United States, US, Vladimir Putin, Winter Olympics, Xi Jinping
中国の高官が、2月上旬にロシア側に対して、北京での冬季五輪終了前にウクライナに侵攻しないよう伝えたと、NYタイムズが、3月2日(水)に報じました。
タイムズ紙は、西側の情報機関の報告書が、中国の高官が、ロシアのウクライナ侵攻の計画や意図について、実際に起こる前に何らかの知識を持って居た事を示唆している、と述べた。
中国がロシアにウクライナ戦争を五輪後まで延期するよう要請したと米政府高官が発表
ロシアのプーチン大統領は、2月4日、冬季五輪の開会式前に北京で中国の習近平国家主席と会談した。
モスクワと北京はこの時、5,000語の声明を発表し、両者のパートナーシップに「限界は無い」と宣言し、北大西洋条約機構(NATO)の拡張を非難し、真の『民主主義』による新しい世界秩序を作ると主張したのである。
中国とロシアの、高官の交流に関する、情報は機密であった。西側の情報機関が収集し、当局が信頼できると判断したものだ。
米国と同盟国の政府高官達は、プーチンがいつ(か否かではなく)ウクライナに侵攻するかについて議論する際に、この情報を流したのである。
しかし、様々な情報機関が異なる解釈をしており、情報がどの程度広く共有されたかは不明である。
この情報に詳しい関係者は、データは必ずしも侵略に関する会話を示している訳ではないと述べた。
又、この情報に詳しい他の関係者は、詳細な説明を拒んだ。この関係者は、この報告書の機密性を理由に、匿名を条件に話した。
ワシントンの中国大使館報道官の Liu Pengyu は、中国当局が、ロシア当局にウクライナ侵攻を冬季五輪後まで延期するよう助言したか否かと云う電子メールでの質問に「これらの主張は根拠の無い憶測であり、中国を非難し中傷する為のものだ」と答えた。
プーチン大統領、冬季オリンピック直後にウクライナ東部に増派
中国は、2月20日、冬季五輪の閉会式を行った。
翌日、プーチンはウクライナ東部の反乱軍支配地域へロシア軍を増派するよう要請した。
2月24日、ロシア軍は弾道ミサイル、大砲、戦車で都市を攻撃し、ウクライナへの全面的な侵攻を開始した。
米国やヨーロッパの政府関係者は、ロシアが冬季オリンピックの直後まで侵攻を開始しなかったのは全くの偶然とは考えにくいと述べている。
2008年8月、ロシアは北京での夏季五輪開催中にグルジアに侵攻し、一部の中国当局者を悩ませていた。
この冬、ロシアは中国との国境など東部からウクライナ付近やベラルーシに軍集団を移送し、侵攻の準備を進めていた。
この行動は、ロシアと中国の当局者の間にトップレベルの信頼関係があることを意味した。
中国とロシアは数十年に渡り、経済、外交、軍事面での結びつきを強めてきた。
習近平とプーチンは、北京での最新の会談を含め、国の指導者として38回会談している。
この会談で両国が発表した共同声明は、NATOや欧州の安全保障に関わる問題で中国が初めて明確にロシア側に立った為、米国や欧州の当局者を怯えさせた。
それ以来、欧州の指導者達は、中国とロシアを批判している。
(関連記事:中国、ロシアを挑発しウクライナに侵攻させた米国とNATOを非難)
米国、中国にロシア侵攻阻止の、協力要請
数カ月前から、数人の米政府関係者が、戦争を防ぐ為に中国の協力を得ようとした。
昨年11月15日に、バイデンが習近平と、ビデオ会議で話した数日後、米国の高官はウクライナ周辺のロシア軍の動きに関する情報報告を中国の高官に伝え、プーチンに手を引かせる事について説得し様とした。
米国側は、ワシントンの中国大使である秦剛と中国の外務大臣である王毅に話しかけた。
ロシア侵攻の数時間前に行われた米政府高官と中国大使の会談で、米政府高官は、中国当局者がプーチンがウクライナに侵攻する事に疑問を表明したと述べている。
昨年12月の外交交流の後、米当局者は北京がモスクワに情報を渡し、米国が不和を仕組もうとしている事、中国はロシアの計画を妨げ様とはしない事をロシアに伝えたことを示す情報を入手した。
ロシアのウクライナ侵攻計画に対する米国の情報結果や評価は、通常、正確なものであった。
米国は昨年秋から、主に同盟国やパートナー国と情報を共有し、機密解除された情報を一般に公開して、ロシアに圧力をかけて侵攻計画を阻止させるキャンペーンを始めた。
米中央情報局(CIA)の、ウィリアム・バーンズ長官は、昨年11月2日にモスクワに飛び、ロシア側に情報を挑発し、11月17日には米国の情報当局者がNATOに調査結果を報告した。
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