Amazon が検索結果を不正操作し、第三者の販売者からコピーした商品を優先的に表示していた事が判明
2021年10月15日(金) by:アルセニオ・トレドTags: Amazon, Amazon India, Amazon sellers, Big Tech, competition, conspiracy, corporations, corruption, crime, criminals, deception, Jeff Bezos, rigged, search results, tech giants, technocrats, theft
Amazonへの調査により、同社がWebサイトにリストされている製品をサードパーティの販売者によって取り除いた後、そのコピー商品を好むように検索結果を操作していた事を証明する証拠が発見されました。
主要メディアであるロイター通信は、電子メール、戦略文書、事業計画書など、数千ページに及ぶアマゾンの内部文書を調査しました。
これらの文書は全て、アマゾンが、第三者の販売者がウェブサイトに掲載している商品のコピー商品バージョンを作成し、その商品の自社製バージョンを高めるように検索結果を操作するという組織的なキャンペーンを行っていたことを示しています。
これらは全て、アマゾンにとって最大の成長市場のひとつであるインドで起こったことです。
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このようなアマゾンのオンラインマーケットプレイスの不正操作は、同社のプライベートブランドチームによって行われた。
このプライベートブランドチームは、アマゾンが所有するブランドの製品が「検索結果の最初の2~3番目に表示される様に」アマゾンの検索結果を改ざんしたとも言われています(同社の内部資料より)。
アマゾンが行ったのは、インドのストアに出店している無作為のサードパーティ・セラーに対してだけではありません。
インドの「小売王」と呼ばれるKishore Biyani氏がCEOを務める会社が所有する、人気のシャツブランド「John Miller」をはじめとする、インドのトップブランドの商品もコピーしていました。
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さらに、内部文書によると、アマゾンの従業員は他のブランドの機密データを研究していました。アマゾンはこの機密情報を違法に調査し、新たなコピー商品を作るための参考資料となる特定の商品を特定し、ターゲットとしていたのです。
今回のロイター通信による調査は、アマゾンがその膨大な販売データの宝庫を利用して、自社ブランドでどの商品を作るかを決めているのではないかという、アマゾンに出店している多くの第三者販売者が長年抱いていた疑念を裏付けるものです。
創業者のジェフ・ベゾスをはじめとするアマゾンの幹部は、これらの告発を繰り返し否定しています。
ベゾスは、第三者の販売者から得たデータを将来の製品作りに利用することは、会社の方針に反すると主張しています。
ベゾスは、議会の公聴会で宣誓証言を行った際に「もし誰かが違反しているのを見つけたら、私たちは行動を起こすでしょう」と述べています。
アマゾンの広報担当者は、声明の中で、ロイターの報道による疑惑をすべて否定しました。
「ロイター社は文書やその出所を当社と共有していない為」「当社は記載された情報や主張の真偽を確認する事ができません」
「これらの主張は事実に反しており根拠のないものと考えています」
と、広報担当者は述べています。
上院、ビッグテックによる検索結果の不正操作を禁止する超党派の法案を提出
アマゾンによる検索結果の不正操作に対して、超党派の上院議員グループが、アマゾンの様な全てのビッグテック企業がその様な行為を行う事を禁止する新しい法案を提出しました。
この新法案は、正式名称を「米国革新と選択オンライン法」(American Innovation and Choice Online Act)といい、反トラスト委員会に所属する共和党と民主党のトップ議員がスポンサーとなっています。
この法案は、Amazon が検索結果を不正に操作することを防ぐだけでなく、Google が同じように検索結果でライバルよりも自社製品を優先的に表示することを違法とするものです。
この法案の民主党筆頭提案者であり、反トラスト委員会の委員長を務めるミネソタ州の民主党上院議員エイミー・クロブチャー氏は、ビッグテックを抑制する為にこの法案が必要だと述べています。
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クロブカー上院議員は声明の中で「支配的なデジタルプラットフォーム(世界最大級の企業)が増々自社製品やサービスを優先する様になる中、中小企業や起業家がデジタル市場で成功する機会を確保する為の政策を導入しなければなりません」と述べています。
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共和党のトップスポンサーはユタ州のマイク・リー上院議員で、その他のスポンサーはアイオワ州のチャック・グラスリー上院議員、リンジー上院議員です。
民主党からは、ディック・ダービン議員(イリノイ州)、リチャード・ケネディ議員 民主党からは、イリノイ州のディック・ダービン、コネチカット州のリチャード・ブルーメンタール、ニュージャージー州のコーリー・ブッカーの各議員が参加しています。
この法案について、ビッグテック企業が大きなスポンサーとなっている業界団体「Chamber of Progress」は強く批判しています。
「この法案は、消費者に愛されているハイテク製品に鉄槌を下すものだ」と、同団体のCEOで元Google社の役員であるAdam Kovacevich氏は、報道機関に宛てたメールの中で書いています。同氏は、この法案によってアマゾンがアマゾンブランドの製品を一切販売できなくなると、根拠なく主張している。