スペイン:果物や野菜のラップ使用を禁止
2021年9月28日(火) by: Mary Villareal

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スペインは、プラスチック汚染との戦いに力を入れている最新の国です。スペインでは、スーパーで売られている果物や野菜のラップを使用することを禁止しています。

エコロジー移行省が作成している法令によると、スペインでは2023年からプラスチック製の包装製品が禁止される予定です。

 


同省の広報担当者は、スペインは最も効果的な方法で包装材の使いすぎに対処したいと述べ、プラスチック汚染「全ての限界を超えている」と付け加えました。

スペインでは、プラスチック製の包装材だけで、毎年160万トンのプラスチック廃棄物が発生しており、その半分以下しかリサイクルされていません。

野菜や果物の包装に使われるプラスチックごみは、スペイン内外の環境保護団体から反対されてきました。

 

特にスペインの動きは、2022年1月から施行されるフランスの法令に追随するものです。

ただし、スペインの政令は、フランスの法律に倣って、1.5キログラム以下の部分についてのみプラスチック製のラップを禁止することになっています。

 

更に、この政令案では、公共の飲料水源の設置や他の代替品の普及を奨励することで、プラスチック製の水筒の使用を控えるための対策も検討しています。

 

また、公共のイベントで配られるプラスチック製のコップの数を2023年から減らすことも検討しています。

 

全体としては、2030年までにペットボトルの数を50%削減し、パッケージの100%がリサイクル可能になるようにすることを目標としています。

スペインのエコロジカル・トランジション省は、すでにビジネスリーダーやグリーングループと会合を持ち、新しい施策について話し合っています。

グリーンピースフリオ・バレは、同団体はラップの禁止を承認したが、どのように適用されるかはまだわからないと述べています。

 

  

 

全体的に見て、政府はプラスチック汚染を減らすためにまだ十分な努力をしていないとバレアは言います。

 

「私達は、プラスチックを飲み、プラスチックを食べ、プラスチックを吸っているのです」と語りました。

 

 

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調査提言に沿った政令

 

スペインの新しい法令は、Marine Pollution Bulletin誌に掲載された、スペインの海岸全体でマイクロプラスチックの汚染を発見した論文による提言に沿ったものです。

 

この論文では、廃棄物を減らすために、国際的な政府や地方自治体、企業、個人が取るべき手段が紹介されています。


「私達の考えでは、解決策はリサイクルや再利用といった手段に留まらず、プラスチック、主に使い捨てプラスチックの使用を制限し、更にその生産量を世界的に大幅に削減する事が必要である事は疑いの余地がありません」

 

と著者は書いています。

政令の課題の一つは、他のEU諸国の制度を反映したパッケージの預託と返却の制度の導入です。

 

スペインでは、このモデルを支持する環境団体と、国内の殆どの包装材の管理を担当しているEcoembes社との間で、禁止措置の実施をめぐって争いが起きています。

 


「Ecologists in Action」の廃棄物研究部門の責任者であるカルロス・アリバスは、消費者が使用した容器ごとに数セントのデポジットを預け、それが返却時に戻ってくるというこのシステムを、同省はいずれ導入する可能性に前向きであると説明しています。

 

この法案の文面はまだ曖昧なままです。

スペイン社会労働党(PSOE)とウニダス・ポデモスは、連立政権が何をしようとしているのかを示す指針として、議会で共同修正案に合意しました。

 

それは、ペットボトルの個別回収目標が達成されない場合にのみ、デポジットと返却のシステムを実施するというものです。

本来であれば、2023年までに市場に出回っている包装材の重量の少なくとも70%を回収してリサイクルする必要があります。

 

2027年には85%に達する筈です。

 

これらの目標が達成されない場合にのみ、デポジット&リターン制度が導入されます。

しかし、環境保護団体は、回収されたパッケージの割合をカウントするために使用されているシステムは信頼できないと主張しています。

 

「欧州委員会が回収率のカウント方法を統一することを期待しています」

 

とアリバスは述べています。