ヨハネに関する証言
彼らが帰ってしまうと、イマヌエルは人々にヨハネのことを語り出した。
『 貴方がたは何を見に、
荒野に出て来たのか。
風に揺らぐ葦を見に来たのか。
何を見に出て来たのか、柔らかい着物を纏った人か。
柔らかい着物を纏った人々なら、王の家にいる。
お上や国王の所に、そして偽善者、律法学者、
そして司祭の所にいる。
では、何の為に出て来たのか。
預言者を見る為か。
そうだ、私は言っておく。
彼は預言者以上の者である。
「 見よ。私は使いを先につかわし、
貴方の前に、道を整えさせるであろう。」
と書いてあるのは、この人の事である。
よく言っておくが、
「女から生まれた者で、洗者ヨハネより偉大な人物は出てこなかった。」
洗者ヨハネの時から今迄、
この地は支配権力によって苦しめられている。
支配権力は人々を引き裂いた。
全ての預言と掟は、ヨハネの時までの預言である。
そして貴方がたが受け入れる気持ちがあるならば分ることだが、
ヨハネこそ転生によってやって来るエリアである。
耳のある者は聞くがよい。
今の時代を何を比べようか。
それは広場に座っていて、他の友人に呼びかけ、こう云っている子供達に似ている。
「 私達が笛を吹いたのに、貴方達は踊ってくれなかった。
弔いの歌の歌ったのに悲しんでくれなかった」
来るべきエリアのヨハネが、食べもせず、飲みもしないと、
人々は「彼は悪魔に憑かれている」と云う。
しかし私が来て、 食べ飲んでいるのを見ると、人々は、
「 見よ、あれは食を貪るもの、大酒を飲むもの、
又、収税人、不信仰の者達の仲間だ」と云う。
しかし、知恵の正しいことは、その働きが証明する。』