先日…。
友人宅に向かう途中で、手作りの“ランプ”を売っている
小さなお店を見つけた。
ちょうど
両手を広げたくらいの、小さなランプ店。
いそいそと歩いていく通行人の多い町の中で
そこだけ時間が止まったように
暖かな光に包まれていた。
光に誘われるように
私はその店に立ち寄った。
お店には
手の平に乗るくらいの
色とりどりの小さなランプが並んでいた。
一つずつ
色や模様が違うランプは
それぞれに
優しさと、暖かみのある
味わい深い個性があった。
私は、興味を引かれ
「お店を始めたきっかけは?」
と店主に聞いてみた。
すると、
店主は、こう語ってくれた。
「今の人は忙しい人が多くて
友達や恋人、家族といった大切な人と
向かいあって話すことも 少なくなりました。
このランプの光を囲みながら
どれにしようか、どこに置こうかと
笑顔になる人達を見るのが楽しみなんです。
ランプを囲みながら、お互いを思い合える時間を
もてるようになるといいな、と思っています」と。
お店の周りには
いつのまにか、人だかりができて
ランプを買った人達が
皆、互いに肩を寄せ合い、ランプを何度も見返して
語らいながら
嬉しそうに帰っていく後ろ姿が印象的だった。
目まぐるしく過ぎていく日常の中で
ともすると周囲を見回すことも
自分自身の心と語り合うことさえも忘れ
自分を見失ってしまうこともある。
そんな時、このランプが
“あなたは何か大切なことを忘れていない?”と
呼びかけてくれるような気がした。
大切にしているもの。
家族であったり、将来の夢であったり――。
人それぞれ違うかもしれない。
しかし…。
それはその人の人生の中で、自分は何にかけて生きるのか。
その生きる意味にも、繋がっていくのではないだろうか。
そして…。
自分の生きる意味を忘れない人は
いつも心に希望の火を赤々と灯し
輝きながら生きていける。
ふと、立ち寄った半径1mの小さなお店から
流れる暖かな光は…。
私の中にある大切なものを照らしてくれる灯火となり
街の一人ひとりの心にも灯っていくように感じた。