「大切なものは目にみえない」。
作家サン=テグジュペリの名作『星の王子さま』の一節が刻まれた、「見えない障害バッジ」が話題を呼んでいる。
内部疾患や発達障害など、認知されにくく、福祉政策でも支援を受けづらい、目に見えない障がいや困難を抱える人のためのバッジだ。
外見では気付かれにくいため、怠け者と思われたり、電車でも席を譲ってくれない。
そんな状況を何とかしたい、と難病患者らの輪から誕生した。
障がい者に文字通り、「レッテルを貼る」ことにならないか、差別につながらないか、との懸念はある。
しかし、病気に限らず、人は何かしら内面に苦悩を抱えているもの。
表面に出ない“小さな声”に気付き、手を差し伸べるきっかけを作りたいという、関係者らの姿勢に共感を覚える。
仏教では、肉眼・天眼・慧眼・法眼・仏眼の「五眼」を説く。
同じものを見るにも、信心で生命を磨けば、より深く、微妙な部分まで見通せるようになるとの教えだ。
「一つの事柄から、何を感じ取るか。人の苦悩に対して想像力を広げることから、『同苦』は始まる」と聞いたことがある。
人の悩み、苦しみを感じ取る「心の眼」を磨き、励まし、寄り添う。
そこに人としての生き方の意味があるように思えてならない。