「太陽のフェーズ」 による区分

 

 ネイタル占星術を学ぶ場合、かなり新しい言葉がひっきりなしに出てきます。

 

「フェーズ」もその1つです。惑星ごとに、この「フェーズ」の概念が違います。これは、月のことと、土星のことを考えるとよく分かると思います。昔の暦は月の新月[ついたち]と満月[十五夜(15日)]を基準に作られていました。つまり、地球の周りをちょうど一回転することと異なっているわけです。満月の位置は少しずつ少しずつずれます。♈ → ♉ → ♊ → ♊ → ♋ → ♌ みたいに移動していきます。

 

でも、土星のことを言う場合には、土星リターンとか言って、チャートごとに、同じ場所に土星が戻ってくるときのことを指します。土星のフェーズの基準は、チャートごとに、元の場所に戻ってくるものです。

 

私たちは知らず知らずに〔元の場所に戻ってくる時のことを〕異なる惑星に、異なる基準を用いながら「それでよし」としています。それでいいのです。ですから、惑星ごとにフェーズはありますが、異なる基準で用いられることになります。

 

太陽のフェーズは、他の惑星が太陽に先駆けて上昇する場合と、太陽に遅れて上昇してくる場合という大雑把に二分して、その惑星が太陽のフェーズでは「朝方の星」になるのか、

「夕方の星」になるのかという区分で惑星を分けます。太陽自身のフェーズのことを言うわけではありません。「太陽に対しての他の惑星のフェーズ」とでも言うような概念です。俗にいう、太陽のオリエンタル側にあるとか、オクシデンタル側にあるとかと同じです。

 

 

ところが、月の場合は、太陽のどこにあるかによって月は形を変えますから、これを月のフェーズとして採用しています。

 

 

 

※ もっと専門的なことを語ると、上位の惑星(火星、木星、土星)は満月のような状態を太陽とのオポジションでも、太陽とのコンジャンクションでも形成します。

下位の惑星(金星、水星、月)はそうはなりません。

 

※ また、レトリウスのCompendiumでは、フェーズの項目(2)で次のように述べます。

「彼らは… とあるネイタル・チャートの中で、フェイズとセクトとハウスによって良い位置になっている凶星は幸運を膨らませると考えた。逆に、吉星でも悪い位置にあるとダメージをもたらすとした」

レトリウスは早い段階(1項)と(2項)で[全部で118項目ある]、セクトとフェーズについて語っています。それくらい重要な区分であったであろうと予測させます。