惑星たちがセクトごとに、あるいは、ジェンダーごとに半球での状態が多少良くなるというのは、どういった状態なのでしょうか。

それは、
昼のチャートであれば、昼行性#Aの惑星たちが地平線よりも上にあり、夜行性の惑星たちが地平線の下にあるときです。
逆に、
夜のチャートであれば、夜行性#Bの惑星たちが地平線よりも上にあり、昼行性の惑星たちが地平線の下にあるときです。

レトリウスはCompendiumの第44項目(※ James H. Holden 訳)の中で、3つの良い状態(歓喜する)について一緒くたに述べています。

第44項目に書かれたそれらは、
「星々、土星・木星・火星は、マチュティーヌ(朝方の星として)で歓喜状態に配置され、月と金星はヴェスパティーヌ(夕方の星)で良い状態に置かれる」
とあります。太陽と水星が省かれていることにご注意ください。何故なら、太陽こそが星々を朝方の星、あるいは夕方の星として区分するからです。水星は既に太陽のフェイズで観察を終えているので、ここでは勘案しないことになっています。
[すいません。ちょっと専門的過ぎます]

ときにとあるので、これは時々のことだと考えられます。それほど気に掛けなくもいいものとしています。四分円のどこにあるかでも、惑星たちは少し良くなったりします。男性格の惑星(土星・木星・火星)は、ASCからMCにかけて、そして、DESCからICにかけて置かれていれば歓喜状態を得ます。

昼と夜の惑星について書かれている部分③が、レトリウスでは最後に記された事柄です。

レトリウスは、上記3つの歓喜状態を第44項目に一緒くたに書き留めているので、おざなりに読んでいるだけでは、「3つ」書いていることが分かりません。それで、これらの文節を解釈したアラビアの占星術師たちは、ヘイズとかハルブといった、よく似ていて異なる解釈を導き出したのかもしれません。内容は簡単なのですが文章が難しいだけです。

 

また、実際にチャートを前にして表に付けたりして行ってみないと分かりません。

このような状態を分析していくことで、チャールズ・オバートの『古典占星術』で述べた、割と手っ取り早く判断をしていますが、分析方法が腹落ちしてきます。

つまり、何というか、現在のところ、チャールズ・オバートの『古典占星術』は、このブログを参照していただかないと、単なる読み応えの無い本になってしまいかねません。

 

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#A 昼行性とは昼のチャートを指したり、昼の惑星を指したりします。昼の惑星は太陽・

   木星・土星です。

#B 夜行性とは夜のチャートを指したり、夜の惑星を指したりします。夜の惑星は月・

   金星・火星です。

水星は、完全にそうだとは言い切れないのですが、1世紀以降の多くの占星術師たちが述べるには、太陽に先駆けて上昇しているならば朝方の星となり、太陽に遅れて上昇しているならば、夕方に光るので夕方の星としているようです。

もう一つの意見というのは、月や金星や火星と密接なアスペクトやコンジャンクションをしているなら夕方の星になるという意見が在ったようです。実際のチャートを使って欧米では研究がなされています。