私は昨年、チャールズ・オバート著の翻訳本『古典的占星術』を出版しましたが、お気付きかと思います、明らかに内容に言葉足らずな面が多々あります。何が足りないかというと、今日、日本語の西洋占星術学校でも教えられていない、惑星の個別の査定方法です。
ある惑星が、良いのか悪いのか、強いのか弱いのか、セクト、サイン、ハウス、リセプション、アスペクト、太陽とのフェイズに関する事柄、月とのフェイズに関する事柄、ディグニティー、ロットの捉え方、など、ほんの少ししか書かれていません。
惑星を査定しましょうとはありながら、後は自分で勉強してよね! といった不親切極まりない書き方なのです。これら行間に埋没した実際の方法は、占星術スクールで習うことで埋められていきます。占星術スクールで教えてもらってください。でも、現在の日本の占星術スクールで、これらの問いに答えられる所はあるのでしょうか? ほとんど皆無です。
惑星の個別の判断ができれば、『古典占星術』六章の例題にあるような鑑定が進められていきます。極ごく自然に整えられていきます。
過日、ある占星術学校に通っている生徒さんが先生に質問しました。
「サインとハウスは違う意味ですよね?」
先生は、何と答えたか!
「そんなことを考えているから、チャートが読めないんだよ!」
「ハウスに入っている惑星と、ハウスのルーラーのどちらの解釈の方をウェイトを高くすればいいのでしょうか? 」
「そんなことを考えているから、チャートが読めないんだよ!」
どうも難しい質問には、このように答えるように通達されているようです。
「そんなことを考えているから、チャートが読めないんだよ!」
セクトに関する質問。
リセプションに関する質問。
ハウスとサインの違いについて。
ロットの捉え方。
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占星術とは、考えること、考察することです。ぜひ、試しに尋ねてみてください。
良いとか悪いとかを、現実の生活に当てはめてみるように考察することです。
「惑星が〇〇なサインに入っているのは、かくかくしかじかの意味」というのは一切ありません。それは占星術ではないのです。モダンな占星術でもそれは有り得ません。ただのどこからか持ってきた、格言の抜粋でしかありません。これでは、行われるはずの惑星の査定が行われていないことになります。いきなり解釈に入れるのでしょうか?