セクトが重要な概念であることが分かってきたのは、ここ10数年来のことです。

 

ようやく古典的な占星術がネイタルの判断に際して、出発点を見つけたとも言えるでしょう。では、セクトセクト、と言うけれど、それで何が判断できるのですか… ですが。

 

セクトだけで判断できることは、それほど多くはありません。ただ、セクトを把握しておかないと、その後の判断に支障をきたすのです。昼の惑星と、夜の惑星の、重要度の違いが出てきますから、悪いと思われていたことがさほど作用しなかったり、良いと思われることがそれほどの良さを示さなかったりします。この逆に、悪いと思われている表示が、ことの他悪かったり、良いと思われる表示が、ことの他良かったりもするわけです。

 

そのような場合には、

「古典的なネイタル占星術ではサイン同士でアスペクトしていれば、アスペクトですよ」

といった事柄が、どうしても2~3度以内の密接なアスペクトで、完成を伴なうアスペクトである必要がある場合もあります。ですから、ときには逆行を伴なわせて、角度による角度に従ったアスペクトが完成するのかどうかをエフェメリスを使って確認する事態も生じます。

 

その場合の、ディグニティーやリセプションは当然、最重要判断事項になります。

 

そういった場合に備えて、セクトを把握しておくことが必要になるのです。

 

『古典占星術』チャールズ・オバート著では、判断に際して「惑星の位置や状態を評価すること」がとても重要というか、これこそが古典的な占星術のステップなのですが、ディグニティーをざっと観察して、セクトを頭の片隅に置いておくことが大事です。そして、どのポイントも、ステイク※1で見ることです。

 

・全ての惑星の状態を精査する、ことからスタートします。

  ・アングルを観察する

  ・セクトのチェック

  ・アセンダントのロードと、1ハウスに入っている惑星の観察

  ・惑星のモードとエレメントのバランス

  ・角度で最も近い度数のアスペクトを調べる

  ・チャート内の重要な惑星とステイクにある惑星を調べる

 

・その他の注目すべきパターン(必ずしも全てのチャートで行うわけではないのですが)

  ・月と水星の関係や、状態を調べる

  ・ロット・オブ・フォーチュンを調べる

  ・惑星の一般的な分布を調査する

  ・アンティシアと、コントラ・アンティシアのチェック

  ・ヒーリアカル・ライジングのチェック

  ・・・ と進んでいきます。

 

※1 ステイクとは、その惑星に対して、コンジャンクション、スクエア、オポジションになっている惑星たちのことです。何故、ステイクが大事なのかは、ぜひ『古典占星術』をお読みください。