ドリフォリーについての記述をテトラビブロスから探っていますが、6)、7)、8)、に至っていは、もうドリフォリーの状態から外れ、その場合にどう判断すればいいのかが記述されています。

Tetorabiblos』のLoeb番のIV, 3から、その6)、7)、8)です。

6) しかしながら、もし付随する惑星がアングルと結び付いていない場合、幸運[な事柄]において、彼らの行動は不明瞭なものを提供し、昇進もなく、全く謙虚で運の少ないものとなる。特に、ルミナリーズのどちらもアングルにおらず、または男性格のサインに存在せず、また吉星によっても随行されていないならば、彼らの運命は完全に卑しいものとなる。

7) 私たちの目の前にある調査の一般的な概要は、このような種類の階級のグラデーションを含んでいる。なぜなら、これらの階級の間には非常に多くの中間状態が存在するため、我々は、ルミナリーズ自体の具体的な特性や、それらが注意すべき方法で受け取る特定のバリエーション、そして出現者[惑星]の統治から推定する必要がある。もし、それらの惑星の成り立ちの出現が同じセクトや、吉星である場合、その威厳には、より大きな独立性と安全性が伴う。しかし、もし、異なるセクトの惑星や凶惑星が関与している場合は従属状態となり、安全性は低下する。

8) 将来の名誉の種類は、出現する惑星の性質から予測することができる。もし、出現を支配する惑星が土星ならば、富や富の蓄積に基づく力をもたらす。一方、木星や金星は、好意、贈り物、栄誉、寛大さに基づく力をもたらす。火星は将軍職、勝利、恐怖に基づく部下への力をもたらし、水星は知性、教育、物事の世話や管理に依存する力をもたらす。

最終の(8) にルミナリーは出てきませんが、どこかにルミナリーの存在を入れ込まなくては、文章全体がまとまりません。というか、どの文節も何かが足りないまま訳されているように思います。難しい言い回しになっています。それもこれも、文章を何度も読む必要があり、そこから気が付くことができれば、「それ」なのです。

(7) の文節にようやく、「グラデーション」という単語が出てきます。そうなのです。私は、ネイタル・チャートの最初の判断で、そんなに難しいことは判断しないはずだとの大前提に立って、どんな占星術師もチャートに向かったはずだと思っています。

ドリフォリーという単語そのものが、今日、どういう意味かが釈然としていないにしても、チャートの判断の最初に、アングルを観察して、ルミナリーが有るのか無いのか、無ければ、ルミナリーがアングルにある惑星とアスペクトやアンティッションになっていないかを観察し、全体運を大雑把に観察する、という方法が取られたのだと考えています。

第一ステップそのものは、ここまでで終わりではなく、セクトを得ているルミナリーのトリプリシティーを注目せよと、次のステップを見据えています。そして、ロット、P.o.Fと、P.o.Daemon(Spirit)と、そのルーラーも調べていくんですよと続きます。

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次に、レトリウスの判断の第二ステップ(2番目の考慮)は、トリプリシティーのルーラーの考慮に入っていきます。どの惑星のトリプリシティーかというと、セクトのルミナリー、ASC、そして、MCのトリプリシティーを調査するとなっています。ASCのロードとは書かれていません。他の文献類では、ASCのルーラーのトリプリシティーも調べることになります。また、MCのトリプリシティーという記述は、他の文献では見たことがありません。(私が知らないだけかもしれません)

このトリプリシティーのルーラーの考慮は、歴史的に連綿と残されてきていて、通常はここから入っていったようです。

レトリウスの前の人たちも行っていて、書物に残されています。

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翻訳や転記を繰り返された文献類は、元の形をおおまかには残していますが、細かい部分では再検討をせざるを得ないことが多々あります。多くの文献類がクロスリファレンスできる現代にしても、まだまだ謎が多いままです。だからといって、チャートの解釈を諦めることはありません。分かってきたことも多いので、それらを駆使して判断していきたいものです。

レトリウスとプトレマイオスによって残され、その後の数々の文献にも残されたドリフォリーの観察が、どうしても気になり書き綴りました。

ドリフォリーの考察はこのブログで一応終わります。