ホロスコープ上の惑星を観察する場合、その惑星がどのような状態に置かれているかを綿密に検討するのが古典的な西洋占星術です。そして、手順が有るようで無いのが… 何故、無いのか。全ての場合に同じ手順が採用できないので、無いのです。一応の手順はありますけれども、書き出すとまとまりが付かなくなります。だから厄介なのです。

ある文節では、エッセンシャル・ディグニティーを大切にしろと書かれ、別の文節では、アクシデンタルな特質の把握が大事だと言われ、更に、アスペクトの種類によっても考察しろと、更に、それぞれの惑星のディスポジターが悪いか良い状態となっているのか等々、おびただしい数の評価基準が書かれています。

あるサインに一個だけ惑星が入っている場合と、二個以上が入っている場合を考えると、そりゃぁ違うよな~と思えるのですが、イレギュラーなことを想定するということに慣れないうちは、整えられた法則を求めてしまうものです。

何度も話していますが、置かれている惑星が位置するハウスの意味を最も雄弁に語っているのが置かれている惑星です。ルーラーよりもより雄弁にそのハウスの事柄を述べ揚げます。ただし、その評価には様々な基準があり、ディグニティーごとに、ハウスごとに、サインごとに存在するわけです。

一個だけの場合でも、ハウスを中心に見ていくと、各ハウスでの惑星の捉え方が違うので、これまた、相違が出てきてしまいます。ある惑星にとっては、天での状態を把握するのにディグニティーの方がウェイトが高かったり、別の惑星にとってはサインとの関係上リセプションの方がウェイトが高かったり、他の惑星はアスペクトをしている惑星を考慮に入れた方がより明確になったりといった具合に、個別に取捨選択すべき「何らかの条件」を考慮に入れて、その惑星を「英語ではdetermination」するとなっています。これを意訳すると、「特質を決定する」とでも言うようなことになります。

あまり馴染みのない単語を出すときには注意すべきなのですが、「親和性」と訳しても何となく意味が通ります。「決定」とのみ訳すると占星術上の意味が欠落するように思います。それで今のところ「特質の決定」と訳しています。本来の意味は「本質を掴む・つかむ」なのだと思います。また、変わるかもしれません。