どこかのハウスに一個だけ惑星が置かれている、というのは最も一般的に注目に値いする状態です。例えば、7ハウスに一個の惑星が入っていたとします。古典的な占星術では、7ハウスは対人関係の部屋ですから、多くの場合、自分に関わる重要な人物の要素、あるいは関係性などの「アクシデンタルな」資質や出来事に影響を及ぼすものと観察することはご存じでしょう。モダンな占星術では、他の人を通して、どのような自分が見えるのかを考察するようです。

古典的なネイタル占星術では、そのハウスのルーラーよりも、置かれている惑星があれば、その惑星の方が重要視されます。ヴィヴィアン・ロブスンなどは、ハウスのルーラーが最終的な責任を持つと書いていますが、私が長い間生きてきて感じることは、ハウスのルーラーの意味はあまり役立っていません。ゼロではないです。何せ、ハウスのルーラーというくらいですから。でも、私の10ハウスのルーラーは木星ですが、隣の土星のサインにいるせいもあるのか(アスペクトしていない)、芳しく効いていません。

華々しく効いていたのは、やはり置かれている惑星です。

そこで、7ハウスに入っている惑星を例にとると、惑星そのものの性質が考慮されます。これは当然のことで、金星なのか火星なのかなどで、性質が変わるわけです。その惑星が、配偶者、公然の敵、ライバル、喧嘩の相手、同僚、共同闘争者、共同経営者などを表わすわけです。

7ハウスに入っていて、どのような状態なのかが考慮されます。これは、幾つかに分かれていて、セクトを得ているのか得ていないのか、エッセンシャル・ディグニティーではどうなのか、7ハウスに相応しい惑星なのかどうか、つまり、アセンダントのロードと敵対的な惑星なのかどうか、などを調べるわけです。

7ハウスに入っている以外の特性はないか… アスペクトや、アンティッションとなっている惑星の影響や、他の惑星とアスペクトしているならば、どのようなハウスの惑星とアスペクトを取っているのか、リセプションは有るのか、無いのか、などです。これにも、幾つか箇条書きになったものが、歴代の占星術師によって数は違いますが、あります。

モリナスは、これに加えて、類似性に注意すべきだと述べます。私は、この見解にとても衝撃を受けました。考えたことがなかったのですが、言われてみれば、そうだよな~ と思います。7ハウスならば、月が最も類似性があると思います。月は母親も示しますが、7ハウスに置かれていれば、母ではなく、妻でしょう。女性のチャートであれば一般人を示します。その他、チャート次第によって相応しい惑星が変わるものとも思います。男性であれば、金星が配偶者になりますし、女性であれば、火星が配偶者を示します。同時に、火星が7ハウスにあればトラブルも表します(ネガティブな「類似性」とでも言えます)。女性のチャートの金星や木星は、幸せな結婚を示します。もちろん、美人やハンサムかどうかは、これ一時では判断ができません。7ハウスに相応しいと述べているだけです。

例えば、アセンダントのロードが入っていたとすると、相応しい惑星となります。(まさか、「自分が配偶者になる」は、あり得ないことです。)

その人は対人関係に苦労すると考えられます。それこそ、人は人を磨くの譬え通り、対人関係のプロになっていきます。逃げたら終わりです。時には対人関係で失調症や失語症を誘発するかもしれません。でも、数をこなすうちに本物になっていくわけです。特に、留や逆行になっていると、波乱に富んだ人間関係を構築していくことでしょう。

 

 

アセンダントのロードが7ハウスに入っていることで、とても苦労している人に出会ったことがあります。その頃は、このような見解を知らなかったので、良いアドバイスができませんでしたが、今なら「逃げなさんな、多くの人とぶつかって下さい」と、厳しいアドバイスを述べるでしょう。

この例(1ハウスのロードが7ハウスに在る)では、最初から順調に人間関係を育むことのできる要素を持った人も、もちろん出てきます。何故なら、アセンダントのロードが他の人に元々レシーブされているからです。

アセンダントのロードが7ハウスに入っている人は、まさに、対人関係が課題なのです。