何故、占星術師はクックブック的な解釈を避けて

秩序立てて考えなければならないのか?

 以前にも話したように、太陽が10ハウスに置かれているからといって、それが3ハウスのルーラーであるから、兄弟によって地位や名誉が、あるいは、近所の人によって有名になる、ということは無いとお話しました。

しかも、太陽が10ハウスにあるからといって、必ずしも良い意味で注目されるという意味もありません。中には犯罪で世に知られる人も出てくるものと思います。

どのハウスに置かれた惑星もそうなるのかというと、唯一の例外があります。それはアセンダントです。

太陽がアセンダントにあれば、太陽がどのハウスのルーラーなのかによって、例えば10ハウスのルーラーであるなら、10ハウスの意味がネイタルに生涯働き続け、あるとき(プロフェクションやディレクションで重なるとき)、名誉や、ただ単にテレビに映り続けるや、犯罪や何かで、とにかく世に知られるようになるわけです。

一般の書籍には、太陽がアセンダントにあれば… 良いことばかりが書き綴られていますが、常に、振れ幅があることを念頭に置くことが必要です。それは、どの惑星でも他の惑星との相互作用を観察する必要がありますから考えなければいけないことです。

また、惑星にはそのハウスに相応しい惑星と、あまり相応しくない惑星も存在します。このことは「類似性」という単語で言い表されることがあります。「類似性」というのは、「分かり易さ」と捉えることもできます。

伝統的な占星術では、土星が1ハウス、木星が2ハウスなどと、カルディアン・オーダーで親和性があります。また、ジョイと呼ばれる惑星もその親和性や類似性として考慮し易くなっています。これらは、水星が1ハウス、月が3ハウス、金星が5ハウス、火星が6ハウス、太陽が9ハウス、木星が11ハウス、土星が12ハウスなど。その他にも、太陽はアセンダントやMC、金星が7ハウスやMC、土星が4ハウスなどなど、更に幾つかの惑星が、そのハウスに相応しい類似性があるものとして考慮されてきました。

ですから、中には意味が捉えにくいハウスと惑星の組み合わせも出てきます。これだけでも、144の組み合わせができて、サインとの組み合わせを考慮すると、1008通り(惑星を7つとして)になります。エッセンシャル・ディグニティーやアクシデンタルな状態や、他の惑星とのリセプションまでを考慮すると、当然、書ききれなくなります。

ですから、どうしても秩序立てて考える方が、楽になります。

 

太陽は、MCにあることで意味を持ちます。けれども、

2ハウスや3ハウスのルーラーであることと何も関係は

ないのです。ただし、2ハウスのロードが10ハウスにあ

ることは、2ハウスにとって重要な意味を持ちます。