「ハウス位置の方が、サイン位置よりも強い作用を及ぼす」というのは、個人の西洋占星術のチャートでは一般的な事柄です。より難しい言い方をすると、

 「ルーラーシップにより規定された特質よりも、ホロスコープの中での位置による

  特質の規定の方が、より直接的にハウスに関わる何かをより大きな効果で示す。」

となります。ジーン・バプテスト・モランの言です。

原則的な現在のネイタルの話題の中心に据えているのは、下記です。

1. 置かれている惑星のハウスでの意味合い
2. その惑星は、いったい何ハウスのルーラーなのか

 

2~3日前のブログに、日本とアメリカのチャートの例を出していますが、サイン位置は同じです。サインは確かに普遍的な影響を与えていますが、個々人に強い影響を与えるほど強い力ではありません。土星がコンバストされているなら、世界中でコンバストされていることになります。それも、数日間コンバストされます。土星が悪い状態なら、夜生まれのネイタルの全ての父親が、悪い父親ということになりかねません。そうはなりません。その違いを生んでいるのは、明らかに地域ごとに個別の要素となる「ハウス」なのです。

家系というルート[根]に関係するのは4ハウスですから、父親は現在のように(2023年2月3日23:50、太陽♒14度、土星♒26度)4ハウスのルーラーとして水瓶のサインにあるなら、夜のチャートで太陽にコンバストされていますから、土星が太陽の影響を受けながら父親を語ることになります。

 



でも、朝方になれば(下記のチャートのように)、4ハウスのロードは火星や金星に変化していき、土星は父親でなくなります。牡羊のサインには木星も入っていますから、木星とルーラーである火星が父親を語ることになります。

上記、2023年2月3日23:50、日本時間の土星は♒のサインで、良い土星になりますから、この時間帯に生まれた子供にとっての父親は良い父親となるでしょう。コンバストされないのです。

 

 

ということは、朝方のアセンダントのルーラーとなる土星も、コンバストはされません。サインは、惑星の天上での状態を語っています。上記のチャート全体としては、年齢が上がるごとに徐々に良くなっていくネイティブになります。