自分にとって楽な動きを探ることが、結果的に不定愁訴の改善になる | あべこべ体操

あべこべ体操

「あべこべ体操」とは、身体の一部分をあべこべに
動かすと言うフェルデンクライス・メソッド(※)
の特徴的な動きに、その他の体操や健康法を加えて
アレンジした体操です。
気軽に楽しみながら身体の歪みを取り、柔軟性を増
し、肩コリや腰痛を緩和します。

例えばレッスン中に、「どの角度に頭を持ち上げると楽ですか?」という問いかけをします。

 

今の自分にとって、どの角度が楽なのかを探ってほしいからです。

 

それは、どの角度に持ち上げることが正解で、それ以外の角度に持ち上げることが不正解ということではありません。どの角度が楽なのかは、寝る・座る・立つの姿勢、手足の位置関係、またその時の柔軟性によって変わります。

 

動きを繰り返す時、例えば10回動きをした時、全く同じ動きをすることはありません。自分では同じ動きをしているつもりでも、微妙に動きの角度や大きさ、力の入れ加減が毎回違います。

 

傾向として、前よりも楽で効率的な動きと前よりも楽ではなく非効率的な動きはあります。その違いを、毎回感じること、そしてより楽で快適な動きを探ることが、レッスンの目的でもあります。

 

その意図を持って、自分の動きを感じることで、より楽で快適な動きと楽でなく快適ではない動きの違いが、神経を通して脳にインプットされます。

 

イメージで言うと、快適に軽やかに動いているというイメージが、それが快適で軽やかである程、潜在意識にインプットされます。

 

日常生活の中で、楽な動きとか効率的な動きとかいうことを意識することはほとんどないと思います。実際に楽で心地よく動いている時があっても、普通、それを見逃してしまいます。

 

レッスン中、動きを繰り返していくと、頭の上がり方がふと大きくなったり、楽に動けるようになったり、また休んで横になった時に背中の接触面が変化したりします。感じ方は人それぞれですが、必ず何らかの変化があります。そして、その中に快適さや軽やかさを感じる瞬間があります。

 

その変化に注意を向けることにより、今まで感じていなかった微妙な変化がわかるようになってきます。変化がわかることで、日常的に、ふと、動きが軽い時、あまり疲れない時、軽やかに歩いている時の瞬間に気づくようになります。

 

その時、今まで頑固にあった肩こりが減ったり、腕が上がりやすくなったりといったことが起こります。

 

決して、肩こりや腰痛を治すためにやっているわけではありませんが、より楽な動き、心地よい動き、軽やかな動きに注意を向けることによって、自然と不定愁訴のない身体になってきます。