仕事でやり取りするときの『文面』に困るときが、
出てくる。
伝えたい内容は単純なのに、
文章にすると長ったらしくなる。
「…チャットツールで、意図が正確に伝わらない。」
“テキストコミュニケーション”で
相手との理解度がかみ合わないのは、
文章のせいかもしれない。
「自分の文章を読んでもらう」ということは、
相手の時間を奪うことでもある。
簡潔な文章で、確実に情報を伝えたい。
ありがちな問題点について、以下の項目が
例として挙げられる。
㋐ 主語と述語が、それぞれかみ合わない
㋑ 一文に多くの要素が盛り込まれる
㋒ 主体があいまい
㋓ 述語にかかる品詞がそろわない
㋔ 副詞の係り受けが違う
㋕ 登場人物の関係が不明瞭
㋖ 同じ表現を何度も繰り返す
㋗ 接続詞の間違えたつかい方
㋘ 接続詞が多すぎる
㋙ よけいな言葉が多い
㋚ 過剰な敬語が含まれる
㋛ 過去形を何度も並べた表現
㋜ 話し言葉をつかう
㋝ 断言せずにごまかした表現
㋞ 無駄なまでの前置き、主旨が後ろ
このページでは、㋐~㋔について
それぞれの内容を述べると…
㋐ 主語と述語が、それぞれかみ合わない
Ⓐ
× : 《好ましくない文例》
人生で大切なことは、
自分自身で成し遂げたいことが見つかるかどうかで、
たくさんの人に出会うことは重要だ。
↓
○ : 《文章の改善例》
人生で大切なことは、
自分自身で成し遂げたいことが見つかるかどうかだ。
そのために、たくさんの人に出会うことは重要だ。
Ⓑ
× : 《好ましくない文例》
伝達手段が多様化した時代は
SNSやネット環境が発展しており、
直接顔を合わせなくてもコミュニケーションが
取れる時代だ。
↓
○ : 《文章の改善例》
SNSやネット環境が発展した時代だ。
そのため、直接顔を合わせなくても
コミュニケーションが取れるようになった。
【要点】
副助詞「は」は、
遠くの述語にまでもかかる特徴を持つ。
主語が、複数の述語を受ける場合は、
接続詞をつかって、要素を分けて記述したい。
* 上記 Ⓐ の例文では、
「人生で大切なこと」という主語が
・「見つかるかどうか」と
・「重要だ」
の2点の述語にかかり、
「たくさんの人に出会うこと」という、
もう1箇所の主語が浮いてしまった。
* 上記 Ⓑ の例文では、
「時代は」という主語が
・「発展しており」と
・「コミュニケーションがとれる時代」
の2点の述語にかかるため、
「時代は~時代だ」という構造になってしまう。
「発展しており」という
用言の中止法を使って
文がつながるため、そこで文を切り分けたい。
「SNSやネット環境が発展した」というのは、
「伝達手段が多様化した」ことを
具体的に説明する表現。
そのため、抽象的な『多様化』という言葉を
省いても問題なく伝わる。
㋑ 一文に多くの要素が盛り込まれる
× : 《好ましくない文例》
来週の金曜日は説明会なので、
早めに資料の準備もしなくてはと思うのですが、
同じ部署のAさんが産休に入り、
そのフォローもしなくてはならないので、
すみませんが、
この件はもう少し待ってもらえないでしょうか。
↓
○ : 《文章の改善例》
来週金曜日の説明会に備えて、
早めに資料の準備もしなければと思っています。
ところが、同じ部署のAさんが産休に入るため、
そのフォローもしなくてはなりません。
大変申し訳なく存じますが、
この件はもう少しお待ちいただけますでしょうか。
【要点】
接続助詞である「ので」「が」を使って
文章をつなげると、
1つの文が長くなって、文意が伝わりにくくなる。
逆接の接続詞「ところが」を用いて、
想定外な事情を示すこともできる。
㋒ 主体があいまい
× : 《好ましくない文例》
昨今、さまざまなノンアルコール飲料が発咳され、
楽しまれています。
↓
○ : 《文章の改善例》
昨今、大手飲料会社から
さまざまなノンアルコール飲料が発咳されています。
お酒が飲めない人も、気兼ねなく
飲み会の場を楽しめるようになりました。
* この例では、
・『売る主体』と『楽しむ主体』、
・『楽しむ場』
明らかにし、より具体的な表現にする。
【要点】
受け身の表現には、客観性を持たせる効果が含まれる。
ところが、主体が明確でないと、
伝えるべきことがあいまいになる場合もあるので
要注意。
㋓ 述語にかかる品詞がそろわない
× : 《好ましくない文例》
留学していた1年間、
将来海外で働くために必要な語学力の習得と、
どんなコミュニティにおいても
臨機応変に対応することができるよう努力した。
↓
○ : 《文章の改善例》
留学していた1年間、
将来海外で働くために必要な語学力と、
どんなコミュニティにおいても
臨機応変に対応するスキルを磨いた。
【要点】
「笑顔学力の習得」と「対応することができるよう」
が、
「努力した」にかかる。
ところが、
「習得努力した』という文章にはならない。
「語学力」「対応できるよう」として品詞をそろえ、
「を磨いた」につながるようにする。
㋔ 副詞の係り受けが違う
× : 《好ましくない文例》
おそらく次回が
彼の歌を聴く最後のチャンスだと思い、
ロンドン行きの飛行機を予約した。
しかし、
彼は来年、なんと日本ツアーを行うらしい。
もしかしたら東京公演もあるので、
飛行機をキャンセルした。
↓
○ : 《文章の改善例》
おそらく次回が
彼の歌を聴く最後のチャンスだろうと思い、
ロンドン行きの飛行機を予約した。
ところが、
彼は、なんと来年、日本ツアーを行うらしい。
もしかしたら東京公演もあるかもしれないので、
飛行機をキャンセルした。
【要点】
決まった受け方を無視しない。
副詞は、動詞などを修飾する品詞。
決まった係り受けをするなら、適切に対応させたい。
* “否定形”で受けるべき副詞:
「まったく~ない」
「必ずしも~ない」
「決した~ない」
* “推量・疑問形”で受けるべき副詞:
「おそらく~だろう」
「もしかしたら~だろう」
会話とは違い、
文末まで注意が必要ですね。