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結果から言いますと、今、スコットランドの母の家で湯たんぽを抱きながら目覚めたところです。

そんな予定は全く無かったんだけど、一昨日に友人の大叔母が亡くなって、親戚がUK にはこの友人しかいない、ということで、いろいろな手続きのための旅をする彼女に付き添う事にしたのです。

朝5時起床で6時の電車に乗るはずが、この最初の電車がいきなりのキャンセル。シグナルの故障ってよく聞くけど、ほんまかいな。駅のおっちゃんに「グラスゴーに行くんだけど」って言ったら大爆笑で「グッドラック」と言われる始末・・・UK よ・・・相変わらずだね。それでも、誰も声をあらげたり、駅員さんに詰め寄ったりしないのがイギリスです。キレたら負けだからね。まぁ、故障だって別におっちゃんのせいじゃないしね。

何度も電車を乗り継いで、グラスゴーに着いたのが3時過ぎでした。その間、特にしゃべる事もなく黙々と読書をしたり、窓の外を眺めたり・・・
でも自然と、父の葬儀のために飛行機に乗っていた自分が思い出されたりして・・・12時間くらいの飛行中、ずっと泣いてたな。




ともかく、グラスゴーの駅から病院まで、いろんな人に行き方をたずね、小雨の降る中ようやく到着し、迷路のような棟内で散々迷った後に、やっと担当者に会う事ができた。渡されたのは一枚の紙と薄いリーフレットのみ。それから担当医と友人が話をしている間、私は急患用入口の待合で生死の狭間にいる人たちとその家族を眺めていた。ぐったりとした子供を抱いているお父さん、担架で運ばれる意識朦朧のお兄さん。祈っているように見えるインド人のグループ・・・


やがて待合いエリアに戻ってきた友人はコーヒーを飲もうと言った。それで、軽食をとった後、大叔母さんがいたホームへ挨拶に行った。いろいろな想いが駆け巡る。

街に戻って来てから同級生を呼び出し、ドライマティーニを飲んだ。バーテンダーさんに「オリーブは?」と聞かれ「もちろん!」と答える。まるで「まだ生きていたいか?」と聞かれたかのように。

最初の留学からもう干支が一周しちゃって、そして父の死から10年。今、すべての始まりだったこのエディンバラの家に戻ってきてフト考える。一体私はこの十数年で何か成し遂げただろうか・・・





今日はもう帰るけど、その前にあそこへ寄ろうかな。