「女性画家たちの大阪」 | 素敵な夢を叶えましょう!

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大阪中之島美術館4Fで開催されていますので、

三連休最後の日は美術館賞を愉しみました。


島成園を中心とした創作グループ「女四人の会」のメンバー、岡本更園、木谷千種、島成園、松本華羊が高麗橋の三越大阪店に並んだ写真。

彼女たちを引き継いだ岡本成薫など大阪の女性画家たちが描く美人画を中心に、水墨山水画に漢詩などを加えた南画(文人画)を描いた河邊青蘭、川本月香や、大阪の歴史や風俗を描いた生田花朝、橋本花乃や、島成園や木谷千種の画塾で学んだ弟子の秋田成香、原田千里などの作品が展示されています。


前身が女学校だけに清水谷高校出身者が多いのでしょうか。当時の美術界は、東京や京都が中心で男性画家が大多数を占めていましたが、大阪は女性画家が多く活躍しておられたのです。


大阪には文化がないと言われ続けていますが、

明治・大正・昭和初期の頃には大阪にはこのような素晴らしい文化があったのですね。



島成園「囃子」1927年

成園の作品は何度も見ることがありますが、この作品には今回初めて出会いました。

印象に残ったので、購入したpostcardを借用しました。



吉岡美枝「シイの実」1941年

快活そうな少女が籠に顔を近づけてホタルを眺める姿を描いた(ホタル)から2年後、健康的に成長した姪を再びモデルにして描いた作品。



岡本成薫「美人」昭和時代

島成園の画業と暮らしを献身的に支えた。成薫が描く女性像は明るく洗練され、どこか洋風な雰囲気を漂わせる。後年の成園作品を彷彿とさせる本作は、髪をモダンに結い上げた清楚な若い女性を描く。明るい色彩の組み合わせが柔らかな雰囲気をもたらしている。



橋本花乃「芼穸(七夕)」1930〜1931年

おかっぱ頭の少女が7人、七夕の笹飾りを準備している。右隻の3人は墨をすり、短冊に書き、折り紙を切って飾りを作る。左妻の3人は短冊や飾りを笹につけている。中央の少女は吹き流しを運ぶところである。年恰好や容姿が似ている少女たちは、鮮やかな着物の柄で描き分けられ、画面を彩る明るい色彩から七タを迎える楽しさが伝わってくる。帝展落選作と伝えられるが、高い人気を誇る作品。



島成園「自画像」1924年

32歳を迎えた成園の自画像。髪は乱れ、目の周りには霞があり、病床にあるかのように重ね着し、顔は着白で、疲れた女が過剰なまでに演出されている。背景の大きな羽子板に描かれた、舞台化粧した役者の眼鼻は成園によく似ている。役者の右手が突き出て、成園を殴るのか、喝を入れるかのように見えるのが面白い。

成園は美化するどころか自分を突き放して不幸な女性として描いた。結婚後、制作上のスランプに陥った情けなさを直視したのだろうか。

西洋絵画ではレンブラントやゴッホなど多くの画家が自画像を生涯のテーマとしたが、日本画というジャンルにおいては元来、馴染みのない画題である。それでも成園を含む大正期の日本画家たちは自画像に取り組み、ひとりの個人としての自分を見つめて表現した。

100年前の作品でありながら、悩み、苦しむ姿をてらいなく自嘲するかのように描いた本作は、辛酸を舐めながら生きる現代人の心情にも通じるものがある。



島成園「無題」1918年

木谷千種「をんごく」1918年

島成園「桜花美人」1923年頃

川本月香「木蓮図」1918年

生田花朝「だいがく」昭和時代

三露千鈴「化粧」大正後期