あなたの一番好きな漫画はなんですか?
そう訊かれたら、私は迷わず「寄生獣」と答えます。
未知の生物が人間を脅かすが、
結局一番怖いのは人間なんだよ
というテーマは「ゾンビ」にも通じますね。そういうのが好きみたいです、はい。
そんなわけで実写版「寄生獣」です。
もう観てきて1ヵ月くらい経ちますが、改めて。
なんでも映像化権をアメリカが持っていて、ハリウッドで実現しなかったため権利を保持している期限が切れてやっと実現したのだとか。'88年から始まった漫画なので、もう四半世紀以上も経ってるんですね。
以下ネタバレ
前後編に分かれていてとりあえず今回は前編。
母親との対決までが描かれます。
さすがに全10巻の漫画を2本の映画でやるので、多少の端折りはありますが、概ね原作通りといっていい
でしょう。
懸念されていた寄生生物のCGの稚拙さも、まあまあ我慢できるレベル。
予算たっぷりのハリウッド映像で観てみたかった無念は残りますが、ハリウッドで制作したら恐らくこうも原作通りにはいかなかったでしょう。そこは行って来いでチャラということで。
脚本が「キサラギ」「リーガルハイ」「鈴木先生」の古沢良太。
私が今一番信用している脚本家なので、ストーリーテリングに不満はとくにありません。最後の母親の“抵抗”も、原作にはない描写ですがちょっとしたエッセンスとして良かったのではないかと。
冴えない高校生から覚醒していく染谷将太、不気味な存在感を醸し出す深津絵里の演技も見事。橋本愛もめちゃくちゃ可愛かったし、最後の最後に出てくる後藤役の浅野忠信も次の活躍を期待させてくれるし、キャスティングもなかなかでした。
あくまで“邦画の中では”の但し書き付きですが、トータルで十分楽しむことができました。
ただひとつ残念なこと。
それはミギーの声の演出です。
人の心を理解できない寄生生物ミギーと、高校生シンイチとのギャップがこの物語の重要要素のひとつなはず。それにしてはミギーのしゃべり方に感情が入っていて人間ぽすぎなんですよね…。
アニメ版でミギーを担当している平野綾が素晴らしいので、余計そこが気になってしまいます。
これは実写版で声を担当した阿部サダヲの問題ということではなく、演出する監督側の責任だと私は思います。
そこだけは残念ですが、次作で展開されるであろう市役所戦や後藤との一騎討ちは楽しみです。
(c)映画「寄生獣」製作委員会
