おなごは木の上に居た。
何をしているわけではない。
ただキンと澄み渡った空と、
そこに浮かぶ
流れては消えてゆく雲を
観ていた。
このおなごはよくこうして
木の上に登り、
空を見ていた。
動物でもないのに
奇特な奴である。
ワシがこのおなごを
認識したのは、
この三番目に古い記憶より
遥か彼方に古いトキである。
だがな、
この話は長くなるので
また別の機会にするとしよう。
さて、
このおなごはこのトキ
何を考え
何を想い
こんな木の上から
空ばかり観ていたのか。
おぬしは知りたいかの?
ふむ、そうか。
では聞いてみることにしよう。
