雲には形があって、
流れながら伸びては薄れて
寄り集まって、
また別の形になる。
わたしは
それを見ているのが好きだ。
「あ、アレはくじらだ!
おっ!アレは熊っぽい!!」
好き勝手に思いながら
想像は無限に広がる。
この木の上から見る空は、
遮るものが何も無くて格別だ。
この学童には、
友達もたくさんいる。
でもわたしは友だちと遊ぶよりも
この木に登って、
ただぼーっと空を見てる方が楽しい。
でも、もっともっと楽しいのは
本を読んでる時だ。
学校の図書館には
宝物がザクザク埋まってる。
読んでも読んでも
まだまだ読みたい本無くならない。
なんて幸せなんだろう。
本を読んでいる時は、
頭から爪先まで
物語にどっぷり浸かる。
その時間がもう、もう、
幸せすぎてしょうがない!!
物語の主人公として体感する感情も、
シリーズを読み終わる時の寂しさも、
次は何を読もうって探すワクワクも、
何よりも大好きな時間だ。
朝起きてから寝るまで
ただひたすらに
本だけを読んで過ごせたら
どんなに最高だろう!
こうして空を見てる時も、
わたしの頭の中には
物語が流れてる。
あのくじらの雲は
これからどこに行くんだろう?
その先にどんな形に変わるの?
あのクマの近くにある
小さい雲は子どもかな?
あの周りにある小さい雲もかな?
これから皆で
餌でも探しに行くのかな?
友達と遊ぶよりも
物語と過ごす時間の方が多い。
学校の休み時間も本ばっかり読んでるしね。
今までそれを
おかしいと思ったことはなかった。
だってもう、
物心がつく頃からそうだったから。
「目が悪くなるから
一日にそんなにたくさん読まないの!」
何度も親に怒られたって、
ページをめくる手は止められなかった。
「休み時間はみんなと外で遊びなさい!」
学校の先生に注意されたって、
本を読むのはどうしても止められなかった。
そのくらい
わたしにとっては
大切な大切な、
友達なのだ。
でも
来月この場所を引っ越すことになる。
学校や学童の友達は
小さい頃から知ってるから、
本を読み始めると
何も聞こえなくなったり
気がすむまで読まないと
わたしが止まらないことも
みんな分かってる。
それでも一緒に遊びたい時は
遊んでくれる。
それが当たり前だと思ってたけど
新しい場所に行っても
同じなんだろうか。
わたしは、
ここから離れても
上手くやれるのかな。

