ファッション通信  -伊勢丹新宿に暗雲が!?- | ファッション業界転職 販売職専門人材会社インター・ビュー

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山口 芳明 の奮闘記

いつも、ありがとうございます。アパレルに特化した人財会社インター・ベルの山口です。


1月27日の日経に2月1日付けで三越伊勢丹HD社長に就任した大西洋氏へのインタビューコラムが載っていたが、主題となった来春の伊勢丹新宿本店全面改装の方針を聞いて『コリャ駄目だ』とガックリ来た。


『斬新な内装に刷新するので売場面積が12%減るが、集客力を高めて売上は毎年5%伸ばす』という方針は、限られた売場面積に無理に突っ込まれたブランドの品揃えが偏って取引先との軋轢が絶えず、顧客もあまりの混雑に買い物の労苦を厭ってしまうという現状をさらに悪化させる『ブランドと顧客に冷淡な効率主義』であり、これ以上混むなら他店へ乗り換えようという顧客、これ以上品揃えを削がれるなら他店へ乗り換えようというブランドを増やす事になるのではないか。

かっこつけて売場面積を圧縮する以前に、伊勢丹新宿本店がやるべき改革は山ほどある。


まずやるべきは古典的な集中レジシステムとそれが占める面積と導線の無駄、派遣店員と重複する大量のレジ要員の削減であろう。


実際の販売はブランドの派遣店員がしているのに支払いと包装は遠くの集中レジへ行って正社員にやってもらわねばならず、時間とスペースの無駄、二重雇用の無駄が指摘される。


正社員のいるレジへ行って先払いし、レシートを売場に持って行って商品を受け取るチャイナ方式を笑えないのでは・・・・。


最近のデパ地下食品ではレジシステムのオンライン化が進み、派遣店員だけで精算と包装が済んでしまう合理的な方式が急速に普及しつつあるが、まさか伊勢丹さんはご存じないとも思えない。

もうひとつ、売場の通路に仁王立ちになって周囲を威圧している黒服のおじさんやお兄さんをなんとかして欲しい。


販売するでもなし何かを聞いても案内出来る訳でもなし、時として腕まで組んでいる姿を見ると、こいつら派遣店員と顧客を監視しているつもりなんだとムカついて来る。

それも主通路の一等地端に立って通路巾を確実に狭めているのだから、混雑に疲れた顧客とすれば『退いた退いた!』と押しのけたくなる。


この販売実務を負担しない黒服たち(所謂エリート総合職)の人件費が百貨店の法外な歩率要求をもたらしている一因である以上、三越並みに削減すべきは当然だ。

こんな必然の改革に目を瞑ったまま、かっこつけた売場圧縮に走ってさらなる販売効率を取引先と顧客に強いるという新経営陣のミーハー感覚とリアリティの欠落を恥ずべき同窓(大西氏とプロフェッサーは同じ大学同じ学部)の体質と疑うのは、名門私大に大学から入った地方出身者の僻かも知れませんネ。


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