いつも、ありがとうございます。アパレルに特化した人財会社インター・ベルの山口です。
グローバル化が教育制度まで及び、留学生の多い有力大学では従来の春入学からグローバル基準の秋入学へ転換する事が検討されています。
満開の桜の下で入学式という伝統を捨てるのは寂しい感じもしますが、日本がグローバリゼーションから取り残されない為には、いずれ断行せざるを得ない事なのでしょう。
実はファッションの世界でも欧米と日本は春秋の起点や季節暦が異なり、国内ブランドと欧米ブランドではシーズンMD展開が微妙に違うのです。
両方をミックスしているセレクトショップなど、その組み合わせ方がひとつのMDノウハウになっているはずなのですが、店頭で見る限りは欧米ブランドのシーズン展開を活かしているとは思えません。
日本では年末投入の初春が起点となり、春、初夏、盛夏、晩夏、初秋、秋、冬、梅春とシーズンMDが流れますが、米国では独立記念日(7月4日)前後から立ち上がる晩夏・初秋に相当するバックトゥスクール(欧州ではプレフォール)に始まって、9月第一週末~月曜のレイバーデイ休暇明けに秋冬物が一斉に立ち上がり、11月に入ると最終木曜日の感謝祭から始まるホリディ商戦向けのギフト商品やクリスマス休暇向け商品が並び始めます(日本で言えば梅春&クリスマスですが、年中パーティやってるのでパーティウェアはシーズン商品とは言えません。クリスマス柄のバルキーニットなどが代表でしょう)。
ホリデイ商戦の後半にはクリスマス休暇を暖かいリゾートで過ごす為のクルーズ(リゾートウェア)が立ち上がりますが、欧米でも一般大衆向けとは言えません(日本でも正月休暇を暖かいリゾートで過ごすのはリッチな芸能人や開業医ぐらいでしょう)。
欧米のシーズン商品で特徴的なのはホリディとクルーズだと思いますが、日本のセレクトショップがそれらを大きく訴求しているのは見た事がありません。
有力セレクトショップも多くはガラなマーケットに埋没しており、本来のグローバルな編集提案力を失っているのは残念です。