アパレル通信  -自社企画シフトの落とし穴- | ファッション業界転職 販売職専門人材会社インター・ビュー

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山口 芳明 の奮闘記

いつも、ありがとうございます。アパレルに特化した人財会社インター・ベルの山口です。


ODM依存の後出しMDで壁に当たった企業が自社開発シフトを模索するケースが少なからず見られるが、掛け声ばかりで成果が上がらないのが実情だ。


そんな企業のやっている「自社企画」を見ると、デザイナーを雇って企画に注力しても仕様開発と生産管理は商社に丸投げしているケースが多い。


とりわけ大手商社と取り組むケースでは、商社が下請けの開発チームや生産チームに丸投げするばかりで、誰も一貫して企画を完成させようとはしてくれない。


こんな開発を私は『リアルマインドがない』と切り捨てている。

企業の経営者からすれば、デザインチームを雇って生産を大手商社と取り組めば自社開発が成り立つと勘違いしているのだろうが、自社開発の成否はフォーメーションの問題ではない。


実際の企画当事者が工場まで行ってインダストリアル・スペックを詰め切ってくれるかどうかが問われるのだ。


デザインチームを雇用しても大手商社に丸投げして商社も下請けに丸投げしたのでは企画当事者の意図をインダストリアル・スペックに反映しようもないが、ODMでも業者のデザイナーを本気にさせれば遠隔地の工場に泊まり込んでインダストリアル・スペックを詰め上げてくれる。

本気で自社企画を完遂したいなら、自社のデザイナーを工場まで行かせてインダストリアル・スペックを詰めさせるべきだし、ODMでも自社デザイナーが発注窓口になって業者のデザイナーの意欲とアイデアを引き出すべきだ。


引き出すと言っても意欲だけでは限界があるから、業者のデザイナーが遠隔地の工場へ行ってスペックを詰め切るだけの開発期間とコストを担保するのは当然だろう。

自社開発シフトと声高に叫ぶ一方で調達コストを極限まで切り詰めるという最近の風潮は結局、自分の首を絞める事になるのではないか。


業者のリアルマインドを引き出す調達体制こそ、付加価値創造の突破口だと思うのだが・・・・



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