いつも、ありがとうございます。アパレルに特化した人財会社インター・ベルの山口です。
今年に入って「食べログ」のやらせ投稿業者の発覚や「2チャンネル」の編集アフリエイト業者への非難殺到など、「ステルスマーケティング」の是非が問われているが、我らファッション業界ではステルスどころか大手を振ったやらせマーケティングが我が世の春を謳歌している。
ガラケータイ時代から露骨なアフリエイトやお雇いブロガーによるステルスマーケティングが蔓延し、昨年あたりからはブロガー主導のブランド開発がブーム化していたが、スマホの加速度的な普及でPC系コンシューマーまで取り込んでステルスマーケティングは花盛りという感がある。
業界には『やらせは不公正』とか『さくらは景品表示法に違反する』などといった認識は微塵も無く、より手軽に上手くやって効果を上げたが勝ちというのが本音のようだ。
ガールズブロガーなどカワイイを連呼して企業からお手当をもらうのが当たり前になっており、消費者側もそんな仕掛けに乗せられる事に何ら疑問を持たないのが実情だ。
そんな風潮に『違法性が強い』などと棹さすつもりはないが、業界のコンプライアンス感覚には疑問を感じる事が少なくない。
私は消費者や株主を騙したり納入業者を収奪したりするのが「コンプライアンス違反」と考えるが、多くの企業は何でも秘密にして隠す事がコンプライアンスだと誤解しているように思える。
「コンプライアンス」の名の下に何でも隠蔽する体質は消費者や株主の知る権利を損ない、結果として騙す事になりかねない。
「コンプライアンス」の本質は誠実な商売と消費者利益を担保する情報開示であり、企業は原価率とマークダウンロスを開示して『良品を誠実かつ効率的に提供している』事を証明すべきと考える。
そんな事になれば、20%を割り込みかねないまで原価率を切り詰め30%を超えるマークダウンロスを垂れ流して利益を上げている不誠実非効率な企業を市場から排除出来るかも知れませんネ。