サンエー・インターナショナルは、1977年以来の「VIVA YOU」ブランドを今春夏物を最後に廃止すると決めた。
同ブランドはサンエーが、アパレルに進出した最初のブランドであり、80年代中期には中野裕通をチーフデザイナーにDCブランドブームの一翼を担った記念碑的ブランドだけに、時代の変化が痛感されます。
中野裕通がCFDに加盟した86年頃は、飛ぶ鳥落とす勢いで、キョンキョン(小泉今日子)の「なんてったってアイドル」をバックに元気なモデルたちがランウェイを飛び跳ねた時代。
74年11月に始まった「TD6」が81年11月に「東京コレクション」に発展して83年6月に解散した後を受けて「CFD」(東京ファッションデザイナー協議会)が設立された85年頃がDCブームのピークで、デザイナーでなければ人に非ずという風潮さえ蔓延し、デザイナーの独立や移籍に企業が振り回される事件が続発したものです。
そんな当時と較べれば衣料品の価格もデザイナーの給料も釣瓶落としに下がってしまいました。
当時は、斬新なファッションを競ってDCブランドに大枚を叩くのが当たり前で、衣料品の低価格化が進行した今日では考えられないほど高価な洋服が氾濫していたのです。
もう30年近く前になりますが、日本にもこれからの中国を暗示させるバブリーなファッション至上時代があったんですよ!