数少ないパリオートクチュール協会の正式メンバーとして常時コレクションを発表している老舗ブランドのアドリーヌ アンドレ。
パリ3区はマレ地区の建物の一室、大きな窓から優しい自然光が差し込む温かい空間の中で新作が発表された。
ランウェイでは単純に服を見せるのみならず、毎回他にはないパフォーマンスを取り入れて招待客の目を楽しませてくれるが、今回は“two by two”(2掛ける2)というテーマに基づいて、部屋の両脇にある扉からモデルが一人づつ出て同時にランウェイを2度歩くという舞台づくりであった。
アドリーヌ アンドレ独特の、アームホールが3つあり、生地を体に巻きつけるようにして着るタイプのコートやドレスが大半を占めた。
また、全体的にカットオフされている洋服が目立ち、一つのシンプルな布としての生地の使い方を魅せた。
素材は、ウールやドスキンなど秋冬らしいものを中心に、シルクやコットンなども取り入れられた。
カラーではアイボリーホワイトやブラックを用いながらも、発色の良いオレンジ、イエロー、グリーンなどの色使いが印象に残った。
靴は、前回と同じUnited Nudeの協力によるとてもシンプルなデザインのものを使用し、アクセサリーもなく、洋服の素材やカットの美しさに焦点が当てられた。
ブランドの基盤ともいえるミニマリストのスタイルを貫いたクチュールコレクションとなった。