レバノンに生まれたエリー・サーブ(Elie Saab)は9歳からドレス作りを始め、18歳でその首都はベイルートで自身のブランドを立ち上げ、たぐい稀なるファッションの才能を若くから発揮してきた。
その12年後となる2000年にパリオートクチュール協会に招待されて作品の発表を開始し、現在は同協会の正式メンバーとして名を連ねる、歴史のあるブランドである。
パリ16区のシャイヨ宮で行われたコレクションのファーストルックは、ベテランモデルのアンニャ・ルービック(Anja Rubik)が飾った。
「都会の幻想」と名付けられた今回のクチュールのテーマ。
レースやチュール、モスリンといった生地の重なり合わせの上に、まばゆいばかりにきらめく刺繍が施され、都会の夢幻かのような高層ビルの光が表現された。
蝶の羽を思わせる、ふんわりとドレスに飾られたケープもまた繊細な刺繍で覆われ、モデルが歩くたびにきらめきを放った。
透け感のある生地に美しく開いた背中、そしてアクアマリンブルーや淡いピンクにベージュというカラー展開で、ナチュラルでエレガントなドレスの提案が印象に残った。
ゴードン・エスピネー率いるMACチームによるメイクは、艶のある肌にほとんど色みのないアイシャドーとリップがのせられ、ナチュラルにこだわった仕上がりとなった。
公式サイト : http://www.eliesaab.com/