アパレルコンサル  -阿倍野のキューズモールの不思議!?- | ファッション業界転職 販売職専門人材会社インター・ビュー

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山口 芳明 の奮闘記

大繁盛の阿倍野キューズモールだが、幾つか不思議な事が見受けられる。


ひとつは類似したテナントが何店も重複していること。

アメカジ感覚のナチュラルカジュアルなど、ハートマーケットとキューブシュガー(どちらも1F)、インザグルーヴとbranch et pot(どちらもB1F)と、なんと4店も重なっている。

アイウェアも同じく、B1FのJINS(プライスライン型)とアーバンセレクション・バイ・スタイルアイズ(SPA型の金子眼鏡)、1Fのパリミキ(お手頃セレクトとプライスライン型の折衷)とZoff(元祖プライスライン型)の4店が重なっている。大型SCのアイウェアはセレクト型/SPA型/プライスライン型の三タイプを揃えるのが定石だから、プライスライン型が2店重なっているのがおかしい事になるが、実はそこにもうひとつの怪がある。


地下鉄コンコースから上がって来るとB1Fの入り口左手一番にJINSが見えるが、実はこれはキューズモールではない。

同時に開発された地元地権者区画の「ヴィアあべのウォーク」という別の商業施設なのだ。


キューズモールのフロアガイドをよく見るとB1~2Fの天王寺駅側にパープルで色分けされたテナント名のない区画があるが、これが「ヴィアあべのウォーク」で、B1FのJINS周辺の区画を除けばキューズモールとは分断されたレイアウトになっている(行き来は出来る)。

地権者店舗が1Fの一等地などを占めてゾーニングが分断されたコピス吉祥寺と較べればずいぶんと賢明なレイアウトで、開発者の苦労が忍ばれる。

東急不動産の名誉のために断っておくが、プライスライン型アイウェア店の重複は同社のミスではなく、地権者がJINSに転貸したためと推察される。

もうひとつ、東急不動産の見識が伺えるのが、人気の某カジュアルチェーンの店舗をひとつも入れていない事だ。

パルを二店舗、ポイントも二店舗を入れているのに、それなら当然のように並ぶ某カジュアルチェーンは入れていない。

偽装二重価格商法を嫌っての見識と思われる。幾つかテナントミックスの技術的なミスは指摘されるが、東急不動産はそれなりの見識を持ってキューズモールを開発したのだと評価すべきであろう。