既に6月の売上実績も発表された大阪駅商戦だが、これまでの業界常識を大きく外れる傾向が一段と加速している。
ルクアは5月の38億円(開業一ヶ月では41億円)に続いて31億円と初年度目標の260億円を4割近く上回るハイペースを継続しており、このまま行けば360億円に迫る勢いだ。
大丸梅田店も好調で、予算の760億円(テナント売上計上)をやや上回る800億円ペースで進行しているようだ。
一方でJR大阪三越伊勢丹は絶不調で、5月の42億円に続いて6月も29億円と規模で四掛けのルクアに抜かれ、初年度目標の550億円を150億円も下回る400億円も難しい状況だ。
このまま行けばルクアの年間坪効率は、594万円とほぼ同規模のルミネエスト(662万円)に手が届きそうな高水準が期待される一方、JR大阪三越伊勢丹は250~260万円と郊外店並みの低水準に留まってしまう。
同じ立地に同時に開業した商業施設でここまで明暗が分かれるなど、かつてなかった異変と言うしかない。
三越伊勢丹はブランドを揃えられないなら、ルクアに入らないセレクトショップを大量導入してハイブリッド百貨店を志向すべきではなかったか(7月15日過去ログ)
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あまりの異変に、ターミナル立地の百貨店と駅ビル/ファッションビルの販売効率係数も大幅に狂ってしまった。
一般に同じ駅上(前)に並んだ駅ビル/ファッションビルの販売効率は百貨店の70%前後になるという統計値があったが、ルクアは大丸梅田店を4割以上上回り、JR三越伊勢丹の2.3倍近い。
こんな逆転現象は異例中の異例で、それだけルクアが画期的な大成功でJR大阪三越伊勢丹が異例の大失敗という事になるのだろう。
これまで駅ビルと言えばルミネがディフェクトスタンダードとされて来たが、これからはルクアスタイルが広がるのかも知れない。