今年は、J・F・ケネディが米大統領に就任して50年。
大統領選出馬の際、彼は一つの政策ビジョンを掲げた。
有名な「ニュー=フロンティア(新たな開拓)」である。
キューバ危機の打開、核実験の縮小、宇宙開発の推進、公民権法の制定――
多くの実績を残したケネディ。
しかし、これらは、大統領就任前は「まだ地図に記されていない」「まだ解答の出ていない」、まさに〝未開拓〟の難問ばかりだった(中屋健一訳『ケネディ・上』河出書房新社)
誰もやったことがない。
前例がない。
「だから、やめておこう」ではなく、「それなら、自分が〝前例〟をつくってみせる」と奮起する。
それが、青年指導者・ケネディの気概だった。
彼は語る。
「人間は自らが望むだけ偉大になれる。人間の運命の問題で人間の手がおよばないものはない」(同)
「開拓」「先駆」――
わが未開拓の原野に雄々しく挑み、光り輝く歴史を、今日からまた築いてまいりたい。