誰がために笛は鳴る -7ページ目

誰がために笛は鳴る

僕はサッカーを教えた。
息子は僕に、人生を教えてくれた・・

伊勢崎商業 1-1 西邑楽
前半 1-1
後半 0-0
延前半 0-0
延後半 0-0
PK 3-4

息子の高校サッカーが終わった・・・

誰がために笛は鳴る




予定よりずいぶん早い引退となったけど、少しだけ目を潤ませて、
それでも精一杯の笑顔で歩いてくる彼を見ながら

「大きくなったなぁ・・・」

と思った。


誰がために笛は鳴る



もう彼がこのユニフォームを着ることはないんだって思うと
ちょっと寂しい気もするけど・・・

それでも人生は続いてゆく ;)




3年間お疲れまでした^^;;;
朔太郎17歳の誕生日。

見事にプレゼントを買い忘れた僕は、その場凌ぎの姑息な手段で動画を作った。





誕生日、おめでとう。
生まれてきてくれて、本当にありがとう

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平成22年8月7日

茨城県水戸市ツインフィールド




「さぁ・・踊ろうぜ」

そう言って、彼らはピッチへと駆け出した。

彼らのラスト・ワルツは、僕の生涯で忘れられないモノとなった。









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そんなわけで朔太郎の二度目のサッカー人生がスタートし、僕たち家族にもまた忙しい週末が戻ってきた。


親の目から見る限り、朔太郎はこの二ヶ月足らずで随分と変わった。
相変わらずよく忘れ物をしていくし、教科書は学校に置きっぱなしだけど、写真だけとはいえサッカーの本をパラパラめくるようになったし、TVのニュースなどもワールドカップ関連のところだけは見るようになった。
そしてなによりもたくさん話すようになった。学校のことや友達のこと、そしてサッカーのことなど、こちらがなにも聞かなくても自分から話すようになったし、僕の言ったことに対して自分の意見があればそれをキチンと言うようになった。

「あんま無理すんなよ、サク。大切なのは今の気持ちを忘れずに持ち続けるってことだからな」

と、偉そうに言ってはみるものの、それは自分に言い聞かせているということは僕自身が一番良く知っていた。


僕たちを喜ばそうとして背伸びすることはない。自分のペースで歩いていけばいいのだから。




そして先週末、僕たちは待ちに待った朔太郎の復帰第一戦を向かえることとなった。

試合前夜、いつものように公園でボールを蹴っていると、朔太郎と同じ学年のほかのチームの子が、お母さんとお買い物の途中にその公園を通りかかった。
そのお母さんは

「凄いですねぇ、夜も特訓ですか?朔太郎君がサッカーやめたって聞いてうちの子スゴクさみしがってたんですよ。ウチの父兄の中でも話題になってみんなで心配していたんです。でもまたやるって聞いてホッとしました。」

っという様なことを言った。

いろいろな意味で全ての人がウェルカムではないだろう。それは僕自身承知の上だし朔太郎にも話しておいた。
それでも、この子のようにたった一人でもいい、「朔太郎が帰ってきてくれてうれしいよ」と言ってくれる人がいるなら、それだけでも朔太郎は幸せモノだ。







翌日はあいにくの雨・・・


試合開始前に監督の指示を聞くために輪になって集まる選手たち。
一人だけ周りをキョロキョロする朔太郎。
ベンチ裏の高いところからそれを見ていた僕たちを見つけると

「あっいた」

とハッキリと声に出してそう言った。
僕が高いところから

「楽しめよ」

っというと、彼は恥ずかしそうに顔を赤らめ、だらしのない笑顔で

「うん」

と言って下を向きながら、手を腰の辺りで、目立たないように少しだけ振ってみせた。

普段は見せなかったそれらの行動から「サッカーができてうれしくて仕方ない、自分のサッカーを観てもらいたい」という彼の気持ちが伝わってきた。


僕より先に妻が泣いた。



試合開始。
たった2ヶ月いなかっただけなのに、朔太郎以外の選手たちは僕の予想以上に成長していた。
以前の僕であれば、そんな彼らの技術、才能をそれはそれは羨ましく思ったことだろう。
でも今はそんな感情はどこにもなかった。
もしも昔以上に彼らを羨ましく思うことがあるとすれば、それは「朔太郎と一緒にプレイできる彼ら」を羨むということだろう。




コンピューターのスイッチをポンっと押して再起動できるほど、僕らのリスタートは簡単ではなかったけど、それでも僕らは自分たちで選んだこの道を、いつまでも愛しく振り返るだろう。









作詩:RYTHEM 作曲:RYTHEM

どこか遠くで 耳を 澄ましている人がいる
あらゆる場所で 空を見上げているひとがいる
夜空の下で 口笛ふいてる僕たちは
言葉もないまま 指でただ星座をなぞってる

寒がりやの夢 冷たい君の手
あたためる魔法は 1つの道を信じること

彗雲の向コウに見つけた 一粒の星は
輝く星でも かすかな星でも 君だけの光

胸の雲の向コウに見えないままの道しるべ
さぁ この手をひらいて今 何を信じますか?

眠れぬ夜に 1人で泣いてる人がいる
朝を迎えた 地球のどこかで 笑う人がいる

途方に暮れてる… 迷い続けてる…
ふみだす魔法は 明日の自分信じること

空を超えた向コウに探してたあの日の星は
どこに忘れたの?誰が見つけたの?君だけの光

胸の奥の暗闇 まぶたを閉じて切り開く
さぁ 扉よひらいて 今 何がみえてますか?

“ほんの少しの風が吹きました
最後の魔法は弱い心も信じること”

彗雲の向コウに見つけた 一粒の星は
輝く星でも かすかな星でも 君だけの光

胸の雲の向コウに見えないままの道しるべ
さぁ この手をひらいて 今 何を信じますか?

目をとじて…目をあけて…
今 何が聞こえるの? 何が見えてるの?君だけの光

青い屋根に登って 生まれた夜空 見下ろした
叶わないことなんてない ひらくのは その君の手









※画像添付の関係でファンの方のみの公開となりました。

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明日の遠足が楽しみでなかなか寝付けない子供のように、夜中の2時を回っても僕は一向に眠くならなかったため、やべっちFC→やりすぎコージーと続き、ついにはクロアチアvsポーランド戦を観る羽目になった。

自分が寝たのか寝ていないのかわからないような状況のまま6時くらいにごそごそと起きだし、朔太郎のスパイクとボールの用意をした。
妻は「そんなことは本人にさせればいいのに・・・」と言っていたけど、今日だけは僕にやらせてくれと言い張った。
自分で封印したものは、せめて自分のこの手で解き放してあげたかったのだ。

スパイクの手入れをするためしゃがむと、ふくらはぎが少し痛んだ。

実は夕べ、朔太郎の復帰が決まったあとに家族四人で公園へ行った。
走るためではなく、サッカーをするために。

以前はよくこうして朔太郎と二人で練習に来ていたのに、今回ばかりはなんとなくお互い気恥ずかしい感じがして、最初にパス交換をするまでに結構時間がかかった。
僕は気合を入れて、おそらく一生履くことは無いと思って箪笥の奥にしまっておいた自分用の新品のスパイクを持っていった。

何年かぶりに感じるポイントの突き上げ感、久しぶりに見る朔太郎のドリブル、しなやかな足首、非力なキック・・・
全てが遠い昔の事のように懐かしかった。

僕らはまたここへ帰ってきた。





朝8時くらいになると朔太郎と亜紀が起きてきてTVのアニメを見ていた。

「いよいよ今日だな・・サク」

「うん」

「体調はどうだ?」

「バッチリ」

「本当にあのチームでいいのか?」
(挨拶がイヤなもんで往生際の悪いオレ)

「うん、いいよ」

「なんであのチームなん?」

僕がそう尋ねると、彼はしばらく考えて

「楽しめそうだから」

と言った。

サッカーをするのにこれ以上の理由があるだろうか?
僕は朔太郎のこのひと言を聞いて腹をくくった。

10時からの練習に朔太郎は9時前から「パパ。もう行く?」と何度も聞いてきた。
9時を少し回った頃、とうとう観念した僕は、朔太郎と二人で6月の少し肌寒いくらいの鈍色の空の下、グラウンドへと向かった。

グラウンドへ到着するとすでに何人かの選手が輪になってボールを蹴っていた。
煙草をふかしながら懐かしいその風景を見つめる僕の隣に朔太郎がやってくる。
僕がそっと彼の背中を押し

「行っといで」

というと、彼はいつかの日のように照れくさそうに、でもうれしそうに、ゆっくりと、だんだん速足で、そして最後は全速力で仲間の元へと走っていった。




残る仕事は挨拶だ。
「恥ずかしながら、帰ってまいりました」
とは、グアムから帰還した元日本兵横井庄一 氏の言葉だが、横井さんは28年間もグアムのジャングルで生き抜いた。

朔太郎は2ヶ月足らず、俗に言う「舌の根も乾かぬうち」に復帰することになった。
恥ずかしいにもほどがある・・・

それでもこれは朔太郎との約束だし、今の僕にできることはそれくらいしかない。
僕は勇気を振り絞ってみんなの元へ行った。

まずは父兄の人たち、みんなあたたかく迎えてくれた。
和泉代表、それなりにあたたかく迎えてくれた。

そして残るは三谷監督・・・

彼は朔太郎が2年生のときにやってきた指導者で、朔太郎の良さを見出し、トップチームに上げてくれたのは彼だった。
そんな彼に「もうやめます」なんて、まるで彼を裏切るような気がして、僕はとうとうやめるときも今回復帰するときも、彼には一言も何も言えずにいた。

その三谷監督がやってきた。

僕はゆっくりと彼のところへ向かった。

「おはようございます。今日からお世話になる新人の朔太郎です。サッカー初めてなんですけどよろしくおねがいします。」

僕が冗談めかしてそう言うと、彼は黙って右手を差し出した。

僕たちは互いに一言も発することなく握手を交わした。
「サッカーがやりたい」と僕に言ったときの朔太郎の気持ちが、少しわかったような気がした。



練習が始まり、僕は朔太郎の集中力が切れないように、彼から見えないくらい遠く離れて練習をみていた。
遠くで笑いながら仲間とボールを蹴る朔太郎を眺めながら、今回の一連の騒動に思いをめぐらせた。

結局のところ、なぜ朔太郎がサッカーをやめたのか?明確な理由は何ひとつ分からず仕舞いだった。
親の身勝手だったのかもしれないし、朔太郎のわがままだったのかもしれない。
でもたった一つだけ僕が確信を持って言えることは、今回のことは決して偶然が重なり合った出来事ではなく、必然的なものだったということだ。
朔太郎にとっても僕たち親にとっても無くてはならない、乗り越えなくてはならない、絶対に必要な経験だったのだ。
僕ら夫婦や亜紀や朔太郎があの時流した涙は、決して無駄な涙などではない。

無駄な涙にしてはいけない。


お昼をまわり、ただ座って練習を眺めているだけでも少し汗ばむようになってきた。
ふと空を見上げると、先ほどまで一面雲の海のように灰色だった空が、初夏の昼下がりのような青空へと様子を変え、その遠くのほうのずっとずっと高いところに、真っ白な気球がポッカリと浮かんでいた。

朔太郎よ、天高く舞い上がれ。あの気球よりも、もっともっと高い所まで、僕の手が届かないくらい高い高い空の上まで翔んでゆけ。そうして大きな大きなこの蒼い空を自由に翔びまわれ!

これから先、朔太郎は何度も壁にぶち当たるだろう。何度も何度もつまずいて、時には転んでしまうかもしれない。
でも、彼はその度にひとまわりもふたまわりも大きくなって、何度でも立ち上がってくるだろう。
朔太郎が僕を必要としなくなるまで、僕は何があっても生きていようと思った。
そう、僕らは生きてゆく。たとえ目の前に大きな壁が聳え立っていたとしても、怯むことなく歩き続けるのだ。
雪の日も雨の日も、一歩一歩足元を確かめるように、ゆっくりとそして確実に・・


どこかの女の子が吹いたしゃぼん玉が、僕の目の前をユラユラと横切っていった。
6月の少し湿った緑のグラウンドで仲間たちとはしゃぐ朔太郎のまわりには、小さな陽だまりができていた。












 第一章 完 ----







これでオトンと朔太郎、亜紀とオカンのひとつの季節は終わりを告げました。
いままでご訪問いただいた皆様はもとより、お忙しい中コメントや登録をいただいた皆様へ、家族を代表して心より御礼申し上げます。

朔太郎に笑顔が戻ってきました。
亜紀は一年生になったらサッカーをやると言い出しました。
僕たち夫婦はまた、時間を忘れて語り明かすようになりました。
基本的に筆不精な僕が、ここまで続けてこられたのも全て皆様のおかげです。

僕たちは歩き続けます。
その過程でまたいつか、皆様にお会いできることを願って止みません。

本当にありがとうございました。
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その後僕たち家族の月夜のジョギングは、言い出しっぺの朔太郎と出不精のママの脱落を経て、僕と亜紀とゴン太の三馬鹿トリオでの日課になっていた。

ジョギングと言っても亜紀とゴン太が一緒では「歩くのに毛が生えたくらい」のもんで、要するに普通の散歩へとその形態を変化させていた。昨晩も食事が終わるとそれを待っていたかのように「パパまだ行かないの?」と亜紀が急かすので、お茶をすする暇も無く僕たちは夜の公園へと繰り出していった。

公園のウサギのかたちをした遊具に腰掛け、ブランコで遊ぶ亜紀とその周りをぐるぐると回っているゴン太を見ながら、ある意味僕自身の生きがいにもなっていた朔太郎のサッカーがなくなり、ポッカリと穴の開いた心を引きずったまま、自分がすごく不幸になってしまったような、そんな甘えたことばかり考えていた数週間だったけど、そもそもこの国の「子供のため」とは名ばかりで、飽きれるほどに大人社会なジュニアサッカーの世界に愛想を尽かし、唾を吐きかけ、中指を立てたのは僕自身なのだし、一番苦しんでいるのは朔太郎自身のはずだから、そんなセンチな泣き言ばかり言うのはもうやめようと思った。
自分はこんなにも幸せで、まだまだやらなければならないことはたくさんあるのだ。

そして今までどうしても朔太郎のサッカー優先だった生活が、こうして亜紀との時間を楽しめるようになったことは、僕にとっても亜紀にとってもいいことなのかもしれないと思った。

保育園のことやゴン太のことなど、ときに笑いながら、ときに追いかけっこをしながら、僕たちは時間の経つも忘れて話をした。




一時間も遊んで家に帰ると、めずらしく朔太郎が玄関までお出迎えにやってきた。

サク:「どこ行ってたの?」

僕は自分で言い出しておいて、三日坊主にすらなれない朔太郎にいささか腹をたてていたので

「あ?さんぽ」

とそっけなく言った。

サク:「どこまで行ったの?公園?竹の公園?」

朔太郎がサッカーをやめてから僕と朔太郎の会話は極端に減っていた。
特別用事が無ければ僕からは話しかけないし、彼もそんな親の雰囲気を感じてなのか不必要な会話は避けるようにしていた。
いまから思えば、そんな朔太郎がやけに話しかけてくるのにはなにか訳があったんだろうけど、そんな相手の気持ちを慮る余裕のない僕は

「あぁ・・うん」

とさらにそっけない態度をとった。
すると彼は何かを諦めたように踵を返し、電気もついていない自分の部屋へと戻っていった。





しばらくすると、真っ暗な部屋の中から朔太郎の声がした

サク:「おとうさん・・・・・・」

僕:「ん?」

答えが返ってこない・・・

僕:「なんだよ?」


サク:「おれ・・・・学校の#&$%\か・・・・ち#&$%と・・・ちゃ%$&#%る\ら・・・」


僕:「あ?なに?聞こえないから・・・」

その声からもうすでに泣いているのがわかった。

サク:「おれ・・・・学・・・校のこ・・・ととか・・・・ちゃん・・とや・・・るから・・・・・・」

僕:「うん」

サク:「だから・・・」




「だから・・・・サッカーがやりたい・・・・」


胸の奥に痞えていたことを吐き出すかのように彼はそう言った。





たったそれだけの言葉を言うのに、彼はどれだけ思い悩んだのだろうか?どれだけ心を痛めたのだろうか?そしてどれほどの勇気が必要だったのだろうか?それを考えると、僕はいたたまれない気持ちで一杯になった。
でも僕はそんなそぶりをみせることなく厳しい口調でこう言った。

「なぁサク。お前がどこでどう勘違いしたのかわからないけど、オレはそんなことはどうでもいいんだよ。学校に忘れ物をしていくとか、部屋の片づけが出来ないとか、門限が守れないとか色々あるけれど、そんなことはなんとも思っちゃいないんだ。ただな、なんでもそうだけど自分で何かをやると決めたら、歯を食いしばってでもとことんやらなきゃダメなんだよ。苦しいから、面倒だからと言って逃げてちゃダメなんだ。聞いてるか?サク?」

部屋から出てきた彼はボロボロと涙を流し、嗚咽しながら必死にウンウンと首を縦に振ってみせた。

「サッカーなんて楽なことばかりじゃないよ。10有ったらそのうちの8は苦しいことで、楽しいことなんか残りの2くらいなもんだ。でもな、その8ある苦しさを乗り越えた人だけが、残った2の楽しさを実感できるんだ。サッカーだけじゃない、世の中の大抵のことはそうなんだよ。だから勉強でも遊びでも、やるときはとことんやらないと・・・」

と僕はまるで自分自身に言い聞かせるようにそう言った。

「もしまたサッカーをやりだしたとして、次も中途半端にしか出来ないようなら、その時は本当にサッカーをやめなきゃならないぞ。だから焦ることはないから、そこんところをよーく自分の心と話し合って、それでもどうしてもサッカーがやりたかったら、またオレに言えばいいよ。その時はオレは、どんなに嫌いなヤツにでも頭を下げるし、世界中どこだろうが連れて行くから。」

僕がそういうと朔太郎は真っ赤な目をこすりながら何度もウンウンと頷いていた。

朔太郎、こんなことしか言えない父を許してくれ。
本当は「いままで辛かっただろう?よくがんばったな」っと言って、この手で抱きしめてやりたいんだ。
でもオレみたいな後悔をしないためには、今踏ん張るしかないんだよ。

僕は心の中でそう言いながら、暗い部屋へと戻っていく彼の後ろ姿を見送った。





翌日、またもや僕の部屋にやってきた朔太郎は、夕べの彼とは見違えるような笑顔で

「おとうさん、おれやっぱあのチームでサッカーやる」

と言った。

「ん?そうか、決めたんか」
「うん、もう決めた」
「ちゃんと自分の心と相談してみたか?」
「うん、した。」
「がんばれるって言ってたか?」
「うん」
「本当にそこでいいのか?他にもチームはたくさんあんだぞ?」
「いい。あのチームでやる」

あのチームとは、朔太郎が元在籍していたチームだ。
親としてはどこでサッカーをやろうがかまわないが、同じチームというのはかなり行きづらいものがある。

「まぁお前がそう決めたんならいいか」
「うん」
「今度はがんばれよ」
「うん」

ややあって

「じゃぁこれから行って来る」
「はぁ?どこへ?」
「練習」
「なんの?」
「チームの練習」

呆れたもんだ。

「あのなぁ朔太郎、お前は一度チームをやめてるんだよ。だから今度またはじめるときもそれなりの手続きってのがいるんだ」
「てつづき・・?」
「そりゃそうだよ、練習中に「ちょっとジュース買ってきます」って出てきたわけじゃないんだから・・・・そうだなぁ・・まずは代表に挨拶に行かないとダメだぞ」
「和泉さん?」
「そそ・・・お前行けるか?」
「うん、行けるよ」
「ちゃんと言えるか?それともオレが一緒に行ったほうがいいか?」

僕はそんなつもりはさらさら無かったけど念のためそう聞いてみた。

「だいじょうぶ。多分泣いちゃうと思うけど、がんばってみる」

「そか、じゃ行ってこい」


代表に挨拶に行くのにわざわざジャージに着替えている朔太郎を見て、つくづく馬鹿なやつだと思いながら、反面子供の行動力のすさまじさ、展開の速さに脅威を感じていた。

その後彼が代表相手にどんなことを言ったのか、どんな顔をしていたのか、僕は一切聞かなかった。
それは彼が自分の器量でやったことなのだから、どんな言い方をしようが、どんな顔で行こうがそれは誰も何もいうことはできない。


そうしてめでたく朔太郎は、いとも簡単に、何の躊躇もなく、涼やかな顔をしてまたサッカーの世界へと足を踏み入れた。
明日の練習が復帰第一日目となる。
代表への挨拶、コーチへのお詫びと挨拶、他の父兄の皆様への挨拶・・・・親としてやらなければならないことは山ほどある。


どうなることやら先のことはとんとわからないが、今コレを書いている傍らで寝ている朔太郎の満足そうな寝顔を見ていると、「ずいぶん大きくなったなぁ」という気持ちと「まだまだガキだよな」という気持ちが入り混じった複雑な心境になった。
そうして僕たち親子の間で、何かが少しだけ変わったのをうっすらと感じた。

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なんとも未練がましい限りではあるが実は今でも時々、家に誰もいないのを見計らってはコッソリこのビデオを見ている。
相変わらず"朔太郎の良さ"とやらは僕には一向に伝わってこないけど、それでも僕はあの時の胸の高鳴りを思い出しながら、いつまでもこの試合を見続けるのだろう。

朔太郎、あのとき君は輝いていた。















らしいよ・・・ ;p
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忘れられない試合がある。

なんて言うと「朔太郎が決勝点を決めた」とか「ロナウジーニョみたいなスルーパスを出した」など、彼が大活躍をした試合を期待するかもしれないけれど、僕にとっての「忘れられない試合」は朔太郎がまったく活躍しなかった試合だ。

あれは朔太郎が4年生のとき、6年生のカップ戦県大会の第1回戦だった。

6年生にしてみれば大切な試合だったかもしれないが、朔太郎(4年生)の親である僕にとっては単なる助っ人試合(ごめんね当時の6年生)的な認識に過ぎず、実際にプレイをする朔太郎は別として僕自身はそこそこのテンションで望んだ。

その日、6年生で一番身長の高いボランチの選手が家庭の事情で急に来られなくなった。
10番エースというわけではなかったけど、彼がいるのといないのとではゲームプランがまったく違ってくるのだろうから、監督はさぞ頭を悩ませたに違いない。

僕はそのころ、朔太郎の試合を毎回ビデオに録っていたので、その日もベンチの反対側の邪魔にならなそうな所に三脚を据え、監督のお手並み拝見とばかりに試合開始の笛を待っていた。

僕のスグ後ろには朔太郎が低学年のときにお世話になった長瀬コーチが、同じチームの朔太郎より1学年上にいる自分の息子のプレイを見るため観戦に来ていた。この時すでに長瀬さんはチームを離れ、トレセンの指導などをしていたけど、自分の息子の試合には必ずやってくるので、二人であーだこーだと言いながら観戦するというのがそのころの習慣になっていた。

最初のメンバーがピッチへと入る。
6年生7人、5年生2人、4年生2人という構成の中、朔太郎は何食わぬ顔をしてボランチのポジションについた。

「ヲィヲィ、だいじょーぶかよ・・」

確かに朔太郎は同世代相手ならボランチもそこそここなしてくれるだろうが、6年生相手にしかも県大会のトーナメントでっせ・・
監督も随分と思い切ったことをするもんだと思いながら、僕はとにかく朔太郎がポカをしないでくれることだけを祈った。

試合開始。
始まってスグに気がついたことはディフェンスラインだった。いつもはボランチをしている7番のノッポ君がいないことからの不安があるのか、ラインをコントロールしている選手の押し上げが甘い。
相手は平均身長も高く(うちはチビばっかり)後ろからどんどんボールを放り込んでくるスタイルで、中盤とディフェンスの間に出来たスペースにボールを落とされるとピンチになることが多い。
案の定そこのスペースでボールを持たれミドルで1点を失った。

後半開始。
後半は少しポジションを変え(言うまでもなく朔太郎は左のハーフへ左遷)、前半引き気味だった最終ラインも監督の修正(かどうかはわからんけど)により随分よくなっているように思えた。
1点を先行された我がイレブンはスタート直後から果敢に攻め続けるものの、相手の高い壁に阻まれ最後のフィニッシュまでいけない。
最初良かったリズムが時間の経過とともに崩れ始める。パスが繋がらない。朔太郎も足元でこねるプレイが目立つようになった。

そして相手コーナーから打点の高いヘッドで1失点。
そのあと0-2という状況に少し弱気になったディフェンスのクリアミスからさらに1点。

計3点を謙譲し僕ら(あッ彼らね)は敗退した。








試合後、僕と長瀬さんが終わったばかりの試合の感想などを話し合いながら、次に行われる他チームの試合を観るためベンチに座っていると、県内でも3本の指に入るであろうジュニア・ユースチームの監督がやってきた。

なんでも来年度のメンバー確保のためウチのチームの6年生を見に来たということらしい。
言われてみれば反対側の大会本部のテントの中に、地区の技術部の監督たちがゾロゾロと集まっているのが見えた。

うちのチームの6年生にもお目当ての選手がいたらしいのだが、聞いてみると今日休んでいる長身の選手のことだった。

監督:「いやぁーせっかく来たのにいないんだからねー。参りましたよ。」

その監督は今大会で配布された選手名簿に目を通しながらそんなことを言っていた。

監督:「でも6年生よりも4年生がいいじゃないですか。」
長瀬さん:「あぁ、あのちっちゃいのでしょ?あれはちょっと格が違いますよ。」

僕もスグにその子だと思ったけど、僕が答える前に長瀬さんがそう言った。
その「ちっちゃいの」とは朔太郎と同じ年、2名出ている4年生のうちの朔太郎じゃないもう片方で、朔太郎が2年生のときに移籍してきた子なのだが、これまた朔太郎など足元にも及ばないほどの身体能力、サッカースピリッツの持ち主で、最初に見たときには「あれで朔太郎と同い年かよ?」と我が目を疑ったくらいの、誰が見てもすばらしい選手だった。

朔太郎は遠征先などで他のチームの監督にあまり褒められたことはないが、たまに褒めてもらえるとしてもそれは必ずその選手の次で、まるでキャラメルのオマケみたいに、僕にとってはどうでもいいような評価だったし、逆にその選手はどこへ行っても絶賛されるので親としてはちょっとうらやましい気もしたが、コレばかりはどうにもならないことだし、近くに良いライバルがいるのだからその子を目標に朔太郎ががんばってくれればそれに越したことはないなっと思っていた。

監督:「あの子はこれから伸びると思いますよ」
長瀬さん:「あれでタッパ(身長)が伸びればヤバイよね」

そんな会話をしている二人の肩越しに、スケベ根性丸出しの僕はその監督の持っている選手名簿をチラッと覗いてみた。

◎18番

18番のところに二重丸?そのちっちゃいのは19番なんだけど・・・
だって18番って朔太郎だし・・・
あーどうせ背番号見間違ったんだろうな・・・いつものことだ。

そう思いながら更に見てみると◎18番の横に「キープ、タッチ。落ち着いてパス」っと走り書きがしてあった。

そしてその監督はこんなことを言った。

監督:「髪もロンゲだし、ストッキングも下げて履いてるし、ちょっと洒落っ気づいてるのが気に入らないけど。でも今日見た中じゃあ一番いいかなー。」


髪が長くてストッキングが落ちてて18番?





間違いない・・・・さ。。。さくたろうだ・・・

いつか朔太郎の良さをわかってくれる人が現れてくれたらなぁ・・なんていう浅はかな期待を抱いていたものの、こんななんでもない試合でおまけに負け試合だし、朔太郎はたいした活躍してないし・・・何がなんだかさっぱりわからない。


でも僕は自分のこと以上にうれしかった。
サッカーをやらせて本当によかったと思った。
本当はその場で小躍りして喜びたいくらいうれしかった。
「朔太郎がいい」という指導者は今まで何人かいたかもしれないけど、「朔太郎が一番いい」と言った指導者はこの人が初めてだった。

いつもは誰かのオマケでしかなかった朔太郎が、初めてスポットライトを浴びた試合。
みんなにとってはただの通過点、たくさんあるうちの一試合に過ぎないかもしれないけれど

僕はこのゲームを一生忘れない。










それから何日か経ったある日の午後、僕の携帯に地区の技術部の人から電話があった。

「いま地区の技術部で朔太郎君のことが話題になってます。○○さんが「キープも出来て、落ち着いてパスの出せるいい選手がいるんだけど、コンタクト取れないかなー?」と言うので誰だろうと思ったら朔太郎君のことだったので連絡しました。来年のトレセンを楽しみにしています。」

という内容のものだった。

残念ながら朔太郎はそのトレセンのセレクション第一日目でジュニアサッカーから姿を消すことになってしまったけど、たとえどんなカナチにせよあの時彼がほんの一瞬、そしてほんの一握りの指導者たちに感動を与えたことに違いはない。

そしてそれこそがまさに、「サッカーをする」ということなのだろう、と僕は思った。


そう、ただ栄光のためだけでなく・・・・・






※ファン登録いただいている皆様には引き続き、その時の朔太郎の勇姿?をご覧いただけます。
 (次回アップの予定)

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夕食後に朔太郎が突然「一緒に走ろう」と言いだした。



理由を聞いてみると今度学校で体力テストみたいなものがあるらしく、いい成績をだしたいのでそのための特訓をしたいのだ・・ということらしい。

来週大切な試合があるからサッカーの特訓をしておきたいのだ・・・なんて一度たりとも言ったことの無い朔太郎が、たかが(という言い方には語弊があるかもしれないが)学校の体力測定ごときでそんなことを言うことに多少の戸惑いを感じながらも、自分も最近運動不足だし、ゴン太の散歩がてら一丁走ってみようか・・・と思ったので付き合うことにした。
久しぶりに二人でジャージに着替え、どこでどーゆー話になったのかはよくわからないが、なぜか嫁と亜紀も含めたいわゆる一家総出で、小雨の降る夜の公園に繰り出すことになった。

朔太郎の案によると、僕がゴン太を引っ張り家の近くの公園の周り、一周200メートルくらいのところをぐるぐる走るという算段らしい。

命令通りゴン太にあわせ軽いジョギング程度の速さで走っていると朔太郎が「遅いよ!」と怒り出した。
そうは言うものの、ゴン太はもう年寄りなのでなかなかスピードに乗ってこない。
そのことを朔太郎に説明すると
「じゃぁママにゴン太を渡して二人で勝負しようよ」
と言いだした。

仕方が無いのでゴン太を亜紀と嫁にまかせて、サッカーをやめてぶよぶよにニブッた身体とグダグダにナマッた精神を少し揉んでやることにした・・・

サク:「いい?いくよ?」
ぼく:「あぁ・・いつでもどーぞ」

僕がそう言うと彼は一気にスピードを上げた。
最初のうちは様子をみて伴走していたけど、カラダが温まってきた頃合を見計らい僕がちょっと本気を出すと、たちまち置き去りにされた朔太郎は

「うわっ速えぇ・・・クソッ」

と、かなり悔しそうにそう言った。

「ぬははは・・ぶぁかぁめ!!俺様に勝とうなんざぁ100万年早いわーー!!」

丸々一周の差をつけた僕は、彼を抜き去りながらそう言った。







ところが、周を重ねるごとに朔太郎と僕の差は縮まるばかりか、10周目くらいでついに朔太郎に抜かされた。父親としての威厳を保つために何度も自分の尻に鞭を入れてはみたものの、この牡馬は全く反応することなく、逆にどんどんスピードを落としていった。

ついこの前まで、ゲームもサッカーもかけっこも僕に勝てなかった朔太郎は、いつの間にかそれら全ての面で僕を追い越し、すでに追いつくことにできない存在になっていた。プロレスと勉強では今のところかろうじて僕が上位に位置しているけれど、それも時間の問題だろう。

なんとなくウレシイような寂しいような、複雑な気持ちになった。


15周目で限界を感じた牡馬は

「いやあの(ゼィゼィ・・・)、もう時間も遅いから(はぁはぁ・・・)、今日はこんくらいにして(ゼィゼィ・・・)、帰ろうぜ(はぁはぁ・・・)」

と、時間を言い訳にして逃げるべく嘶いた。

「オーケー、じゃああと一周してくるから待ってて」

サッカーのときはボールを奪われてもろくに追いかけもせず、疲れるのがイヤだから足元でばかりボールをもらうことを要求し、いざボールを持つとドリブルで勝負もせずにパスで逃げ、他のみんなが汗だくになって戻ってくるのにひとりだけ汗ひとつかかず涼しい顔でサッカーをしていたあの朔太郎のどこに、これほどの体力と根性があったのだろうか?

「なんだよ・・・コイツやりゃできるんじゃん・・・」というポジティブな感情と共に湧き起こる「んじゃなんでサッカーではがんばれなかったの?」というネガティブな疑問・・・・

Tシャツの背中を汗で濡らし、はぁはぁと荒い呼吸をしながら次第に小さくなっていく朔太郎の後姿を見送りながら、僕はある歌の歌詞を思い出していた。


 雨粒が頭の上に落ちてくる
 足がベッドからはみ出す男のように
 何をやってもしっくりこない
 雨は降り続く
 僕の頭に落ちてくる

 でも一つだけ分かっていることがある
 どんなブルーな気分が襲ってきても
 僕は負けない
 幸せが訪れる日は 
 それほど遠くないはず

    Word by Hal David
    Music by Bert Bacharach
    Performd by B.J.Thomas
    From the film soundtrack album, "Butch Cassidy And The Sundance Kid".
    ↓以降オリジナル曲をBGMにお楽しみください。↓(深夜の方はPCの音量に注意しましょう)
    







「やっぱサクはそこまでサッカーを好きじゃなかったのかなー?」

帰宅後子供たちを寝かせ、震える膝を押さえながらニンビリとお茶を飲みつつ僕は妻に今日感じたことを話した。
すると彼女は、

「うーん・・どうなんだろうね?ただね、今になって思うのは、私たちはいつもサクに「パスに逃げるな」とか「自分で仕掛けろ」とか、そんなことばかり言っていたけど、あのパスはあのパスで結構センス良かったんじゃないのかなー?って。親から見るとぜんぜんがんばっていないようなカンジだったけど、トレセンのセレクションの時なんて凄くがんばってたじゃない?やればできるんだなーって、あの時見ていて思わず泣いちゃったよ。」

と目を潤ませて言った。
僕は肯定とも否定とも思えるような中途半端な相槌を打つと、当時(セレクション)のことに思いを馳せた。

「いいかサク、(ボールを)持ったら自分だぞ。無駄にパスなんかすんなよ。ガンガン自分で仕掛けていけ。ポジションなんか気にすんな、目立ったモンの勝ちだ。監督に「オマエ(ボールを)持ち過ぎだぞ」って怒られたらもぅしめたもんだぞ。」

セレクション会場へと向かう車の中で、僕は朔太郎にそんなことを言っていた。
僕が見ていた限り朔太郎はその言葉を守った。中盤でボールを受けるとパスをせずに自分で切り込んだ。ボールを取られたらバックラインまで追いかけていった。指導者たちの評価なんてどーでもいい思った。我が家での評価は◎なんだからそれでいいと思った。





その一週間後、僕は彼をやめさせた。

そのことを悔やんではいない。
それが間違った選択だったとは思わない。

一度転んでしまった朔太郎が次に立ち上がるとき、その手には必ずや何かを掴んで起き上がる

僕はそう信じているから・・・

だから朔太郎、たとえ光が見えなくっても心配することは何もない
そのうちきっと幸福のほうから、お前に「ハロー」と挨拶に来るさ

この歌の歌詞のようにね・・・・

イメージ 1

先日いつものように僕が仕事をして電子の網の中をさまよっていると、めずらしくサクがひょっこり顔をだした。

サク:「ねぇパパ。明日映画観に行きたいんだけど?」

僕:「あぁ、いいんじゃないの。行っといで。」
サク:「やった!じゃ送ってってね。」
僕:「ほいほい」


ってな訳で、映画館まで送っていくことになった。

僕の焦る気持ちなどどこ吹く風、誰がなんと言おうと朔太郎はサッカーの無い人生を満喫している。
「たまにはボールを蹴りたい」とか「普通の遊びはもう飽きた」とか、なんでもいいからそんなようなことを少し思ってくれるといいのに・・・と思うけど・・

「親の心、子知らず」

昔の人はウマイことを言ったものだ。
まぁ最近では

「子の心、親知らず」

なんて言うらしいから、そこいら辺はお互い様なのかもしれない。

それはさておき、僕はふと「いったい何を観にいくつもりなのか?」が気になったので、さっそくインターネットで調べてみることに・・

ふむふむ・・・なになに・・・あーうんうん・・・

ん?

おお!

僕の目にある映画のタイトルが鮮烈に飛び込んできた・・・・



レアル・ザ・ムービー


おぉぉぉそーかそーか、ヤツはやっぱりサッカーが忘れられないんだ、イヤきっとそーだ。
サッカーが好きで好きで、ボールが蹴りたくて蹴りたくて仕方がないんだ、イヤきっとそーだ。
でもチームを辞めてしまったから、せめてビジュアルでサッカーを楽しみたいんだ、イヤきっとそーだ。

そう思った僕はたちまちうれしくなって若干スキップ気味に、時折ツーステップを織り交ぜつつ子供部屋へ駆け込んでいった。

僕:「おいサク、観たい映画ってもしかしてレアル・ザ・ムービーか?」

水臭いんだよお前はまったく・・という顔をしていた僕に向かって彼はパッと目を輝かせこう言った。





サク:「ううん、クレヨンしんちゃん・・・・ってゆーか、そのレアルなんとかってなに??」






ガ━━━━━━━( ̄∇ ̄; )━━━━━━━━ン!



さ、、、、サク・・・・オマエってやつは・・・・・







っというわけで、ここらでちょっと小休止、今回は映画のお話をしてみたいと思います。

僕は気に入った映画は毎年一回くらいの割合で観るようにしています。
日常の生活の中で「何か足りない」「何か忘れてる」っと思ったとき、必ず観る映画がこの作品・・

Title:タイタンズを忘れない

主演:デンゼル・ワシントン/ウィル・パットン 

---Based on a true story---という字幕で始まるこの作品は、1971年にバージニア州・アレキサンドリアで起きた実話の映画化。
ハリウッドゆえに残念ながらサッカーではなくフットボールもの(NFLではなく高校フットボール)ですが 、同じスポーツという大きな括りでとても共感できる作品に仕上がっています。

新任ヘッド・コーチ(黒人)とコーチ(白人)の確執や選手同士のいがみ合い、そしてその親同士の憎悪など、どこにでもある問題を人種差別という観点から鋭くえぐった、なんとも身につまされる映画です。

時として僕たちは見た目で人を判断したり、無知がゆえ知らない間に人を傷つけたり傷つけられたりしてしまうことがあるのではないでしょうか?
この作品は、特に盛り上がりを見せるシーンこそないかもしれませんが、個人の技術やチームの戦術うんぬんを説くまえに「人としてどうあるべきか?どう生きるべきか?」 を切々と伝えてくれます。

ゲティスバーグにおけるヘッドコーチの弁がいつまでも心に残る感動の1本。
ハリウッドでの評価はイマイチでしたが、未だに僕のフェイバリットです。

皆さんもこれを機会に古い映画をリバイバルしてみてはいかがでしょうか?