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「玉城ちはる X 大石由梨香 Full Moon Nude Tokyo」@渋谷JZBrat
サポート:鉄井孝司(b)abbey(ds) Guest:和田'K'三(sax)
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ついに来た、玉城ちはる姐と大石由梨香さまのJZBratライブの日が。
あのおしゃれで大きな箱でも、2人がそろえば怖いものなし。素晴らしき体験になることは始まる前から間違いなしと確信。渋谷駅からセルリアンタワーへの坂道を、うきうきしながら足取り軽く登っていく。
JZBratに行くのもすごく久しぶり。2年ほど前にEMILYの東京ラストワンマンに行って以来か。あれも涙が出る感動的なライブだった。あのときの「花」は、一生忘れられないかもしれない。
そして今夜も、そんな忘れられないライブになるんだろうな、と思いつつ入り口へ。扉の手前の壁には、二人の名前が海外のライブハウスのように掲示されていて、期待感を高める。
中に入れば、そこは天井の高い、ニューヨークスタイルのお洒落で落ち着きのあるライブレストラン。最奥のステージから扇状に座席が広がっていく。
席には段差があり、どの席からもステージがよく見渡せる作り。最前列は一人席がずらりと並び、その後方や一段上がったエリアに2人、3人がけ席が広がる。そして、さらにもう一段上がった外縁にはボックス席や立ち見席、VIPルームも。右手には7人は座れるバーカウンターも。
今夜のスペシャルメニュー「Full Moon Plate」は、店の都合で用意できなくなったそうで残念だったが、Free Drink Set(飲み放題!)とピザやオリーブなどを頼み、開演まで楽しいひと時に。飲み放題は3杯飲めば元が取れる価格。しっかりビールで乾杯し、その後ワインを5杯飲んだからこれは、お得であった(笑)ほろ酔い加減になったころ、いよいよライブが始まった。
会場の照明が落とされると、さっそうと麗しい由梨香さまがステージへ。湧き上がった拍手が静まるのを待って、上げた右手をひらりと舞わし、ジャジーなグランドピアノの音色を鳴り響か始める。歓談する声、触れ合う食器やグラスの乱雑な音でざわついていたJZBratの広い空間は、夜のとばりが突然おりたかのように静まり返る。
そこに、白のラグジュアリーな衣装に身を包んだ玉城ちはるがすっと登場。再び大きな拍手が、今度は彼女を迎える。客の多くが、玉城ちはるがどんな人間か十分に知っているからだろう。その拍手は暖かく、始まる前から期待と興奮に満ちていた。
始まったライブは………期待に違わぬ、記憶に残るだろう素晴らしい一夜となった。
まずはフルムーンヌードのジングル。といっても、軽く短いのではなく(それじゃジングルではないか)、パッショナブルでムーディー。由梨香さまのピアノと玉城姐のボーカルが絡み合う。ここJZBratで始まるshowのこれからを暗示し、情熱的に熱い。
そのまま玉城ちはるのステージへ。流れ出したイントロは「好きだよ」だ
いきなり最近お気に入りの1曲で始まり、テンション上がる
曲調はミドルバラードで、アゲアゲではないが、何度も何度も繰り返す「好きだよ」のフレーズ一つひとつに、玉城ちはるの心からの想いが詰め込まれていて、どの「好きだよ」一つとっても特定の誰かを思い浮かべることなく歌ってないと分かる。そう確信させる彼女の本気がすごい。
勿論、歌唱力の支えがあってこそなのだが、その上で「好きだよ、好きだよ~」と歌うたびにお客さん一人ひとりにひたっと視線を向け、その瞬間に目で会話を成立させていくのだ。
「今日は遠くからありがとう、好きだよ」「久し振りに会えたね、好きだよ」「一緒に楽しい夜にしようね、好きだよ」「こないだのお祝いの言葉ありがとう、好きだよ」………言外に彼女が込めた想いが、言葉が、聞こえてくる。
しかも、彼女は驚異的にほとんどのお客さんの名前と顔、性格まで分かっている。だから、人それぞれ違う言葉を投げかけていける(ように映る)。自分をよく解っている人がここにいる、目で会話してしまった瞬間からそれは確信になり、単なるファンを超え、みな彼女の友に、恋人に、仲間に、子になってしまう。
彼女はノックする事なく、するりと心の扉を開けて上がり込む。その心はフルヌードで、全開オープン!
その器はスケールが大きく、力強く、母性さえ感じさせる。玉城ちはるの声が、眼差しが、「好きだよ」を通じ、会場の隅々へと響き渡っていくと、玉城ちはるの愛に空間が包まれていくかのようだ。(好きだよPVはこちら
http://youtu.be/SJLEEBVyhqA )
続いて出し惜しむことなく「風になれば」。ここぞというライブで最後に歌うことの多いこの曲を2曲目にもってくるとは。ああ、もうこの2曲をJZBratで聞けただけでも幸せ!しかし、まだ2時間は続く今夜のステージ。これからどれだけの展開があるのか想像するだけで興奮する。
大地と大空の間を吹きぬけていく風を感じる。その風にのって、遠くのあの人のもとに飛んでいく自分をイメージできる。その情景表現力がすばらしい。
力強いのは歌声と眼差しだけではない。彼女の場合、さらにもう一つ、「手話」がある。歌いながら、歌詞を、大きく踊るように手話でも表現する。風にそよぐ手、好きだよと相手をさす手、愛してると左甲をさする手。手話の形は象形的であり、その動きからも意味が伝わってくる。声と目と手話、その3重の表現手段を全身で駆使しながら、裸になって、ひとりひとりにぶつかっていく。
これまで見た玉城ちはるライブで最も印象深いのは、2年前、彼女の30歳のバースデーライブ「Nudity~女30裸になる~」@表参道FABだ。その時のテーマもNudity。昔も今もそのスタイルは変わらず、いつでも心を裸に、誰にでも真正面からぶつかっていく。それができる人は多くない。それができるから、玉城ちはるのライブはピュアな気持ちになって涙を流せる。
MCで、彼女がこれまで主催として尽力してきた平和イベント「each feeling」について語る~~~毎年開催してきた広島でのイベントとは別に、東京でもハセガワミヤコ姉さんと入倉リョウ氏、菅大祐氏の3人とともに音楽を通じて平和を考え、幸せを探る活動をしてきた。そのなかで掲げたテーマ「生きるとは」を歌にしよう、それは明るい曲にしようと、生まれた曲があります~~~そう話して、歌った「ひだまり」。この曲こそ、いよいよ5月23日に迫っている新アルバムのタイトル曲だ。
その優しく明るい「ひだまり」を歌ったところで(新アルバム、楽しみ~)、ベースの鉄井氏を呼び込む。そして、演奏が一気にジャジーな雰囲気に。始まった曲は「あの喫茶店」だ。
昨夜、NextSundayでのライブ後に夜の阿佐ヶ谷をさ迷った。そこで、まさにこの歌に出てきそうな喫茶店を何店か見つけ、鼻歌でずっと歌っていたばかり。このフォークな曲を聞きたいと思っていたところだった。
ところがジャズアレンジの「あの喫茶店」、歌詞では
阿佐ヶ谷の喫茶店で~
と歌っているのに、おしゃれ過ぎて、青山のカフェの歌としか思えぬのり。格好良いのだが、今夜のライブで唯一、納得いかなかったアレンジだな(笑)
しかし、同様のアレンジで歌いだした「You Me」は、これはポップなオリジナルより気に入った。この曲を始めて歌ったのは、彼女の幼馴染で大親友のユミちゃんの結婚式の日だった。その日は表参道FABでシリーズでやっていた「Flower Voices」という女性シンガーイベントがあり、ホスト役だった玉城ちはるは休んで広島に行く事ができなかった。東京のステージから、遠く広島で挙式を上げた彼女のために初披露した「You Me」は軽やかで、愛にあふれていた。
そして多分、今夜、JZBratに彼女たちが来ていたのではないだろうか。そのユミちゃんへの想いを込めていたのだろう、ジャジーな曲調にも、玉城ちはるの強い友情があふれていた。
この後も順次書き足していくので、取り敢えずここまでで上げちゃおう(笑)
とにかくセットリストはこんな感じ↓ 一番涙したのは、由梨香姫がこの夜のために作った「SOL」、そして終盤のセッションは興奮の盛り上がりだった。愛に溢れた、人と人のつながりが濃厚に迫ってくる、素晴らしい体験の場となった。
【セットリスト】
《玉城ちはる(vo) supported by 大石由梨香(pf&vo)》
0)Full Moon Jingle
1)好きだよ
2)風になれば
3)ひとりごと
4)ひだまり
《supported also by 鉄井孝司(ba)》
5)あの喫茶店
6)You Me
《大石由梨香(pf&vo) supported by 鉄井孝司(ba)、abbey(ds)》
1)黒猫とmoonlight
2)Slow Love
3)moon water
4)for you
5)resonance
6)like this
7)灼熱のblack cherry
8)SOL (玉城ちはるに贈る歌)
《玉城ちはる(vo)、大石由梨香(pf&vo)、鉄井孝司(ba)、abbey(ds)》
★love nestかと思いきや→surprise Happy Birthday Chiharu
(ちはる号泣、笑)
1)love nest (ここからsax 和田'K'三も一緒に)
2)blue belvet
3)前を向いて
en.>Full Moon Nude