まあ仕事とか同僚との飲み会とかない日は、ほぼ毎晩のようにライブを見て、その後、ほぼ必ず飲み歩いてるから当然か。睡眠不足も新陳代謝を悪くするというし。
といって控えるかというと、そこまで深刻に感じてないんだな。ほんと、刹那主義な生き方。無計画で無目的で、楽観過ぎで。ちょっとだけ反省。
その点、明確な目標を心に抱き、音楽に人生をかけている彼女たちの生き様はすがすがしい。単に熱意だけだとうっとうしいが、磨かれた才能の輝きを伴うとき、それは単なる石ころではなく宝石となる。その輝きに魅入られてしまう。自分にない輝きならなおさらだ。
今月1日にワンマンライブを見に行った大和田慧も、自らを磨き続け、宝石としの輝きを放ち始めた才能だ。
出会ったのは4、5年前。その当時、彼女はMint Julepという3人組バンドのボーカルをやっていて、その懐かしい薫り漂う華やかな風のような音楽に惹きつけられた。ややハスキーでエモーショナルな慧ちゃんの歌声と、心地よく踊る大関麻子ちゃんのピアノ、奥野君が紡ぎだすアコースティックギターのリズムーーその3つが交じり合い、生み出される上質な楽曲は心を開放してくれた。何も考えず、その音楽に浸り、踊りだしたかった。
残念なことにその後、彼女らはソロ活動が中心になり、慧ちゃんはニューヨークへ旅立った。彼女が追い求める音楽を探しにいたったのだ。そこで、多くのミュージシャンらと交わり、自らの音楽に磨きをかけ、NYテイストのおしゃれでジャジーな大人のシンガーとして帰ってきた。
といってもNY滞在は短期だったが、彼女はその後も度々訪れている。NYを第2の故郷として、世界のシーンの中心でどっぷりワールドクラスの音楽につかり、自らの幅を広げてきた。その成果を存分に吐き出したのが、1日のワンマンだった。
ギター、ベース、キーボード、ドラムのサポートに、ゲストボーカリストも迎え、ジャズやゴスペル、カントリーなど幅広いジャンルの楽曲を歌い継いで行く。
見ていて思った。「自由だ

そう、それこそがNYだ。ロックだ、フォークだ、クラシックだ、とわざわざ音楽を小さい領域に閉じ込める必要なんてない。どんな音楽だって、素晴らしいものは素晴らしい。感動的なものは、感動する。こだわらず、クロスオーバーして、最高を楽しめばいいのだ。
それこそ僕の信条。それが僕の音楽の楽しみ方なんだ。で、大和田慧ちゃんは同じ臭いがする気がするんだ。だから好き

音楽は果てしない。彼女にはどこまでも、どこまでも突き進んでいって欲しいな。
さーて、今月は他にどんな音楽と出会ったのだろうか。カレンダーを見てみよう。いつもは書かない演劇やショーもついでに記そうかな。



1日(金)大和田慧ワンマン@中目黒・楽屋
2日(土)“郁彩presents「Diamond Eyes」”@赤坂 Graffiti
斉藤麻里、郁彩



“坂本麗衣レコ発記念ワンマンライブ「ロードムービー第13章~Jump!~」”@赤坂 Graffiti
4日(月)『やもまり47都道府県ツアーファイナル~おともだち何人できたかな!?~ツーマンライブ!』@渋谷 gee-ge
やもとなおこ、斉藤麻里
6日(水)MIDWEEK BURLESQUE vol.4 -Exotic Sensation!-@渋谷 7th floor
Miwa Rock、Bee TinyTot、Lady n@n@、無花果姉妹、Violet Eva (紫ベビードール)、KELLITA (from San Francisco)
9日(土)劇団江戸間十畳「明日は天気になる」@中目黒 Woody Theatre
11日(月)MEG-mi-TSUI、あべさとえツーマン@赤坂 Graffiti
12日(火)Girl's UP!!! vol.117@渋谷eggan
Avaivartika、Sheepdom、MAYU、ストロボサイダー、桐嶋ノドカ、平林純
14日(木)KOBUDO-古武道-~尺八・チェロ・ピアノコンサートOTOTABI-音旅-」ツアー@初台オペラシティコンサートホール
15日(金)坂本麗衣、吉井菜穂@西新宿 navicafe
17日(日)『円山町寄席~タンゴ☆テンスアニバーサリーファイナル!古今亭タンゴアカ@渋谷 7th floor
紫ベビードール、歌劇団タンゴアカシアーノ、イーガルとロアゾーナイフ、THE SOUL BONECLUB、古今亭駿菊
19日(火)東放学園Presents 6 days~毎日が日曜日~ @下北沢 GARDEN
たをやめオルケスタ、どぶろっく、ワクワクさん
22日(金)Sherry...presents「風船唐綿の実 Vol.12~Statice Release Party~」@渋谷eggman
Sherry...、Miyu Miyu、甲殻類、まり子
24日(日)The CASH@高円寺 Moon Stomp
25日(月)神山みさワンマン@西荻窪アートリオン
26日(火)" surround around "@渋谷eggman
LADY,THE BITCH、Big Mouth Choir、Suzu、デイドリームビリーバー
27日(水)「きらきらしたもの」@吉祥寺 Start Pine's Cafe
ヒグチアイ、カヨコ、ツルギ、藤田悠治、OAコレサワ×ひぐちけい
28日(木)SCHOOLamble by AWS@渋谷 eggman
Avaivartika、Shilpen、ストロボサイダー、HAPPY TAIL、RUNAWAY、PUSH



ファンファーレが聴こえたらVol.4@渋谷 Aube
キョロザワールド / ZENMAI / The Hand Claps / 鈴木理一郎 / Smile Brooks / キョロ沢理一郎
29日(金)渋谷めぐみ、安本美緒@西新宿 navicafe



音楽をクロスオーバーして自由に楽しむって先に書いたが、今月見たアーティストの中でそれを地でいく突出した傑物が一人いる。
物凄い音楽的な才能の持ち主だあり、その境界なき無茶苦茶なふり幅で想像をはるかに超えるステージで毎回魅せてくれる。それは「イーガル」だ。
元々の彼は、日本有数の現代音楽のコンポーザーであり、優れたピアニストだ。だが、それにこれっぽっちも留まらず、宴会芸のようなソロの歌手・ピアノ芸活動(笑)から、熟女シンガーたちのシャンソンや歌謡曲のサポート、若い女性アーティストたちへの楽曲提供と自らも踊る競演、大道芸とのコラボ、ダンスやクラシックの音楽監督・演奏、モデルや役者も努め……
もはや、彼が何者か定義することは不可能。そのマルチな才能と愛嬌溢れる性格は、老若男女から愛されずにいられない(笑)
17日のライブでは、「イーガルとロワゾーナイフ」というグループで出演。その内容は、うーん、説明するのは難しいが大爆笑あり、心奪われる楽曲あり、知的興奮ありと、これぞオリジナリティ!他の誰もこんなステージはできないよ。
そして、この円山寄席は毎回、とてつもない個性派が結集するイベントで、とにかく楽しい。他では絶対見られないユニークなステージが次々と繰り広げられる。
例えば「歌劇団タンゴアカシアーノ」。この歌劇団を率いる立川亮の作り出す異世界は、いやはや。芝居と音楽のクロスオーバー、狂気とコメディと愛憎、面白いよ~。
この日はさらにさらに、あの「愛」をテーマに踊る、ポップでキッチュなバーレスクパフォーマンス集団「紫ベビードール」も登場。いやー、gee-geのあのアコースティックなステージが、まさにナイトクラブの舞台に。もちろんお色気たっぷり、激しくセクシーなダンスショウは必見だよ。格好いい!
どんだけ濃いイベントなんだ(笑)さすがビバちゃん

ちなみに毎月第1水曜日に、渋谷7th floorで21時から催される「MIDWEEK BURLESQUE」は、紫ベビードールのリーダー、EVAさんが主催するイベント。日本を代表するバーレスクダンサーたちがこぞって出演し、そのパフォーマンスを競う。見目麗しい妖艶な踊り子たちに、クラクラしちゃう。大人の夜を怪しく妖しく演出してくれるよ。
そうそう別の日にも書いたが、自分が新たに大注目したグループが、ゴスペルダンス集団「Big Mouth Choir」だ。そのステージ、とにかく楽しいよ~

もともと自分も教会の聖歌隊やってたこともあって、ゴスペルは大好きな音楽ジャンル。卓抜した歌唱力が求められるだけに、トップゴスペルシンガーの歌には、いつも心を奪われる。さらに幼い頃から沢山見させて頂いたミュージカルは、マイソウルエンタテイメント(そんな言葉あったかな?)この2つを融合させたのがBIG MOUTH CHOIRだ。
メンバーは沢山いて、ライブごとに8人ぐらいが選ばれているようなのだけど、それだけにその歌唱力は折り紙つき。そして女性メンバーはKARAのようにかわいく、男性メンバーはEXILEのように野生的。それがストーリー性のあるダンスをハゲシク歌い踊る。そのエンタテイナーぶりは新しくて、ワクワクする。
客席には彼らの出身教会のシスターたちもいたりして、日本では珍しい音楽空間を作り出している。26日に、わがLADY,THE BITCHの対バンで出演し、思いっきり楽しませてくれた。それにしてもマグダラのマリアのようなグループ名のLTBと、敬虔なBMCが共演させた渋谷eggman。面白いブッキングにニヤニヤしちゃいましたよ。ナーイス

今月はほかにも一言触れたいライブ、色々あったんだよなー。
19日のたをやめオルケスタと共演した2組がまた面白かった。あの浅井企画で鉄平さんの後輩でカン違い男の歌ネタで注目の「どぶろっく」。さらに、NHK教育テレビ「つくってあそぼ」のわくわくさん=久保田雅人だからねー。黒い番組裏話から、工作の伝道師直伝のつくりもの教室まで、ワクワクさせて頂きました。
今月は「やもまり」のツアーファイナルも。日本全国47都道府県を怒涛のようなスケジュールですべて歌い倒して、ついに帰ってきた彼女たち。これだけの体験すると、もう少々の事でくじけるkとない鋼のような強さを身についたのでは。一段と逞しくなった彼女たちのステージは、みていて頼もしく、その磨かれた盛り上げ方も素直に楽しめて、力つけたなあと思った。
斉藤麻里とやもとなおこ。心から尊敬し、これから益々応援していきたいね。
追記するなら、その斉藤麻里にまっこうから2日にツーマンを挑んだ郁彩。成長したよねー。類まれなる歌唱力と意思のこもった声。いいシンガーソングライターだよ。
そりゃあ、麻里ちゃんの方が何枚も役者は上だけど、それをわかっていながら対マンを挑む若手女性シンガーはそうはいない。その意気やよし

麻里ちゃんも、若手からの突き上げを受けて立つ責任を感じていて、その立場を楽しんでたね。郁彩は相変わらず、先輩を先輩と思わぬようなすごい事ズバズバ言って、周囲を驚かせていたが(笑)
郁彩はまだ心が定まってないようで、その危うさは今の彼女らしくて魅力でもある。ただこの先、音楽一筋に打ち込めるか迷いを断ち切る必要がいずれ来るのだろうな。いずれにしろ、彼女が将来楽しみな逸材であると、この日のツーマンを見に来たお客さんの多くが思ってることは間違いない。期待してるよー。