2012/7/9 Rihwa 祝デビュー&Blue Trike 変身 @渋谷duo | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

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「Way of life」@渋谷duo Music Exchange
出演:O.A 大泉もと → LOOP CHILD → Rihwa → Blue Trike
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ちょいと時間が空いたので、すごーく久しぶりにアメブロを書くことにした。昨夜のライブに感動した事も怠惰な自分を突き動かした。見たのはRihwaとBlue Trikeの2組。まずはRihwaだ。

まずはついに明日、7月11日(水)、札幌出身のシンガーソングライター「Rihwa」がメジャーデビューだ!!! デビューシングル『CHANGE』が発売だー。おめでとう!!!!

デビュー直前の彼女がduo Music Exchangeに出るとあれば、これは見に行くしかないでしょう。

初めて彼女をライブで見たのは、ミニアルバム『Private #1』を出したばかりの頃で、2010年の夏ごろ。ちょうど2年前になる。初めて聞いた瞬間から、彼女はビビッときた。女性インディーズアーティストは沢山見てきたが、彼女ほど直球ストライクに響いてきたアーティストはかつてあまりいない。

僕は青春時代を70~80年代のアメリカンポップやフォークのど真ん中で過ごしたから、Carol King、Carpenters、Dionne Worwickなどから、Cyndi LauperやMadonna辺りまでどっぷり聞いて育った。そういう音楽は、もはや自分のルーツであり、血肉なのだ。

それだけに、このアメリカンミュージックの血脈を、ありありと受け継ぐパワフルな女性シンガーには目がない。Rihwaは、まさにその系譜を受け継ぐ正統派アーティストだった。和製シェリル・クロウかどうかは「う~ん」だけれど、「札幌発 カナダ経由」という看板に偽りなしだ(笑)

この時、特にガツーンときたのが「My Way」という曲。「My Way」といったら知らぬものはいない、Frank Sinatraによる20世紀最大のヒット曲。そんなことはカナダで高校時代を過ごしたRihwaが知らぬはずはなかろうが、そのタイトルにぶつけて、自分なりの「My Way」という作品を作った意気やよしだ。さらに、そのポップでアメリカンなメロディラインにのせて、堂々と小気味よいほどよく通るガーリーだが力強い声で歌い上げたこの曲が、ものすごく格好良かったのだ。

さびで、音譜My Birthday was Yesterday音譜と挟むところがまた、キャッチーなのだ。

そして彼女がとっても大切にしているバラード「ミリオンズ」。そこに込めた彼女の気持ちが、ストレートに伝わってきて、感動してしまった。当時、まだ19歳で髪をお団子にして頭の上にのっけているちっちゃな小娘がやるな~と嬉しくてしょうがなかった。それからずっと僕のお気に入りアーティストの一人であり続けている。


デビュー2日前となったこの日のライブでも、その弾けるような元気さと明るさは、初めて見た時とまったく同じ。彼女を見ているだけで、釣り込まれてこちらも笑顔になってしまう。笑顔の伝染力の強力さは、メジャーアーティストとしてのかけがえのない才能だと思う。

ただ、大きく違ったのは、もうお団子頭の小娘ではなかったという事(笑)

胸下ぐらいまで伸びたボリュームたっぷりの髪を緩やかにウエーブさせて、髪の間からチャーミングな小顔と夢と希望に満ちた目をキラキラさせて歌う姿は、立派なメジャーアーティストの風格を漂わせていた。

duoの大きなステージで、彼女はその歌ですばらしいグルーヴを作り、会場全体を動かしていた。申し訳ないが、バリバリのロックバンドだったLOOPCHILDより、バンドを従えていたとはいえ、Rihwaの歌ははるかにロックで、力強くお客さんも会場も揺さぶっていたと思う。

中でも音譜一番星~音譜と始まる、2曲目に歌った「なぞれ」が個人的には一番良かった。彼女の腰の入った声がびしっと響き、その潜在能力の高さを十分に見せ付けた。

続いて歌った「ミリオンズ」は逆に彼女の青さ(笑)が出ていて、まだ21歳なんだなあと実感。曲の構成も歌詞もね。この曲こそ彼女のルーツなのだ。ここまで基本的にアコースティックギター1本の弾き語りでやってきた彼女らしく、この曲だけはこのduoでもアコースティック編成な演奏だった。

これからも、折々、この曲に立ち返ることもあるだろう。だが、それは彼女の稚拙な歌い手としての最初の一歩であって、そう度々戻っていてはいけないのかなとも思う。これからはプロなのだ。だからこそ、この曲をこの日のセットリスト5曲の3番手に置いたのではないか。

4曲目は「可愛いお願い」。『Private#3』にこの曲を入れてきた時、それまでの彼女の路線から少し変化して、万人受けを狙ってきたなあと感じたものだ。ぐいぐい力で押してばかりいた彼女が、少し引いて、メジャーを意識したポップな曲に仕上げていたのだ。

確か渋谷gee-geでちょうど1年ぐらい前に初めて聞いたとき、Rihwaはメジャーにいくと確信した1曲だ。そして案の定、あの辺りから彼女の周辺に変化があった様子だった。

そして、この日の最後にもってきたのが、当然、デビュー曲となる「CHANGE」。「可愛いお願い」路線であり、そこにRihwaならではの高音域の強くキャッチーなサビを入れた良い曲。元気いっぱいに楽しげに、彼女がこの曲を歌い上げていく姿は魅力たっぷりだった。

さて、この「CHANGE」、デビュー曲としてのインパクトはどうなるかな? 王道なポップで魅力があり、僕は好きだけど、例えば家入レオの「サブリナ」のような単純明白な目力と印象や、小南泰葉の「嘘憑きとサルヴァドーレ」のような妖しい衝撃、ちょっと前では阿部真央の「ふりぃ」の圧倒的なパワーに比べると、やや普通過ぎるかなと思わないでもない。

その阿部真央もメジャーになったら、なーんか丸くなり、あの刺々しい爆発力が影を潜めているのが残念でならない。Rihwaには、そうなって欲しくないのだがなあ。万人受けを狙うメジャーの商業主義ってやつは良し悪しだ。

そして、メジャーアーティストとしてのRihwaの最大のライバルは、実はmiwaだと最初に見た時からずっと思っている。同じような明るい元気なアメリカンなポップでギター弾き語りだしね。で、僕の好みでは、miwaよりRihwaの方がいいんじゃないかな、と。あくまでも僕の好みで、すでに全国のアリーナを満杯にするmiwaの方が大先輩であり地力もついているだろう。

でも、そんなmiwaのファンをガツーンと奪って、華々しく活躍して欲しいと思ってる。miwaのツアーサポートをした乃菜ちゃんや、生ちゃん、Ruyくんらには申し訳ありませんが(笑)でも、7月14日はばっちり、渋谷O-EASTにAvaivartikaの応援に行くので許してねw

いずれにしろ、Rihwaがこれから大成するもしないも、リファと事務所やTOY'S FACTRY次第。頑張れよ~。応援しているから。取り敢えず、明日はタワレコにCD買いにいこう。全国レコード店でのインストアライブツアーの起点となる7月12日のタワレコ秋葉原店には行けないのが残念だが。

   音譜    音譜     音譜

さて、そんなRihwaではなく、この日のライブのトリを飾ったのは、Blue Trikeだ。こちらも前から気に入っていたグループ。でも、この1年半ぐらいライブに行けてなかったので、どんな風になっているかワクワクと出番を待っていたら、驚愕してしまった(笑)

あまりにも、僕が知っているブルトラと違ったのだ。

ライブが始まっても、暫く、これは本当にBlueTrikeなのだろうか、との疑問が頭の中をぐるぐる。前に聞いたとき、彼らは3人組で、アコースティックで、メインボーカルの女性はキーボードを弾いていた。それが今夜、ギター・ベース・ドラムの3人を従えて、えっらくぷりぷりっとした赤い伊達めがねをかけたアバンギャルドな女性ボーカルが、ステージ狭しと動き回り、ハンドマイクでノリノリにハイトーンボイスで歌っているのだ。

ライブの後に物販で話してようやく分かったが、昨年後半にメンバーが一人脱退し、ボーカルのMary(前はMarikoだった記憶が…)とギターのKiyohitoの二人組みで再出発したとのこと。そこで、よりファンキー?で弾けた方向に舵を切ったらしい。

いやー、びっくりした。

もう、本当に弾けていて、楽しいことこのうえなしのステージ。しかも、こちらもアメリカンPOP! いにしえのw日本のゴーパンズと、アメリカのBanglesを思い出した。

しかも、ちょっぴり大人の,可愛らしい女性ならではのお洒落なPOPさ! いつまでも聞いていたくなる心地よさ。元気がない時に聞きたいアーティストNO.1にでもしたいような、ウキウキ感!!

ウヒョー、と一緒に踊りだしたくなる。絶対、スタンディングライブで聞いたら楽しいぜ。

そんな気分にしてくれるのも、しっかり洗練されたメロディと歌詞がベースにある。クオリティが高い、本当にグッドミュージックなのだ。

Maryの高く優しい歌声が、耳にこびりついて離れない。かつて知っていたアーティストを再発見する幸せ。これから、足繁くブルトラのライブには通いたくなる。

ああ、今夜は楽しいライブだった。

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