2012/1/12 Avaivartika、斉藤麻里、Claddagh Ring@渋谷O- | 音楽偏遊

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CANDY TRiP presents「☆Tokyo Funky Nigth☆Vo.1」@渋谷O-crest
出演:O.A.かおり(CANDY TRiP)&Yu-ri(Claddagh Ring) →Avaivartika →JOVO →Claddagh Ring →Glowlamp →CANDY TRiP
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今夜はCANDY TRiPのボーカル、かおりのバースデー。それに合わせた彼女たちの企画ライブだ。昨年のハロウィーンパーティーの組み合わせにも似ているところから推察するに、きっと事務所が同じとかのつながりがあるのだろう。

そこに、事務所にも属せず、まだ完全にインディーズ状態のAvaivartikaが呼ばれているのは、人的つながりというやつか。いずれにしろ、今夜は2012年のAvaivartikaの歌い初め。今年もきっと沢山見にいくだろう彼らの始動を、この目で見たくて渋谷O-Crestへひぃひぃ言いながら階段を昇る。5階まで階段のみって、どうにかして欲しいが(笑)

今夜のクレストはオールスタンディング。三々五々に客が集まり、オープニングの頃にはかなり埋まる。その中でOAで登場したのは今夜が誕生日で主役といえるCANDY TRiPのかおり&Claddagh Ringのいけいけボーカル、yu-riだ。

まずは2人でプリンセスプリンセスの「M」をアコギサポートでじっくりと。その後はそれぞれのバンドの持ち歌を1曲ずつ、今度はそれぞれのツインキーボードで演奏した。演奏っていってもね、2人ともハンドマイクで熱唱するボーカルだから、楽器はあれなんですが(笑)両バンドのファン達にはレアな光景が大いに受けてたが。


さあ、そしてトップバッターがAvaivartikaだ!

新年初ライブは、いまやバンドのトレードマークとなった銀ギラステージ衣装で登場。磨きがかかってきたその息のあった演奏は、会場をバンドサウンドのうねる様な音の波に包み込む。単なる8ビートのロックではない。



ギターの生本直毅の切れ味鋭いエレキがごりごりと頭の中に入り込み、UJのシンセサウンドが振幅をさらに拡大し、何も考えられなくなっていく。腹の底を突きあげるような榎本敦のベースに体が勝手にビートを刻みはじめ、Ruy君のドラムに思わず弾んでしまう。しかし、それは縦ノリではない。高い演奏技術と独特の世界観で彩られるその音楽は、ぐわんぐわんと揺れジェット機で無重力空間をローリングしているような感覚だ。Avaivartikaはただものじゃないぜ。

そこにクールながら激しさを秘めた宇治田愛のボーカルが迸る。ノリよりメロディアスに、しっかり歌詞を届けてくる。それでいて熱い。この後に登場した他のバンドの女性ボーカルのようにイケイケではないが、体の底から興奮してくる。深い部分に響いてくるのだ。彼女の世界を遠くから挑むように見据える視線にゾクゾクする。一転して、MCでみせる人懐こい笑顔がチャーミングで、その落差もいい。

いわゆるロックバンドが、のりのりのビートと激しい煽りで、お客さんのテンションをぐいぐい引き上げ、一連の流れで燃焼させるのに対し、Avaivartikaは1曲ごとの完成度の高さを徹底的に追及している。そうして練り上げられた各曲の世界観に、ぐいぐいと惹かれる。

1)Alive
2)イブリース
3)Gradation
4)NS
5)止まない拍手のRaining

ライブ回数が多くないから、なかなか聞くチャンスがない人も多いだろうが、絶対おススメ。USTREAMの中継番組やってるので、こちらで是非チェックを。前回の番組ログはまだ見られると思うのでどうぞ(いつまで見れるかは不明)Avaivartika Studi LIVE


ステージ後にちょっと重要な電話をかけに外へ。丁度、そのタイミングで斉藤麻里がO-WESTに出演していたので、彼女のステージだけのぞきに行く。やはり、O-Westは広いなあ。こちらは着席なのだが、座席は閑散。ステージの天井は3階分はあり、その広い空間が少々寂しさを感じさせなくもない。

こちらは「道玄坂叙情詩」という企画の第55章。斉藤麻里のほかの出演者は、シギ、anoa、カワミツサヤカ、安東由美子ら。この顔ぶれでO-Westはちょっと大きすぎる箱ではある。それでも斉藤麻里の出番には彼女のファンが20人近くはいたようで、手拍子やコールで客席もそれなりににぎやか。

1)ダイブ
2)タイムカプセル
3)魔法のバンドエイド
4)メロディ
5)明日映画を見にいこう

メロディではお客さんに呼びかけ、サビを一緒に歌い、恒例のヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘーイ、ヘイという学園天国のコール&レスポンスも。麻里ちゃんは「小泉今日子のあの曲、みんな知ってますよね」と呼びかけていたが、我々世代としてはオリジナルのフィンガー5のほうが印象深いけどね(歳がばれる、笑)

サポートキーボードの村上通クンがまたおおげさな動作で、歌いながら弾いているのが面白い。今夜はカホンのガジャGもそうだが、2人とも縄文顔(笑)原始人たちを引き連れたジャングルの女王、斉藤麻里の姿を空想してしまい、笑ってしまった。

この2人にギターやベースを加えたフルバンドで、今度は1月26日に振替えワンマン@渋谷O-Crestにのぞむ。昨年9月に予定していたワンマンの当日夕方は、ピンポイントで台風が東京を直撃、東京中の電車が止まり、道玄坂では街路樹が倒れて道路を塞ぎ、とてもお客さんが集まれる状態ではなかったため、急きょ中止に。クレストの受け付けで涙を流していた彼女にとり、今回のリベンジワンマンは本当に力が入っている。とても楽しみだな。


O-Crestに戻ると、ちょうどJOVOが終わるところ。あちゃー、またJOVOを見逃した。彼女らが対バンで出ているライブに何度か行ったが、彼らの出番のところで何故か用事があって見逃してばかり。残念。

続いて登場したのは「Claddagh Ring」。昨年末に彼女たちのライブを初めて見て、結構気に入った。それだけに今夜のステージは楽しみにしていたのだ。3人組のガールズバンドだが、女性のギターとキーボードのサポートを得て、2012年は女5人組で活動していくという。それだけ、音の厚みとグルーヴが増して、いっそうパワーアップしてる。

そのCladdagh Ringの顔はやっぱり、ボーカルのYu-ri。ワイルドでパワフル。超ハイテンションで煽って煽って煽って、イケイケのあげあげで会場を盛り上げまくる。ルックスもシャープで運動能力高そうで、かっくいい!

そして、個人的には彼女にまして気に入ったのが、笑顔パワーさく裂のベースのマリーヌ。通常、ベースは地味めの存在だが、クラダではyu-riと並んでフロントの中心。ボーカルが上手の客を煽れば、マリーヌが下手へ。yu-riが後ろ向いて水を飲んでれば、マリーヌがすかさずお立ち台に上がって客席を笑顔で煽る。そのコンビぶりが絶妙!マリーヌにはほれてまいそうだ。

ちなみに斉藤麻里も一部で(かおりぃとか)にマリーヌと呼ばれているが、キャラが全然違うねー。Claddaghのマリーヌはステージの上で弾けている。興がのってっくると、ベースを頭の上に掲げるし、思いっきり「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ」と腕を高く突き上げるし、激しいぜ。やっぱロックは違うのです。

でもそれがまた、気持良い。思わずこちらも肩が外れんとばかりに、思いっきり腕を突き上げてしまう。クラダに続いたGlowlampも、トリのCANDY TRiPもガンガン煽るから、今夜は腕を突き上げ続けた。そのおかげか、肩コリが少し治った気が(笑)これから、どんどん腕を突き上げようかな。

Claddagh Ringの良いのは、ガールズロックバンドにありがちな、甘ったるさや勢いだけの元気さに頼ってないところか。それでいて女性的な魅力も十分あり、男性ハードロックのように叫んだりもしない。音楽的にはかなりメロディアスで、歌詞もしっかり伝わってくる。そのバランスが絶妙で、かなり魅力的だ。

個人的な好みでは、メンバー全員が女性のガールズロックバンドの中では1、2を争うかも。LAZYgunsBRISKYや、ぐるぐると並ぶなー。これに毛色は違うが、たおやめオーケスタや、ピストルバルブを加えた5グループが、今日現在の僕の5強ガールズバンドだな。女性ボーカルと広げれば、当然、宇治田愛のAvaivartikaも当選だけどね。


さて、トリ前に出てきたのがGlowlamp。この名前は絶対知っているとブッキングを見た時から思っていたのだが、ボーカルのrieが歌いだしてから思い出した。新横浜BELLSで対バンしてたのを確か見ていた。だが、その時のベルズは客が少なく、盛り上がりも今ひとつ。それほど印象に残らなかったのだが、今夜の盛り上がっているO-Crestでは、かなり良いパフォーマンスに。ライブって、アーティストだけで作るものではないのだと、つくづく実感した。

このバンドは、とても庶民的で親しみやすい。ちょっと見方を変えればダサいとも言えるのだが、そこが間口の広さにつながっている気がする。サウンドも、ボーカルのrieの親しみやすさも、新横浜や渋谷というより小岩や錦糸町といった空気を醸し出す。それだけにハマると楽しいこと、この上ない。

rieも、クラダのyu-riとタイプは違うが、小さい身体ながらエネルギッシュで躍動している。それにつられて、お客さんもノリノリだ。元気が出るバンドだね。


最後は誕生日のかおりが歌うCANDY TRiPだ。確かにキャンディのような甘さとPOPさがあるバンドで、それは彼女のアニメ声やキャラに負うところが大きい。だが、曲は普通にロックしていて、水樹奈々のような激しさもある。こういうのが好きな人は、きっと好きなのだろうな。

ロックバンドといっても、十人十色。いろいろあって面白いね。今夜の企画ライブは楽しめたよ。