今夜は女性ギター弾き語りばかり4組が競演するという楽しみな企画。宮崎ひとみ、ハネダアカリ、斉藤利菜、マリアの順に登場だ。
1番手の宮崎ひとみ。初めて見た。
すらっとかなり長身で、ルックスもいい20代後半くらいの女性シンガー。ギター弾き語りで、今夜はギターとパーカッションのサポートを従えて登場した。街で彼女がいたら、間違いなく振り向くレベル。歌も下手じゃない(まあ、感動生むレベルではなかったが)。むしろ、ボイトレ受けているようで発声も良い。ちょっと、驚く。だってHOMEだし、そのトップバッターだし(笑)
MCによると彼女はどうやら、この3月までメジャーで活躍していたという。調べたところ、2008年5月にエイベックスJ-moreからメジャーデビューしたLUXISという女性3人グループのリーダーで、夏瀬ひとみという名前だったようだ。LUXIS……全く聞いたことないなあ。そのグループは、3人とも身長170cm以上で、みんな格好良い!さすがエイベックス!
それが「大人の事情」(本人談、笑)で今年3月に解散。色々考えたが、やはり自分には音楽しかないと、ソロで活動を再開。まあよくあるパターン。今夜がその再出発の日だったようだ。
でも、そうしてソロになる元アイドルの中に本物の逸材がいたりする。元々、オーディションなど勝ち抜いてきた原石なのだから。さて彼女はどうか?
1)風を探して
2)Not in His Garden (洋楽カバー)
3)Stay Free
4)いとしのエリー (サザンカバー)
5)青い世界
まだオリジナル曲が少ないとのこと。ソロは、うーん、これからだね。いとしのエリーは、止めといた方が良かったかな。でも、可能性は大きそう。前向きで明るく、ひたむきに音楽やっていきそうな感じがいい。ガンバレ

2番手のハネダアカリはちょっと暗め。自分のタイプではない。歌詞の世界観が狭くて、共感できるところもない。うーん。取り敢えず休憩。
続いて3番手で登場したのが斉藤利菜。最近、彼女のライブよく見てるなあ。でも、本当に今の彼女の歌、良いんだよね~。
今夜もチューブトップにショートパンツ、ビーサンで登場。夏だね~!そのままの流れで1曲目は「サマータイム」。
セットリスト
1)サマータイム
2)
3)くじらぐも
4)君に会える
5)ハッピーデイズ
「くじらぐも」では、この夜始めて手拍子がわき起こる。お客さんをのせるグルーヴの作り方、上手くなったよね。彼女のMCで思い出したが、1年位前にこの同じイベント、このHOMEでマリアと斉藤利菜の対バンを見に来たんだったなあ。その時の斉藤利菜は、声が掠れていて、今に比べ印象薄かった。
それが、最新アルバムの楽曲は、どれも彼女の個性を上手く引き出してる。いいプロデューサーがついたのかな。歌がいいと、引き込まれる。
個人的には、前も書いたが、ラグビーボールと勝手に呼んでる「君に会える」がイチオシ。バラードで、掟破りに彼が死んでしまうが、ゴーストではないが、君を思えばまた会える、という王道の泣けるストーリー。またメロディラインも、耳に優しいヒット曲のよう。売れる曲のパターンだと分かっているのだが、やはりいい曲なので、聞き入ってしまう。いいんです、それを歌いこなせなければ所詮ダメ。斉藤利菜は自分のものにしてるから、感動できるのだ。
そしてオオトリは、待ってました、マリアの登場だ。
今夜は1人で、ギター弾き語り。その音は、切れ味はあるが優しい。彼女は1年ぐらい前から、明らかに舵を切って、それまでと違う方向性を打ち出して来た。その違いをまざまざと感じる。
セットリスト
1)終わらない夏
2)The Rose
3)Going My Way
4)Goodbye,Good Day
5)Deep into You
6)That Love
初めて彼女のライブを見たのは、メジャーデビューとなるシングル「GETAWAY」の発売前夜。予定外で飛び入り出演した渋谷DESEOでのライブだった。その時の彼女の売り出し方針は、イケイケなアップテンポな曲を格好良く歌う美人シンガー、だった。2枚目のシングルもすでにその路線で決定していた。
だから、その夜のライブでメインとなった楽曲は、アッパーナンバーだったのは致し方ない。でも自分が感動し、彼女に惚れた曲はバラード「終わらない夏」と「忘れたくなくて」だった。
どちらの曲も、ひた向きに涙をこらえている等身大の女の子の姿が描き出される。マリア自身がそこにいる。リアルな感触を伴って。実はこちらがマリアなのではと思った所以だ。「GETAWAY」は、そう意味で彼女が無理しているようで違和感があったが、彼女を応援したくなってライブ後に発売したシングル「Getaway」を2枚購入。特典ポストカードもまらったこと思い出した。
その「終わらない夏」からのライブ。じわっと感動する。MCでデビュー当時の自分は怖かったと言われたという話をしていたが、実際、DESEOライブの時は恐かった。というか、私に馴れ馴れしくすんなよ、みたいなオーラを出していたから、話ずらかった。
しばらくはそんな感じだったが、いつからだろうか。1年位前のここHOMEでのライブぐらいからか、彼女の笑顔に親しみを感じるようになった。昨年後半にあった渋谷SONGLINESライブでは彼女に優しささえ感じたが、さらにその傾向が顕著だったのは今年のバレンタインデーライブ。そこでは、まるで菩薩か聖母のように慈愛をステージの上から発していた。きっと、これが彼女の持っている天性の魅力なのだと感動した。
彼女の方向転換を僕なりに表現すると、突っ張りガールから慈母路線への転換だ。そして、それはたまらなく魅力的で、彼女の持ち味を引き出す正しい選択だったと思う。こっちをベースにすることで、アッパーナンバーも生きてくる。今夜はまさにそんな感じのライブ。今だから振り返って、「デビュー当初に歌っていた曲を歌います」と演奏したGoing My Wayにも、味わい深さがあった。良いライブだった。
さあ、そして新曲だ。前から歌っていたTHAT LOVEがついに、彼女の7枚目のシングルとして明日22日に発売になる。その話はまた明日。