実のところ、今日は違うライブに行く予定で彼女のステージは見れないものと諦めてたのでした。ところが午後6時に「10分押してます」と彼女が呟いたのを見て、あれっ?と。彼女のブログをよく見たら、開演18時でトップバッターと書いてある。そんなに早かったのか。僕が見る予定だった渋谷めぐみの出演時間は1930。同じ渋谷。ま、間に合う!?
ヒグチアイのステージまであと6、7分。慌てて東急ハンズ近くから宇田川町を突っ切り、丸山町の坂を登る。そして、よりによって五階まで階段を上がらなければならない渋谷O-crestへ、疾風のように駆け上がった(大げさw)。ハァハァいいながら18:09に会場へ滑り込みセーフ。疲れた~。
この日は尚美ミュージックカレッジのイベントだったようで、女子学生がうじゃうじゃ。いいね。ライブでゼロからこれだけの客を集めるのは大変。時間のある学生を味方につけられたら、どれだけライブする際の心配が減ることか。
で、ヒグチアイのライブだ。同世代の多数の女子を前に、少し力が入ったか。女子たちはみな静かに聞いていて、横から見ていても反応が読めない。同性の、しかもパワフルボイスなキーボード弾き語り。しかも分かりやすく煽って、のせたりしない。客として、どう反応して良いか戸惑ってたのかもしれない。
アイちゃんも少し歌いにくそう。いつも客席は男が多いからね(笑)でも2曲目に「ココロジェリーフィッシュ」、3曲目に「さよなら愛しき人」を歌いながら徐々にテンションを上げてきた。ラストの「永遠のウォーカー」は、最近聞いた中でも、特に力の入った熱唱。それでいて強弱メリハリが効いていて、ドラマチックだった。
彼女の演奏後の学生たちのざわつきが、与えたインパクトの大きさを語ってる。まあ、彼女たちの中からファンになってくれる人が1人でも多ければ良いのだが。
さて、挨拶もそこそこに苦労して昇ったクレストを後にして、向かったのは宇田川町のJ-POP CAFEだ。こちらは七階だがエレベーターがあるので苦もなくたどり着く。
お店の企画なのか、この日は「ウタガワエトセトラ」というイベントの第一回目。出演は順に渋谷めぐみ、yuyu、潮崎ひろの、岡田淳。不思議な組合わせ、女性という以外に共通点があまりない。ほのぼのでひろのちゃんとYuyuが近く、かわいらしいが、どっしり歌うところはひろのちゃんや岡田淳は近いか。しかし、渋谷めぐみだけ異質だなあ(笑)
でも、プラネタリウムのような半球型の天井は素晴らしい音響効果で、きれいな音を会場全体に降り注いでくれた。
一番手に登場した渋谷めぐみもその恩恵を大きく受けた一人か。ラストの岡田淳のようなギター弾き語りなら、全て自分次第なのでそれほど会場による差が大きくないかと思うが、キーボードやアコギなどのサポートで歌う渋谷めぐみには、守り立てる音が重要。音響やPAが悪いと、演奏と声がバラバラになり、ノリが悪くなる。
その点、今日は息の合ったヨッシーのキーボードと高田さんのアコギの抑揚が素晴らしく、歌うにつれて、彼女の歌のグルーヴがどんどん増していく。伴奏と彼女の艶があって力強いボーカルが絡み合い、溶け合い、最近のアコースティックなステージでは最も良い音を紡ぎだしていた。
セットリスト
1)秘密
2)隠し事
3)会いたい
4)東京
5)ユメオチ
秘密の出だしから、ほぼアカペラのようにAメロ歌って期待感を高めてから、バーンと伴奏を入れるアレンジがはまる。やや抑えめに歌い、2曲目の「隠し事」はジャジーに大人の色気とやるせなさを見事に描く。「会いたい」で切ないかわいい女心を切々と訴えて、ドカーンと「東京」でテンポアップ。盛り上がってきたところで、代表曲の「ユメオチ」で大人のムーディーで濃密な夜の空気を醸し出した。
ステージングやMCは相変わらずだが、今夜はいいライブだった。
実はこの日、ライブ後にもう一つサプライズがあった。それは僕が敬愛するロックな女性ボーカリスト2人の共宴が、渋谷某所で深夜実現したのを目撃したのだ。といっても共演ではなく「宴」で(笑)、しかも「共」ていえるか微妙だが。
その2人とは、渋谷めぐみとAvaivartika(元BlueBlue)の宇治田愛だ。愛ちゃんの方は分からなかっただろうけど

時計の針が12時を周り、僕は誕生日を迎えたが、その瞬間を渋谷めぐみとその一党(笑)と迎えられたのもハッピーだったが、誕生日に最初に(しかも、僅か数分後に)会ったのが愛ちゃんとは、この一年が良い年になりそうな予感がぷんぷん。楽しみだ。
そして、いつの日か渋谷めぐみとAvaivartikaの対バン、共演が実現することを祈ってやまない。心から期待しているよ。