10/12/30 見田村千晴 野村太郎 LoveLoveLove@天窓 | 音楽偏遊

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

音楽偏遊の2010年ライブ巡り、寅年の棹尾を飾るのはやはりこの人、見田村千晴だ。今年も沢山の女性アーティストを見てきたが、女性シンガーソングライターの東京を中心にしたライブシーンにおける僕の主観的MVPは、彼女しかいない。

その成長、その実力、カリスマ、そして頑張り。タワーレコードの新人発掘コンテストで、多くの実力派バンドを向こうに回し、唯一のソロアーティストながら全国2位になり、来春のアルバム全国発売を勝ち取った実績。「ヨコロビ」はじめ多数の企画ライブでシーンを賑わせた貢献。素晴らしかったと思う。

勿論、数多あるコンテストやオーディションでは、日々沢山の女性アーティストが勝ち上がっている。2010年にメジャーデビューしたアーティストも多数いて、そっちの方がすごいとも言える。このブログでも峰香代子や森恵、cossami、hinacoなどのメジャーデビューを紹介した。ただ、メジャーになって逆にライブの本数が減ったり、活躍が目に見えずらくなることも多い。hinacoや和紗がドラマの主題歌でデビューして注目も浴びたが、ライブシーンでは目立っていない。

拝郷メイコの3DAYワンマンや、いいくぼさおりのトリプルワンマンなど、相当の集客力と音楽的蓄積、体力など総合的な実力を改めて証明したアーティストもいる。全国ツアーにも回り、大箱でも活躍してきた。菅田紗江が年100本以上のライブをこなしたとか、新アルバムが絶好調とか、色々評価できるアーティストも多い。勿論、メジャークラスではいくらでも上がいるのだが、そこは音楽偏遊の対象外とさせて頂くとだが。

さて、その見田村千晴で今年を締めくくるため、高田馬場・四谷天窓で開かれた「MURAHIRO カホン FESTIVAL 2010年大忘年会」へ。カホン奏者、村岡広司の主催イベント。カホンのレッスンあり、巨大な本格マリンバあり、楽しい企画でした。さらに5階のコンフォートでも、こちらもカホン奏者KAZU主催企画で、両イベントは行き来自由!合わせて楽しい一夜になりました。

スタートは3階の天窓で。超満員。女性ファン率高し。しかも、家族連れや中高年も。これは村岡広司ファンなのか、野村太郎他の出演者の応援なのか。判然としなかったが、暖かい雰囲気。オープニングは、ステージではなく天窓の座敷の一角を舞台に村岡広司+KAZUのカホンセッション!盛り上がる。

続いて登場したのが、マリンバ奏者のたきともこ。沖縄の風。グランドピアノサイズで5オクターボあるマリンバを、それぞれの手に2本ずつのバチ(マレットというらしい)を持って、下から上まで自在にたたき、木管の柔らかい音色で魅了。うーん、下手なアーティストの歌なんかより、こっちの方がはるかに感動的だな。マイケルジャクソンのカバーから、ラテン調のアップな曲まで、カホンとマリンバのインストセッションで思いっきり楽しい演奏を聞かせてくれた。

基本的に各出演者の演奏タイムに、各2曲は村岡広司がセッションする企画。インストの後は、anzmaryというバンドのボーカルmaricoとギターの石井君のデュオ。「夏色百景」「Yesterdayを歌って」「生き急ぐ私」「Martini」「Montank?」の5曲。maricoは安達祐美に似の小さくてかわいい女の子で、その声質は伊藤サチコに似ているのだが、声に表情が乏しくやや単調。もう少し声量や歌唱力を磨けばよいね。

次に出てきたのが野村太郎。アコギ弾き語りなのだが、素晴らしいグルーヴで、踊りだしたくなる。アルバム欲しいなあ。ベースとピアノのサポート2人の音にもセンスがあり、格好良い。「やまのこうじ?」「あいまいな気持ち」「まぼろし」「愛になる」などで会場を沸かせ、盛大な手拍子。こういう明るさいいよね。広告代理店の軽い社員みたいなノリが、少々鼻につくのだが、音楽が良過ぎる。楽しかったー。

そして、見田村千晴の登場。この日は進行がグダグダになると、「年末だから」というのがはやり言葉になっていで各出演者がこれで笑いを取っていたのだが、彼女は真面目!そんな言葉遊びは一切なく(笑)、高いテンションと惹きつける鋭く深い美声で、いつものように客席を静まりかえらせる。

見渡すと、ほとんどの女性客が見田村千晴を知らないはずなのに、彼女を食い入るように見つめ、音楽に反応している。本物の力があるシンガーが唄えば、目的が違うお客さんでも引きこまれるものなのだ。声に艶があり、力があり、表情がある。力強く、優しく、切ない。心を揺さぶる。素晴らしい。

1)渋谷駅東口歩道橋
2)静かな今日のうた?(初めて聞いた。村岡広司リクエスト)
3)歩いていこう
4)Love Song

たった4曲だったが、これが今年の女性アーティストの聞き納めだ!最後が「LOVE SONG」というのがうれしい。今年、この曲を何回聞いたことか。いやー、改めて感動的でした。

この後にレオナとう男性2人組。ボーカルは東Maxを素朴にしたような気のいい兄ちゃん風。声はポルノグラフティに似ているか。もう少し、何か引っかかるものがあると良かったな。

ここで、見田村千晴ちゃんとあいさつして別れ、3階から5階へ転戦。樽木栄一郎を見に行ったのだが、もう終わっていた。残念。しかし、最後の出演者全員による大セッションに遭遇。情熱全開のドリカムの「LOVE LOVE LOVE 愛を語ろう」だ。女性ボーカルのTahnyaと、ピアノボーカルの村上通の2人を核に、鈴木圭一、フジモトタカコ、双子のALLaNHiLLZ、遠藤貴之など豪華実力派メンバーが熱く楽しい掛け合いで、最後を大いに沸かせてくれた。

1年を締めくくるに相応しい盛り上がりとカタルシス。あー、これで1年が終わるのだなあと、紅白の最後のような感慨。見田村千晴もこちらのセッションを見にきて、客席からステージと一緒に「Love Love Love」の大合唱で、彼女も歌ってたなあ。僕も間近で歌ったけど(笑)

今年1年、いろいろあったが、見事に大団円。最後にまた、千晴ちゃんとも話せたし、これで新年迎えられます(笑)

2010年、楽しい音楽ライフだった。皆様、良いお年をお迎え下さい。