さて、そんなこんなで渋谷gee-geへ。予定してなかったけどね。偶然、渋谷ハチ公前で路上やってたサルーキーに遭遇し、しばし応援。「あいのうた」の途中で止められてしまったけど、彼らはいいよー。忌野清志郎好きだった人は、間違いなく彼らも好きになる。モノマネでなく、モノホンだから。愛とピースに溢れていて、感動間違いなし。
彼らに出会うなら、1月15日(土)にやる「Road To 武道館二回戦~1000人のステップ」と題したワンマンライブが断然オススメ。超メジャーになる前の今の内から、彼らを目撃しなきゃ損だぜ

ってことで、彼らが止められてしまったので、gee-geで食事することに。でもリハ中のため入れず、近くの純豆腐屋へ。まあまあ美味。すぐgee-geへ戻り、1組目が始まったところへ滑り込む。
この日の出演者は、実は誰も聞いたことなかった(と思ってた)が、主催の鉄平さんの紹介文が気になったのだ。個性派が勢揃いとか。宣伝文句の通り、出演者には確かに僕好みの個性派が沢山。ライブ中、今日を形容する単語として「異形」という言葉が浮かんだほどだ。
まあ、終盤はストレートなアーティストが並んだが、特に1組目と2組目は、かなり気に入った。
まず登場したのがPinkey Piglet。特徴ある3人を見た瞬間、かつて見たことを思い出した。それがいつかは、後から記憶を辿って、ようやく新横浜ベルズだと判明したのだが(最初は下北沢モナレコでみたチャンベビと混同してた)。
ピンピグのこの日の構成は、ボーカル+ボーカル兼ジャンベ時々ピアノ+アコギの女3人。いつもはこれにベースも加わるらしい。
その3人がアコースティックに繰り広げた音楽はカラフルでポップ


2組目は名古屋から来たという「おおたえみり」。これがまた「異形」だ。いや、外見のことではないよ。ハーフっぽいスラッとした美形で、スザンヌに似ており、ずっと清楚でお嬢様風。しかも18歳

ぶっ飛んでる、いや、ぶっ壊れてる


とにかく若さに似合わぬアイロニックな視点、怒りや鬱屈をパワーにして叩きだすようなピアノ。清楚さと子供のような幼い声と、作り出す歌世界のギャップ。計算されてる。「本当は怖いアンデルセン童話」の世界のようだ。小林未郁の生活感ある毒とは違う、ファンタジックな感じが怖い。
すごい才能。いったい何が彼女を駆り立てているのか。多分、同級生とは深い部分で話が合わないだろうな。もっともっと、その世界を煮詰めて欲しい。そうすれば、いずれ、ニッチでも脚光浴びる存在になるだろう。
3番手は芋子。オーガニックなギター弾き語り。芸名と音楽、そして彼女自身の出で立ちが、よくシンクロしている。素朴だが引っ掛かる何かがある。
4番手にはフルバンドが登場。ドラムが右最前列に置かれ、馬蹄形に向かって右からエレキ、ベース、キーボード、アコギと並ぶ編成。それも、キュートなドラムボーカル「U」ちゃんのステージだからだ。普段はオードリーシューズというグループで活動してるらしい。
この日はサポートミュージシャンが一曲ずつ持ち寄り、彼女が歌っていくという趣向。曲調もロック、ポップ、歌謡曲風と様々。それを、ドラム叩きながら、かわいらしく歌詞も見ず、歌いこなしていく。新しい曲ばかりなのに、完全に消化して彼女自身の歌にしている。ドラムもリズム乱れず、一定以上の水準。すごいなあ。
一見、高校生ぐらいにしか見えないが、どうして中々の才能だ。そして、表情が豊かで笑顔がチャーミング。気が強そうな所もいい。サポートの男性陣が、彼女を応援する気持ち分かるなあ。これから楽しみな存在や。
さあ、ライブも終盤。ラス前に出てきたのが、オガワマユ。ピアノ弾き語りアーティストだ。この日は、ドラムのマービーにベースを加えたスリーピース。
出番前に、この日閉店のYAMAHA渋谷店で購入してきたというメロディカ(ハモニカの少し複雑なやつ)を、僕の後ろで練習してる。この音が暖かくて、素朴で、なんかいい気分に。前からオガワマユの存在気になってたが、音楽センスを感じる音色。出演前から気に入った。
この日の演奏で特に良かったのがドラム!マービーのパーカッションは色々な所で聞いているが、今夜の弾け方は、一、二を争う好演。気の利いたシャッフルから、アッパーな曲でぐいぐい引っ張る激しく複雑なバスドラムまで、マービー流石

オガワマユのボーカルやピアノも、ドラムに引っ張られるように、ぐいぐい攻める。薬師丸ひろ子のような発声ながら、ドラマティックな曲で盛り上げを作る。強さと脆さが混在したアンビバレントさが不思議と魅力に。面白い歌手だなあ。
トリはRABUKA。フォーピースバンドで登場、ボーカルの女性がいい。お洒落でふわっとした曲を、うまく歌い上げ、演奏陣の技術も確か。楽しく盛り上がった。
取り敢えず、こんな感じ。