このカフェに来ると、オーナーで画家のヒロさん夫妻やJohnを始め、いつも顔馴染みの素敵な面々がいて落ち着く。まさにアットホーム


カフェの壁には原色鮮やかなヒロさんの絵画が数十点。彼は牧師でもあるから、絵画のテーマもLOVE&PEACE&信仰。この季節の気分を盛り立ててくれる。クリスマス装飾と相まって、素敵な空間だ。
そんな暖かなカフェの一角をステージにして、ライブも始まり始まり。この日は6組がクリスマスソングなどを交えつつ3曲ずつ歌い継いでいくプログラム。ライブハウスと違い様々なジャンルのアーティストが集い、賑やかな夜になった。
まずオープニングに、神山みさがジーサス生誕を祝い1曲歌い、ピアノ弾き語りのhannahちゃんにバトンタッチ。みさちゃんの歌は宗教とか関係なく、味わい深く、心に響く。 hannahちゃんはフレッシュな果実のような瑞々しい演奏。
続いて一転、ロックグループCLODのボーカルみき君の熱いギター弾き語りで会場もかなり暖まってくる。高音がきれいなサムエルのボーカルでは、優しい気持ちがあふれる。さらに、韓国から来られたYang Gi Junさんのパッショナブルなハングル曲が感動的。歌詞はわからなくても、心が揺さぶられる。
そして、厚木のライブ会場から駆け付けたサルーキーが登場。彼らの演奏を聞くだけでも来る価値ありだ。冒頭の「きよしこの夜」から、チヨ君のボーカルが炸裂。忌野清志郎ばりの声と音楽センスで一気に会場の雰囲気を変える。すごい才能だ。
さらにノリノリの「喜びの歌」ではカフェというのに客総立ち。心に響く「愛の光」で締めくくったが、3曲では物足らん

さあ、そしてライブの最後は神山みさだ。
2010年は音楽活動10周年ということで、彼女自身初のベストアルバム「Misa's Song Book 2000-2010」を11/23のワンマン@Milkywayでリリースしたばかり。全17曲入りで新たなテークの曲もあり、渾身の作品。彼女の歴史を知る上でも、その楽曲の素晴らしさに一度に触れるにも最高のアルバムに。聞く度に元気づけられ、癒され、暖かくなり、涙が出る。何度でも繰り返し聞いていたい永久保存盤。ぜひオススメの一枚だ。
先日のワンマンは諸事情で(笑)チケットを早くから購入していたにも関わらず見られず。この日、ようやくアルバムを入手し早速iTunesに落としてヘビロテ中。みんな一緒に歌い出したくなる作品ばかりだ。
ライブ1曲目はサルーキーとしめし合わせたか、「きよしこの夜」。でも、サルーキーが思いっきりファンキーなアレンジに対し、みさちゃんはオーソドックスに、敬虔に、愛を込めて歌い、お客さんと心をシンクロさせていく。
そして生きとし生けるものすべての誕生を祝い「バースデー」。彼女の声は深みがあって、優しい人格そのものが、その声にのってダイレクトに心に響いてくる。「歌」って大概が脚色や妄想が入るフィクションであるのだが、神山みさの曲は歌い手の全て。全身全霊で語りかけてくるメッセージだ。
そして「レース」。調度、一年前ごろのライブで初披露し、「来年はこの曲を私のテーマにして、歌っていきたい」と語っていた大切な曲だ。人と争うのではなく、自分は自分の道をしっかり走ろう、という自分自身への応援歌でもある。聞く者もそれぞれの人生を思い浮かべ、進むべき道への決意を新たにしてしまう。力をくれる歌だ。
ラストは神山みさの人生をかけたテーマソングともいえる「カタチのないもの」。目には見えず、耳には聞こえずとも、確かなことを信じる――その大切さを心に迫る熱唱で伝えてくれた。
ラストは出演者とお客さん全員で「きよしこの夜」を日本語、英語、韓国語で歌い、地球を一つに感じられる幸せな空気を共有。光を感じる一夜になった。
浮かれたクリスマスも嫌いじゃないが、敬虔な気持ちに満ちたこんな一時も何モノにも変えがたい貴重な時間。僕はクリスチャンではないが、そんな幸せな瞬間は大切に思う。