10/11/18 見田村千晴 cossami 神田莉緒香 @六本木 | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

シフトで夜が空いたのをいいことに、今週は毎晩ライブに繰り出した。しかしそれも、この木曜まで。金曜と週末は仕事や用事があるから、そこでバランスが取れる(のか?)。ただ、毎晩のライブ+酒と朝からの勤務で、若干の寝不足気味。どこかで取り戻したいと思う今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

木曜の夜は六本木strobe cafeへ。この真っ白な小さいライブハウス、今度お引っ越しです。11月28日を最後に六本木店を閉め、12月4日に北参道で新装オープン。少し広くなってグランドピアノが入り、出演者控え室も小さいながらできるとか。今まで出番前のアーティストが店の外で出番待ちなんて光景当たり前だったからな。。

そのこけら落としが、吉村かおり&やまはき玲のツーマンというのも、友達の家に遊びに来たような心地好さが売り物だったストロボカフェらしい。あの2人の明るく楽しいステージ、面白そう。どちらもまだ大物ではないけど、音楽はしっかりしてるし、センスある有望株。明日へ希望を抱き一歩ずつ進んでるところ、ストロボカフェのイメージと重なる。

さて、その残り少ない六本木店に、2日連続となるcossamiを見に来たよ。しかも、対バンが見田村千晴というから、これは見逃せない。加えて若手有望株(十代ビックリマーク)の神田莉緒香がからむ。メイン2品に、美味な前菜までついた、豪華なご馳走だ。いただきますナイフとフォークアップ (笑)

1番手は神田莉緒香、19歳、ピアノ弾き語り、身長150cm超。高校を卒業したばかりの、キュートガールだ。

十代でこうしたライブハウスに出演してる女の子は、どこか冷めてたり、やさぐれてたり、勝ち気だったりしてること多いが、莉緒香ちゃんは本当に年相応にかわいい。チャランポのモモチャンといい勝負だ。

その音楽も楽しい。
1)またひとつ
2)両想い切符
3)弱虫
4)オレンジ
5)あたしはキーホルダー

彼女自身がイチオシで、毎回歌う「両想い切符」は、等身大の女子高生のピュアな恋愛を歌い、その世代に共感されそう。同世代でなくても歌の構成が上手くて、楽しめます。AKBとかに歌わせたら、大ヒット曲になるところだな。まあ、この数年でSuica・PASMO時代に切り替わってしまい、みな切符買わなくなったことが惜しいが(笑)

個人的に最も感動したのがオレンジ。渋谷の街を舞台に疎遠になった2人の心象を描いているが、詞の作りが上手い。オレンジ色に染まる夕暮れの街並みが、リアルに浮かんできて、主人公の悲しみと重なり、ほろりとくる。若いのに莉緒香ちゃん、表現力もある。将来性は大ビックリマーク

2番手にcossami。

音符昨日も聞いた~、今日も見た音符(人生劇場風に)と口ずさみつつ、2夜連続で聞ける喜び。多分、自分は癒やしを求めてるのだ。彼女たちがいつも作ってくれる素敵な癒し空間は、何よりの安息になるよ。

今夜は、昨夜より持ち時間が長く、たっぷり8曲を演奏。この位歌ってくれると堪能できる。東京のライブでは、節目のワンマンだった「りんご収穫祭」以来の長さでは。

多くのライブで、持ち時間30分で5曲というパターン多いけど、ショーケース的に沢山見る楽しさがあっても、一組一組じっくり楽しむには短いよね。まあ、少ない出演者(あるいはワンマン)で長い時間やるには、集客力が問われる訳ですが。南青山マンダラでの3日連続ワンマンをすべて大入りにした拝郷メイコがいかにスゴイかが分かる。しかも3回のワンマンで1曲もかぶらせず、必ず見せ場も沢山用意したのだから。

さて、ストロボはステージと客席の距離が短く、本当に目の前で歌ってくれるから、自ずと親密感が高まる。そのため、キャンドルの壁に阻まれていた昨夜に比べ、コッサミが放射した熱の温度も2度は高く、会場をポカポカにしてくれた。何よりみなみちゃんとひろこちゃんの笑顔がいい。

1)りんご
2)Tommorrow(ミュージカル「Annie」の代表曲だね)
3)SeeビックリマークSee!!Seeビックリマーク!!
4)君の忘れもの
5)結婚しよう
6)こんなにもワガママなボクたちは…
7)ダリア
8)sun.day

昨夜も感じたが、昔に比べ彼女たちは強くなったと思う。自分たちの立ち位置に自信を深めたからなのか、迷いに区切りつけたからか、愛の歌を自信持って歌っている。例えばsun.day。古い曲で、昔は精一杯の自分たちを見て欲しいと頑張って歌っていた。今は余裕を持って、一つの愛の形をみんなに届けようとしている感じ。

それは、結婚しようとてらいなく歌える強さでもある。見知らぬカップルでも、呼ばれたら結婚式に行って心込めて歌いたい、と話す彼女たち。自信と自覚なくしてできることではないよね。

収穫祭のアンコールでいきなり披露した「ダリア」や新曲の「君の忘れもの」など、次のステージへと意欲的に進み始めたコッサミ。これからの展開が楽しみだね。


さあ、そして最後はギター弾き語り、見田村千晴だ。

もはや貫禄さえ感じる彼女。女子力高いcossamiの後に出てきたため、いっそう思うのだが、見田村千晴は「男前」だよねー。キリッとして、立ち姿が格好良くて、ギター背負って何処へでも旅するサムライの風情。その楽曲の作りも、ギター弾き語りの男性アーティストのような力強さやブルージーな感覚に充ちている。

それでいて、耳に飛び込んでくる歌詞は「女」している。ファンデーションの塗り方も音符とか、だからあなたに恋してる音符とか。

1)渋谷駅東口歩道橋
2)寄り道
3)ラプソディ
4)エピローグ
5)だからあなたに恋してる
6)明日バスに乗って
7)始まり
en. LOVE SONG

タワーレコードで、選ばれた10組のアーティストが100円CDを販売、上位3組をタワレコが全力プッシュするという新人発掘オーディション。見田村千晴もその10組に選ばれ、10月27日から販売期間の3週間、ほぼ毎日のようにストリートや飛び込みライブを繰り返してきた。それも、この18日が最終日。結果は12月1日発表ということだが、彼女が選ばれると確信してる。

というのは、僕も最初に2枚買ったのだが、友達に彼女の歌を紹介しようと終盤にまた追加で買いに行ったが、渋谷も新宿も秋葉原も僕が行く店全てで、彼女のCDが売り切れてる。そんなアーティストは彼女と、もう一組くらいしかなかった。

最も各店舗1位になった人が1ポイントで、全国で何ポイントになるかが重要。見田村千晴が全く知られていない地域で上位になるかは予測不能。東京だけだったら3位以内は確実だと思うけど。さて、結果やいかに。

その勝負のCDに入れた「始まり」。いい曲です。音符さあ、始めよう音符というサビに込めた彼女の想いは届くかな。少なくとも、ストロボで彼女がこの曲を最後に歌った後に沸き起こった拍手には、感動とアーティストとして彼女の大成を期待する想いが込められていたのでは。

そのままアンコール。準備していたのか、いなかったのか分からないが、「何がいいかな?」と客席に問いかけ。始めてのライブハウスなので、確信無かったのかも。

思わず「ラブソング」と声かけてしまった。別のファンの方からも「ラブソングしかないでしょう」の一言。「それしかない訳じゃないんだけどなあ」と苦笑しながらも、しっかり歌ってくれたラブソングは、力の入り方といい、挑むような迫力といい、見田村千晴の今を象徴してると思う。

音符使い捨ての体使いきって、ただ一つ、ただ一つの…音符

全身全霊で今、ただ一つの夢へ立ち向かう彼女の未来に幸あれ。一度、彼女の歌を聞いてしまったら、もう応援せずにはいられないよチョキ